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【10万PV!!】 競馬小説ドリームメーカー  作者: 泉水遊馬
シーズン2 chapter6
138/364

翼を広げて-3

美幸はドリームメーカーとゲートに向かいながら、今日初めて競馬場へと来ている千賀子の事を考えていた。

瑤子から誘いを受けたのだ。


年明けに美幸と千賀子は欧州に渡る。千賀子に欧州でも看護師として働けるように瑤子の配慮で宝田が手配してくれたのだ。

美幸は来年から千賀子と共に挑む挑戦に、心踊らせながら今このレースに集中を切り換えた。



一方、馬主席から美幸の姿を見ていた千賀子は初めて来る競馬場に感激していた。

GⅠ有馬記念に集まった10万人以上の観衆。


ここが美幸の職場…。


千賀子の手は高鳴る胸の前で合わされ、美幸が一番で帰ってくる事を祈っていた。


『さぁ間もなく今年最後のGⅠのファンファーレ!』


「ウガウガウガーーーッッ!」

ドリームメーカーの気合いも凄まじい。


美幸はロンバルディアを見た。相変わらず素晴らしい馬体。

次に目線をユリノアマゾンに移す。

そしてファンタジスタへ。

美幸にとってレースが始まってみなければわからない事がある。それはドリームメーカーが照準を合わせるのがどの馬かだ。



『さぁゲート入り開始!順調に各馬ゲートに入ります。



グランプリ有馬記念…全馬体勢完了!


スタートしました!』



『スタートしました!


まずは…ドリームメーカーが一気に先頭に躍り出た!

続いてフサイチチャンプ!

ピンクオメガとロンバルディアが並んで先行!

ライラポイント今日はやや前の位置!

アドバイザキューブはそれを見る格好!その内にホワイトファング!

ファンタジスタはここにいました!

その後ろフェニックスとフォーザモーメント!


ユリノアマゾンがいつものように後方からの展開!

最後尾はフォークギア!』



美幸は勢いよくハナを取ったドリームメーカーにおかしな気分になった。


結局我が道を行くのね…


レース前に頭の中でシュミレーションしてきた事がすべて無駄になったのである。


唯我独尊…。

本来のドリームメーカーの走りである。



その後方に屈腱炎により1年間のブランクがあるファンタジスタ。

鞍上は原田成二。滝豊がホワイトファングを選んだための乗り替わり。1年間の休養でブツケ本番のファンタジスタは、凱旋門賞馬と言うキャリアでの3番人気であった。現に新聞等の評価では滝豊が選んだホワイトファングの方が高い。

しかし原田は手綱からファンタジスタの力強い手応えを感じていた。

落馬により騎手生命を失いそうになった原田だからこそわかるファンタジスタの気配。


トウカイテイオー奇跡の復活の立役者を背にあの有馬記念の再現を期待する生産者:飛田雅樹の願いを受けて、原田とファンタジスタは疾走する。


『さぁレースは中盤!スタンド前から向こう正面に展開していきます!』

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