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【10万PV!!】 競馬小説ドリームメーカー  作者: 泉水遊馬
シーズン2 chapter2
113/364

朱-5

4月四週、皐月賞(GⅠ3歳限定 中山競馬場 芝2000m)

『皐月賞の狭き門をくぐった18頭の若駒達が中山2000mを疾走します!


本日1番人気はホワイトファングと滝豊!

前走スプリングステークスを快勝していざ本番へ!滝豊は2週連続クラシック制覇へ挑みます!


2番人気にはステージクロス!前走弥生賞ではまさかの敗戦。ルドルフ、テイオーから引き継いだ皇帝の血!

鞍上はドリームメーカーでお馴染の浦河美幸!


3番人気はフサイチチャンプ!兄ロンバルディアに負けない潜在能力!安藤勝己と共に挑みます!



5番人気はアドバイザキューブ!前走の弥生賞を見事勝利!三田 崇は初GⅠ制覇となるか!?


7番人気はカスカベアクション!スプリングステークス3着と好走した前走、野田新之助と共にこの大舞台で逃げ切れるか!?




以上18頭!』



「いいか美幸!気負いするな!思いきっていけ!」

美幸は坂田の激を受けてターフに飛び出して行った。


『さぁ皐月賞!

各馬がゲートに入ります!


体勢完了!


スタートしました!!』


ステージクロスは前走とは違い好スタートを見せた。


『まずはやはりカスカベアクションが一気に先頭に立ちます!


それから少し間が空いてホワイトファングと滝豊!

その後ろ集団の中程にフサイチチャンプ!

それを見る展開でステージクロス!

後続にアドバイザキューブ!


まず序盤はこのような展開で進みます!


カスカベアクションは大逃げだ!

すでに2番手ホワイトファングとは10馬身程離しています!』


(新ちゃん思いきっていくわね…!)

遥か前方の野田新之助を見ながら、美幸は同期の大逃げに少し焦った。

もう一人の同期、三田は美幸の少し後方で待機している。


同期の三人が揃ってレースに出るのは久しぶり。GⅠでは初めてだ。

レース前に野田新之助が

「おっお~三田くんと美幸ちゃんには負けないぞ~ぅ」

と鼻息荒く語っていた。


「おまえらにはゼッテェー負けねぇー!」

三田も負けずに言い返していた。



辛く厳しい競馬学校の三年間を共に乗りきったご褒美のように思えて、美幸はなんだか嬉しい気分だった。


(私だって負けないんだから!)



『さぁ1000mを通過してカスカベアクションが大きなリードで先頭を走ります!

しかし徐々に差は詰まってきている!


800mを過ぎて後続が動いた!


集団の外を回ってフサイチチャンプとステージクロスが前に位置をあげてきている!


ホワイトファングも一気にスピードをあげた!』


レースは残り600を切ってカスカベアクションが7馬身のリードで先頭を走り、ホワイトファングがそれを追走。フサイチチャンプとステージクロスが位置をあげて集団を引っ張る展開。


『直線に入ってカスカベアクションはもういっぱいか!?野田のムチが入る!


ホワイトファングがいい脚でカスカベアクションを捕まえにかかるぞ!

集団から抜け出したフサイチチャンプとステージクロスも並んで突っ込んできた!


レースは残り400を切っております!


ホワイトファングがカスカベアクションを捕えて先頭に躍り出た!

フサイチチャンプとステージクロスも凄い脚で差してくるぞ!』


美幸はステージクロスに渾身のムチを入れた。

『ステージクロスがいい脚だ!

ホワイトファングに迫る勢いだぞ!

フサイチチャンプはいっぱいか!?


もう1頭来たぞ!アドバイザキューブだ!

これは凄い脚だ!

一気に4番手まで追い込んで来たぞ!

200の標識を通過!

先頭はホワイトファング!

2番手は1馬身差でステージクロス!

3番手はフサイチチャンプだが、アドバイザキューブに替わるぞ!』


必死にムチを打ちホワイトファングを追う美幸の横に突然風が吹いた。

『アドバイザキューブだ!外からアドバイザキューブ!

ホワイトファングと並んで100を切った!

滝のムチがホワイトファングに入る!


2頭並んでゴール!!


これは凄い追い込みアドバイザキューブ!

写真判定になりそうです!』


美幸は3着でゴール。

大逃げに出た野田新之助は最下位となった。


『大接戦のゴール前!


掲示板に結果が出ました!


1着はホワイトファング!

ハナ差で2着にアドバイザキューブ!

3着ステージクロス!

4着にフサイチチャンプ!


ホワイトファングお見事!


しかしアドバイザキューブも素晴らしい走りでした。

ダービーが非常に楽しみです!』



美幸を出迎えた坂田は納得の表情だった。

「美幸!お疲れさん。次は行けるな?」


美幸は大きく頷いた。


「ちくしょう!あとちょっとだったのに!」

久々に同期三人で食事に来たが三田は非常に悔しがっていた。


「ハナ差だせ?あー悔しい!」

GⅠではそのハナ差が遥か遠い。



「オラなんかビリだぞ~ぅ」

野田新之助はいつもこんな調子だ。


今夜は埼玉春日部にある野田の実家で泊まる事になり朝まで語り明かした。

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