夢は夜ごとの狂奏曲-6
UAEダービーが終わり次のレースはドバイシーマクラシック。
ドリームメーカー参上だ。
「こりゃまた…なんでっか~?」
宝田が久しぶりに生で見るドリームメーカーに驚いていた。
ヤツのスーパーサイヤ人ぶりはここドバイでも話題になっていた。
しかし今日の主役はドリームメーカーではなくクールモアが送り込んだインフェルノだ。
「あの馬はごっついでっせ…」
宝田は欧州でこの馬を常に見てきたと言う。
俺は日本からもってきたホースニュースのドバイ特集を開いた。
インフェルノ
父ラムタラ
母ディヴァインプロポーションズ
英国ダービー①
エクリプスS①
キングジョージ①
BHBサマートリプル達成。
秋は凱旋門を2着と惜敗したがブレイブハートに続くスターホースとして高く評価されている。
「ラムタラの仔…」
瑤子が俺のコースポを横から見て呟いた。
「欧州三冠のラムタラ。その父は英国三冠のニジンスキー。そしてこの馬はBHB三冠。まさに英国の伝統と格式を受け継いだ馬ですわ。」
久しぶりに聞く宝田解説員の言葉は相変わらず俺を納得させる。
「浦河騎手が登場でっせ~!」
突然宝田がドリームメーカーを指差し叫んだ。
あれ?なんか浦河騎手の雰囲気が変わった?
浦河美幸はドリームメーカーと同じく金髪になっていた。
ぶったまげる俺とカラカラ笑う瑶子。
しかしこのレースはドリームメーカーの今後に大きな影響を与える一戦となった。