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鬼神-2
昭和50年代初頭。
1頭の名馬が京都競馬場で致命的な事故をおこした。
当然、安楽死の措置が取られてもしかたがない状況であった。
しかし日本中のファンの願いを受けた馬主は、その名馬を救う為に50人にも及ぶ獣医師団に手術を託した。
少ない成功確率の難しい手術であったが、無事成功。
後はその名馬の生命力に賭けた。
40日以上にも及ぶ闘病生活。馬房に吊されながら必死に生きる名馬に、日本中から励ましの手紙や千羽鶴、そしてたくさんの人参が連日届いた。
結果的に力尽きて永遠の眠りについてしまうその名馬は、競馬界の医療技術を向上させる起爆となった。
脚にボルトを入れて走る現役馬は今や珍しくなく、また喉ナリなどの病気も今や完治可能である。
この名馬がいなければ、競走馬の医療は20年遅れていたと言われている。
【テンポイント】
今現在も伝説となり愛され続けている名馬である。