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【10万PV!!】 競馬小説ドリームメーカー  作者: 泉水遊馬
シーズン3 chapter4
175/364

夢見る幼駒じゃいられない!-4

『盾の栄冠に輝くのはどの馬か!?


秋の天皇賞…スタートしました!!』


逃げるドラゴンウイング。大逃げではなく引き付ける逃げでペースを作る。

それに続くのがフサイチチャンプとウルトラソウル。ロンバルディアは4番手、並ぶようにホワイトファング。

その後方に集団ができ中程にファンタジスタ、後方にフェニックス。


1000mを通過してペースはやや遅い。


俺はこの時点で位置を徐々に下げていくファンタジスタに戸惑った。


田原…どうしちゃったんだよ…!?


すでにフェニックスの位置まで下がったファンタジスタ。


この位置から差せる長い脚は使えない。


800mを過ぎて一気にペースが上がる。


『ドラゴンウイングが先頭で最終コーナーをまわります!

ホワイトファング、フサイチチャンプ、ウルトラソウルがそれに続く!

ロンバルディアもいい位置だ!


外目を突いてフェニックスもスルスルっと位置を上げる!


直線に入り内をいく先頭のドラゴンウイング!

3馬身差でホワイトファングが2番手か!?

大外を回ってフェニックスが5番手から6番手の位置!

ロンバルディアは馬群にのまれてもがいているぞ!!』


俺は目を疑った…最後方まで下がっていたファンタジスタがいつの間にかロンバルディアのすぐ後ろ6から7番手まで上がって来ていたのだ。



「アンカツしてやったりだ!!」

龍田が叫ぶ。


うるさいっ!!


『400過ぎてドラゴンウイングが先頭!

差が縮まらない!


ドラゴンウイング!

ドラゴンウイングが先頭!


2番手ホワイトファング!

ウルトラソウルも喰らい付く!

ドラゴンウイングに安藤のムチ!

これは凄い!後続を引き離す!

しかし外からフェニックスも追い込んでくるぞ!


…馬群を抜け出して凄い脚で2頭やってきた!

ロンバルディアと…ファンタジスタだ!


残り200!

先頭ドラゴンウイング!

2番手ホワイトファング!

3番手に大外フェニックス!

4番手はロンバルディアに変わった!

そのすぐ後ろファンタジスタです!』



あんなに調子を落としていたのに…

ファンタジスタになにがおこったんだ!?

まぁそんな事はどうでもいい!!


がんばれファンタジスタ!!

おまえなら差せるっ!!


『残り100!

ドラゴンウイングが2馬身リード!

これはハマった!

ドラゴンウイングが1着でゴール!

2着はフェニックス!

3着にはロンバルディア!

人気のホワイトファングは4着に敗れた!!


5着にファンタジスタ!久しぶりの好走!

復調の兆しか!?


優勝はドラゴンウイング!安藤勝己してやったり!念願の国内GⅠ制覇です!』


「原田さん!!」

レースが終わりすぐに検量室へと降りた俺と春文は出てきた原田騎手を捕まえた。


「今日のファンタジスタはどうしちゃったんですか!?」

興奮する俺に原田騎手は笑いながら答えた。

「いい切れ味はまだ健在ですよ!

最終コーナーで馬群が詰まった時に一ムチ入れたら一気に前に出ました。あとはひたすらロンバルディアに着いて行った格好です。

少し乗り方を変えたのがよかったのかな~」


最後方に下げたのは原田流の自在乗りだったのか!?


事前に言えよ!

びっくりするだろ!


「今までだったらロンバルディアの【好位先行長部乗り】に標準を絞った【好位差し】で通用しましたが、これからはファンタジスタの乗り方も変化させないといけませんね」

原田騎手はこう付け加えて去っていった。


この人…かっこいい…!


次のJCと、ラストランになる有馬記念への期待が大きく膨らんだ。



『みなさ~ん!ありがとうございま~す!

ドラゴン…ドラゴン…ドラゴンウイングの馬主の龍田仁でございま~す!

華麗なる一族ドラゴンウイング!

見事に天皇賞を勝ちましたぁ~!』

なぜか勝利インタビューを受ける龍田仁。


俺は足早に東京競馬場を去った。


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