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【10万PV!!】 競馬小説ドリームメーカー  作者: 泉水遊馬
シーズン3 chapter3
165/364

夢芝居は初舞台-5

『日本ダービー…



スタートしました!』

ウルトラソウルは先行位置に付け、スターレジェンドとドラゴンスペシャルは後方待機。シャイニングハートは有力馬に挟まれる中団におさまった。


ペースはややスロー。残り1000で後続が差を詰め始める。

シャイニングハートも早めの追い出しで固まりかけた集団に身を置いた。

直接の入り口手前で団子状態の集団。

ウルトラソウルはすでに3番手、内から2頭目。

シャイニングハートはそのすぐ後ろにつける。

しかし前が4頭並ぶ形でシャイニングハートは行く手を塞がれていた。

この日は前日までの記録的大雨で東京競馬場の馬場は内が荒れており前の馬の外2頭が早くも外に出す。

直線に入り内を走るウルトラソウルも外に出した時、逃げていたパラダイスソニックがウルトラソウルの前に斜行してきた。審議の青ランプが点灯。

安田富一はこれを見逃さず、一気に前に追い出した。

外に外に進路を移す各馬だが安田富一はあえて内をついた。牝馬であり2kg斤量の有利がある。

ウルトラソウルが進路に不利を受けたのを確認した安田富一は、かなりの大回りをしなくてはならない後ろのスターレジェンドやドラゴンスペシャルを振り切るために馬場の荒れた内を必死に追った。


『残り200を切ってシャイニングハートが先頭!

しかし大外からスターレジェンドとドラゴンスペシャルが飛んでくる!

ウルトラソウルは馬郡に沈んだ!』



明らかに脚がちがう…!!


俺は外から猛然と追ってくるスターレジェンドとドラゴンスペシャルを見て緊張感が頂点に達した。

シャイニングハートは必死に荒れた内を先頭で走るが、やはり外が凄まじく伸びる。


しかし…粘るシャイニングハート。

残り100でシャイニングハートがまだ先頭にいた。



『100を切って先頭は内シャイニングハート!

大外に観客の目の前スターレジェンドと半馬身差でドラゴンスペシャル!

さぁここでスターレジェンドが先頭に立つ!

ドラゴンスペシャルも2番手に!

シャイニングハート苦しいか!?』


俺の視線はシャイニングハートに絞られていた。


ここからだ…!!ファンタジスタの妹ならば…ここからなんだ…!!


『スターレジェンドとドラゴンスペシャルが並んだ!

2頭並んだまま…』


安田富一は最後のムチをシャイニングハートに打ち込んだ。


『2頭並んだまま…内でシャイニングハートも入った!

3頭並んでゴール!


兄譲りの電撃炸裂!


3頭どの馬が勝ったかわかりません!


掲示板は審議が点灯!』



やりやがった…シャイニングハート…。


俺の血管に新たにシャイニングハートが注入された。しびれるような電撃に体中を打たれた感覚だ。



審議だが前3頭は関係ないだろう


気になる順位はまだ表示されていない。



俺は祈る気持ちで掲示板を見つめていた。



『結果が出ました!


1着ドラゴンスペシャル!

2着になんとなんと牝馬のシャイニングハート!

3着に人気のスターレジェンド!


これは凄い結末となりました!』



惜しい…うわ~惜しいな~!2着か…。

しかし牝馬で2着なんてたいしたもんだ!!

結城氏も豪快に喜んでいる。



凄まじいシャイニングハートの電撃だった日本ダービー。美穂さんの心に元気は届いただろうか?



美穂さんの回復を祈りながら俺たちは帰路についた。




しかし…美穂さんの病がもっと深刻である事を俺たちは後になって知る事になる…。


瑶子がまた欧州へと旅立った。ドリームメーカーのサンクルー大賞(GⅠ フランス・サンクルー競馬場 芝2400m)が近づいたからだ。

前走のドバイシーマクラシックではダメダメだったドリームメーカーだが今度はやってくれるだろう。いや、ここで勝たなければインフェルノには勝てまい。

瑶子はヒシアマゾンの様子を見た後でフランスに渡りドリームメーカーのレースを観戦する事になっている。



そして日本競馬はかなり激戦になっていた。


昨年のNHKマイルカップとオークスを制したピンクオメガがヴィクトリアマイルを勝って挑んだ安田記念を勝利。

2着は昨年のマイルCSを勝ったディアマイフレンドが入り牝馬ワンツーとなった。

さらに3着には昨年の桜花賞馬アーデルハイドが来て牝馬3連単。


やっと4着に入ったユリノアマゾンはこのレース以降、ダート路線に的を絞る方針が発表された。ラストハリケーンに的を絞ると言った方が的確かもしれない。

帝王賞(地方GⅠ 大井競馬場 ダート2000m)後にアメリカに渡りBCクラシックに備えるプランだ。



今年もまた熱い夏がやってくる。

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