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【10万PV!!】 競馬小説ドリームメーカー  作者: 泉水遊馬
シーズン3 chapter3
163/364

夢芝居は初舞台-3

《ホースニュース》

-激闘!

世代交代の予感!?

天皇賞(春)結果-


1着フェニックス(牡4)

昨年の菊花賞馬。野田新之助とのコンビでGⅠ2勝目を挙げた。

次走は宝塚記念。


2着ロンバルディア(牡5)

屈辱のレースとなったロンバルディア。それでも意地の2着。次走の宝塚記念で覇権を取り戻したい。


3着ライラポイント(牡6)

やはりこの距離は強い。伏兵ながら毎年上位に食い込んでくる同馬。GⅠ戦線になくてはならない存在だ。


4着フサイチチャンプ(牡4)

長距離を逃げて4着に残った勝負根性はさすが。次走でまた兄のロンバルディア越えに挑む。


5着デーモンヒル(牡6)

敗れはしたがまだまだ健在をアピールする好走。しかしレース後に骨折が発覚。年内復帰が絶望と診断されたため引退が発表された。

名レースと言われたデビルカッターとの菊花賞での死闘を我々は忘れないだろう。


6着ファンタジスタ(牡5)

電撃は轟かず…。前走同様我々の知るファンタジスタの姿はそこにはなかった。このまま終わってしまうのか!?次走の宝塚記念での復活を祈りたい。


天皇賞の翌日、春文と龍田と一緒に酒を飲んでいた。

宝田がいなくなってから、俺を支えてくれたのは旧友のこいつらだった。


「とりあえずファンタジスタには年内はがんばってもらおう…」

春文がしんみりと言った。


「心配するな、貧乏人!来年ファンタジスタにはうちの華麗なる繁殖牝馬をたくさん用意してやるから!」

龍田が俺と春文の肩を叩きながら言う。


頼もしいがなんだかむかつく…。



「ところで飛田?例の件は進んでいるのか?」

龍田が急にまじめな顔で聞いてきた。


例の件とは、うちでも種牡馬スタッドを開設する計画の事だ。


すでに土地は購入してあり、設備も徐々に整いつつある。もとは【池田牧場】と言う小さな牧場だった場所であり最低限の設備ははじめからあった。


元々はうちの本牧場にあったファンタジアの専用馬房をドリームメーカーに与えるつもりだったが、今はヒシアマゾンの馬房になってしまった。

ドリームメーカーがいつ帰ってきてもいいように小さいながら新しい牧場を構えようと思ったのが事の発端だ。


ちなみにユリノアマゾンも引退後は新スタッドに入るよう相羽ゆりに話はつけてある。


「なんて名前の牧場にするんだい?」

春文が聞いてきた。



「新スタッドの名前は


『桜スタリオンステーション』だ。」


本牧場に仕事がなくなった俺が自ら場長をする。わずか数頭分しか馬房を用意してない小さなスタッドだ。俺と元池田牧場のスタッフで充分まわせるだろう。


開場は…ユリノアマゾンかドリームメーカーが引退してからだ。



「雅樹さん!」

久しぶりに帰ってきた瑤子が結城氏との電話を切った後、風呂に入っていた俺の元に飛んできた。

俺は最愛の息子である遊馬と一緒に風呂に入り久々の父親気分を満喫していた。

まだ生まれて8ヶ月。


可愛すぎる…。


親バカ炸裂だ。


「どうしたの?」

一応瑶子に答えたが、俺の集中は遊馬を抱く事に集中してある。けっして落としてはならない。


「結城さんから電話で…」


「うん。」


「シャイニングハートをオークスじゃなくダービーに出すって…」


「へ~凄いじゃん。シャイニングハートをダービーに出すんだ~」



…?


ダービー!?


「ダービーだってぇ!?」



うちで生まれたファンタジアの娘シャイニングハートがダービーに出走!?


驚きのあまり手を滑らせた俺は顔が真っ青になった。


…遊馬が湯船に沈んでいた。



急いで救出した遊馬は…笑っていた。

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