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【10万PV!!】 競馬小説ドリームメーカー  作者: 泉水遊馬
シーズン3 chapter1
148/364

夢は1㌧より重い-6

突然隣にいた瑤子が馬場に飛び出した。

驚いて呆然とする俺は瑤子をただ見送る事しかできずにいた。


瑤子が係員に止められる…事なく逆に誘導されるようにコースの先、ゴール地点に辿りついた。


龍田がニヤリとした顔で俺に呟く。

「ニクイ演出だろ?」


再び瑤子を見ると、


「コーーナーーンーー!おいでーー!」

と叫んだ。


なるほど…龍田、かなりの策士だ。

はじめから瑤子や馬場の係員と決めていたんのだ。


第1障害で間違いなくつまずくドリームメーカーに瑤子と言う最高のムチを打つ。

すでに瑤子とドリームメーカーの関係は競馬ファンなら誰でも知るエピソードだ。

この以上にない演出だ。



俺の視線はドリームメーカーに移された。


「ウガーーーーーー!」

蘇った猛獣は第1障害を超えた。



第1障害を超えたドリームメーカーは凄まじい猛追を見せた。


栗田勝二はすでにムチを振っていない。


なるほど…あれも演技か…。



すでにトップを走るトカチハナコは第2障害を超えゴール手前で一息入れていた。一番辛い場所だ。


ドリームメーカーはまるで1tのソリを引いているとは思えない走りで第2障害へと辿りついた。

今まで幾度とドリームメーカーには驚かせてもらったが今日ほど目を疑う光景は初めてだ。


ヒダカタロウも第2障害を超え前2頭の争いとなりつつあったが、ややトカチハナコが優勢に見えた。


一方第2障害へと底知れぬパワーで爆走してきたドリームメーカーはさらに一気に坂を登る。

「アーッハーーー!」

雄叫びと共に障害を超えるドリームメーカーの姿に俺は失神寸前だ。


気がつけばドリームメーカーは3番手にいた。

先頭のトカチハナコの体はすでにゴールを超えていた。しかしばんえい競馬のゴールは通常の競馬と違い【ハナ】でなくソリもすべて通過してゴールとなる。トカチハナコのソリはまだゴールを通過しておらず脚はすっかり止まっていた。ここからが正念場だ。


ヒダカタロウは最後の力を振り絞り頭がゴール地点にを超えた。あとは体とソリを通過させれば優勝だ。しかしヒダカタロウもここで脚が止まる。

ゴールライン上で必死の優勝争いをする2頭の後ろを戦慄が走った。


まったく一息も入れる事なく追い込んできたドリームメーカー。



ドリームメーカーの体がゴールラインを超えたところでトカチハナコがすべてをゴールラインから超えて優勝。

ドリームメーカーのソリの先端がゴールラインを通過した時に、ヒダカタロウがソリの後部を通過させ2着。


なんと…ドリームメーカーは3着に入った…。

「もうこんな茶番は二度とお断りだ!」

激昂した武田調教師は早々に引き揚げて行った。


はい反省しております…。


瑤子から離れないドリームメーカーを無理矢理馬運車に乗せ、東京競馬場経由でドバイ行きの飛行機に乗せる。


それにしても凄まじい馬力だった。

今後ドリームメーカーが何処まで行くのか楽しみでならない。



「いいイベントだったよ。」

突然背後からダーリージャパンの高橋氏が声をかけてきた。


あんたか…正直言ってあんたから声をかけられると身構えてしまう。またとんでもない話を提案されそうでね…。



「飛田社長。実はいい話があるのだが…」


ほら来た…。



俺は警戒を強めた。


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