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【10万PV!!】 競馬小説ドリームメーカー  作者: 泉水遊馬
シーズン3 chapter1
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夢は1㌧より重い-2

牧場に帰ってきた俺は、まずうちの期待の繁殖牝馬であるヒシアマゾンを見に行った。

相羽のババァからの結婚祝いで昨年の繁殖時期にうちにやってきたヒシアマゾンはデビルカッターの仔を受胎している。


この一年間でうちの牧場は変わった。

それもこれもすべて相羽のババァと瑤子が近隣の小規模牧場を買収による傘下にした規模拡大と事業拡大を行った結果だ。


繁殖牝馬は52頭

スタッフは牧童や関連新事業などすべてで25人。

社名も【㈱飛田牧場】となった。


もちろん社長は俺だが、スタッフらは俺を【旦那さん】と呼ぶ。

そして瑤子を社長と呼ぶのだ。


こんな屈辱はない…。


牧場での俺の役割は…特にない…。

提携したダーリーからの敏腕スタッフと相羽のババァがスカウトしてきた外国人スタッフがすべてをこなしてくれているから、俺はただ書類に目を通し判子を押すだけだ。

そして最近買ったガンメタのセルシオでブラブラする。


龍田と変わらない…。


孤独です…。



俺がブラブラする行く先は提携先のダーリージャパンではなく社来だ。

長年ほとんど傘下状態で世話になっていた社来からダーリージャパンに鞍替えしてしまったうちの牧場だが、今まで通りの付き合いができる理由があった。


すでに日本で業界第2位に上がる勢いのダーリージャパンは、社来不動の1位を揺るがせる存在にまで成長しつつあるが、うちの牧場はこの2つのビッグファームのパイプ役として一役かっているのだ。


ちなみにうちの牧場も小中規模から脱した成長株著しい牧場となったわけだが今も大切にしている血統は守っている。

もちろんダンステリアの血だ。

ダンステリアの娘ファンタジアは3頭の牝馬を産んだ。

ダンステリアに入るノーザンダンサー系とファンタジアの父トニービンは社来が作った血統革命の結晶だ。

うちの先代社長である親父と社来会長である吉野氏は共に荒れ地を牧場にした旧知の仲。

ファンタジアの残した3頭を含めたダンステリア系列の牝馬は今も社来からの種牡馬に付けてもらっている。


俺はいつものように社来ファームに立ち寄り吉野会長にあいさつにきた。

「こんにちは~

いつもお世話になっております~ぅ」


隠居している訳ではないが実権は長男の照文さんに譲った吉野会長。現役の頃よりかは幾分穏やかな目になっている。


「飛田の若社長か。

最近景気がいいらしいな?」


ちょっとトゲのある言い方だがいつもの事だ。それに俺はこの人は嫌いじゃない。いや尊敬すらしている。



「ところで…おまえさんトコのドリームメーカー…ばんえいに特別に出すんだって?まぁ地域の経済に貢献するのはいい事だが…いくらなんでも無茶だろ?」


すでにけっこう有名らしいな…。瑤子の耳に入るのも時間の問題か…。


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