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【10万PV!!】 競馬小説ドリームメーカー  作者: 泉水遊馬
シーズン2 chapter6
139/364

翼を広げて-4

『先頭はドリームメーカー!

大きな逃げではありませんがパワフルな逃げ!

フサイチチャンプは2馬身ほど後ろ!

1番人気ロンバルディアは3番手を行きます!』


三田 崇。父は元騎手でダービージョッキー。名門厩舎の名調教師の息子として大きな期待を受けているがそのプレッシャーは大きく悩み苦しんだ日々もあった。

すでに名馬となったロンバルディアと出会いGⅠ3勝を飾ったが、周囲の評価はまだ【ロンバルディアは長部の馬】である。

少し後方を走るアドバイザキューブは自分と父が育てたダービー馬。

本当はアドバイザキューブでグランプリに出走したかったが、父から言われた一言でロンバルディアに騎乗する事を選んだ。


『プロならより勝てる馬を選ぶべきだ』


プロ…。三田はプロの騎手としてすでに早熟でピークを越えたアドバイザキューブを諦め、あえて【長部の馬】に乗る決断をしたのだ。


長部の馬なんてもう呼ばせない!

ロンバルディアは…

俺の馬だッッ!!


後に【天才】の称号を継ぐ事になる三田 崇。

今はまだ夢の途中である。


『さぁ後方が徐々に差を縮めてきます!

フェニックスが外目を前に上げてきた!』


埼玉県春日部市の実家で観戦していた野田新之助は、フェニックスが画面に映った時興奮が頂点に達した。

本来ならばこのレースのフェニックスの鞍上には野田新之助がいるはずだった。

初めての重賞制覇がGⅠ菊花賞。フェニックスで成した快挙の夜に起こしてしまった暴力事件。

妹思いで平和主義の野田新之助を暴力に走らせてしまった美幸への想い。しかし野田に殴ってしまった後悔はあっても、殴らなければよかったと言う後悔はない。

隣で一緒に有馬記念を見ている妹の【ひまわり】。

暴走族の頭だった彼女は、兄のその優しさ故の暴力に強い衝撃を覚えた。

無意味な暴走や暴力から足を洗ったひまわりは、兄のように優しく誰かを守る為に暴力と言う最終手段があるのだと知ったのだ。

最近、近所の乗馬クラブでひまわりに乗馬を教える野田新之助の優しい笑顔が見られる。

改造バイクから乗馬に鞍替えした妹と再起を約束した野田新之助は、年明け2月に3ヶ月の騎乗停止が終わる。

友の待つターフへ。



【ローカルの鬼】と呼ばれる事になる野田新之助の再出発はもうすぐだ。

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