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【10万PV!!】 競馬小説ドリームメーカー  作者: 泉水遊馬
シーズン2 chapter4
124/364

鬼神-4

美幸は盛岡競馬場に来ていた。

地方交流GⅠ

マイルチャンピオンシッフ゜南部杯

に出走するためだ。


大井競馬場の名物馬主であり、今年から中央の馬主にもなった開業医結城定男の持ち馬ファイナルアンサーに騎乗する。

ファイナルアンサーは大井競馬場所属の4歳馬。今年の川崎記念と帝王賞を制した地方の星だ。


結城定男は飛田牧場と交友があり、飛田瑤子(旧姓:菱田)から競馬に対する浦河美幸の真面目な姿勢を聞き今回の騎乗を依頼した。



このレースの結果によらずジャパンカップダートへの出走を決めている結城氏は、中央参戦を視野に中央騎手である美幸に大きな期待をしていた。




この日、盛岡競馬場には結城定男と娘の美穂、飛田夫婦の姿があり、妊婦である瑶子のお腹は今にも生まれそうなぐらい大きくなっていた



1番人気は中央のライオネスアスカ。牝馬ながらフェブラリーSを二着となった馬だ。


2番人気に同じく中央のトウキョウシチー。


3番人気に地方の星ファイナルアンサー。



上位3頭にはある共通点があった。


ライオネスアスカはスターマンの最後の産駒。

トウキョウシチーはキョウトシチーの最後の産駒。

ファイナルアンサーはヤシマソブリンの最後の産駒。



3頭共、現役時代に菊花賞でナリタブライアンに大差でぶっちぎられた種牡馬の最後の産駒だ。


まぁ別にたいして意味はない。


「とりあえず前の方にいてくれればいいよ」

ファイナルアンサーの日ノ丸調教師からかなりアバウトな指示を受けてゲートに向かう美幸。



『南部杯…スタートしました!!』


ライオネスアスカに騎乗する秋田騎手や、トウキョウシチーの一位騎手らも一気に前を狙う展開となり、美幸は前の2頭を見る位置での競馬となった。



序盤ややスローペースで進み、最終コーナーで前の2頭が一気に飛び出す。


行きたがるファイナルアンサーをなだめながら美幸は集中していた。

今日の騎乗が決まって、ファイナルアンサーの前走である帝王賞のビデオを見た時に感じた事、それは追って力を発揮するタイプの馬であると。


逃げる2頭を後ろからプレッシャーを与えながら道中進み期を伺う。そして前を行くトウキョウシチーがライオネスアスカより先に動いた時…美幸の狙いは定まった。


後に美幸の別名とされる事になる、

『マーク屋』

のスキルが無意識の内に開花する少し手前であった。



『トウキョウシチーが先頭で直線に入ります!

ファイナルアンサーが2番手に上がり競りかかる勢い!

残り200を切って2頭並んだ!』

美幸はムチを打ち必死に追う。

『トウキョウシチーが頭ひとつ残してゴール!やはり中央の馬が強かったか!

2着となった地方の星ファイナルアンサーもがんばった!』


レース後にオーナーの結城氏から次走ジャパンカップダートの正式オファーがあり、ユリノアマゾンに挑戦する事となった。



美幸は自分自身に変化を感じていた。

負けはしたが納得のいくレース。

これから自分の武器になる騎乗法を習得した気分になっていた。

地方からの刺客と共にユリノアマゾンへと挑戦状を叩きつける。

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