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【10万PV!!】 競馬小説ドリームメーカー  作者: 泉水遊馬
シーズン3 chapter4
179/364

夢見る幼駒じゃいられない!-8

「こんな大レースでそんな作戦をぶっつけでやっちまうのか?」

龍田は半分呆れている。


ぶっつけではない。ちゃんと実績はある。それはドリームメーカーのデビュー2戦目。あの時は後ろから展開するための新馬教育的な意味であった。

まさかあれが2年半以上経った今、役に立つとは思わなかった。


幸いドリームメーカーは2年半経ってもほとんど気性的には変わっていない。


そして競走能力は別馬のように成長しているから、うまくハマればあの時以上の猛撃が見られるはずだ。

『一周目のスタンド前を通過します各馬!

インフェルノは3番手に!

ドリームメーカーはシンガリです!』


村木は必死に手綱を引いてドリームメーカーを抑えていた。

(なんて力だ!?頼む!!辛抱してくれ!!)


村木が手綱を絞るのは残り1000mを過ぎるまで。ロングスパートとなるが、インフェルノを差すにはこれぐらいの距離が必要だと武田師の判断である。



『レースは向こう正面へ!

間もなく残り1000mの標識を通過します!』


手綱をひきちぎる勢いのドリームメーカー。村木は先頭が1000mを過ぎたのを確認して手綱を緩めた。



『最後方より赤い巨体がグングン上がってきた!

ドリームメーカーがシンガリから位置をあげて現在7番手あたりか!?』


村木は巧みに手綱を操り外へ外へと位置をとっていった。

インフェルノは2番手に位置をあげ第3コーナーに入る。


『さぁ最終コーナー手前でインフェルノが先頭に立った!

残り400!

ハリウッドパーク競馬場の短い直線にまずはインフェルノが先頭で入った!


その後ろに来た来た来たぞーーッ!

ドリームメーカーが3番手!

凄い脚だーーッ!

インフェルノまで4馬身か!?』


よしっ!これはハマっただろうっ!!

残りは300強。明らかにドリームメーカーの方が脚がいい!

間違いなく交せる!



…と思った次の瞬間…


『さぁドリームメーカーが2番手のクロスロードをかわしにかかる!!


…?


アーーッとクロスロードが寄れてドリームメーカーに接触!!』


おい!?アメリカの馬!!

なにしてくれんだ!?


「ウリリリーーーーッ!!!」


『ドリームメーカー少し外に弾かれたが勢いは止まらない!

インフェルノまであと2馬身!

レースは残り200を切った!』


さすが700㎏のマッチョマンだ!普通の馬が接触しようが蚊に刺されたようなもんだ!!


『インフェルノにムチが入る!しかしドリームメーカーの脚がいい!!

さぁ並ぶぞ!!


…いや!!ここでドリームメーカーの脚が止まった!?


1馬身差でドリームメーカー脚が止まってしまった!!』


「そりゃそうだ!!一周1マイルの小回り競馬場を半分以上スパートで来ているのだから!!」

龍田が立ち上がり叫んだ。



村木はドリームメーカーに渾身のムチを打ちつけた。


(おまえには…毎度毎度苦労させられるよっ!!!)

村木の2発目のムチが打ち下ろされた時ドリームメーカーの鈍った脚が再び蘇った。


『インフェルノが先頭で残り100!ラストランのインフェルノが先頭で…


!?


ドリームメーカーがもう一度来たぞ!!


2頭並んだ!!』


「行けドリームメーカーっ!!」

もう俺は我を忘れてデカイ声を出していた。

「差せ!!牛っ!!」

龍田も拳を振り上げ叫んでいる。



『インフェルノが前に出た!

いやドリームメーカーが差し返す!


再びインフェルノが…いやドリームメーカーが喰らいつくっ!!』



ドリームメーカー!次はないんだぞ!

インフェルノはこのレースで引退なんだ!!

がんばれ!!おまえの力はそんなもんじゃないだろう!?


『両者譲らない!!

両者譲らない!!


ゴールまで残りわずか!!』


『2頭並んだままゴーーーーールッ!!


勝ったのは…






インフェルノです!!

インフェルノが見事接戦をものにして引退レースを勝利で飾りました!!


しかしドリームメーカーもよく頑張りました!!』


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