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【10万PV!!】 競馬小説ドリームメーカー  作者: 泉水遊馬
シーズン2 chapter1
107/364

碧-7

翌日、美幸は今期1勝目を挙げた。

インタビューに来たのは中槻千春だった。

なに事もなくインタビュー終了し、美幸は去りゆく中槻千春を呼び止めた。

小声で、

「千春ちゃん。本当にごめんなさい。でも三田くんとは同期の仲間だけで、なにもないんです…!」


「うっせ~よ!バカ!ブス!死ねよ!」

美幸は中槻の罵声に失神しそうになった。


1月三週

日経新春杯(GⅡ 京都競馬場 芝2400m)


14頭立て。


美幸は乗り替わりで、フォークギアに騎乗する事となった。

4歳となったフォークギアは、昨年12月のステイヤーズS(GⅡ 中山競馬場 3600m

)を勝ち、本格化している。本日3番人気。


1番人気は、同じく4歳馬のドラゴンウイング。前走は香港カップで三着と惜敗したが、昨年のクラシック四天王として早くも天皇賞へ始動しはじめた。


2番人気にはダイナマイトハニーと滝豊。

晩成牝馬で、昨年の秋からオープン戦2連勝中の5歳馬だ。


レースはドラゴンウイングが逃げて、ダイナマイトハニーが先行。フォークギアは最後方の展開。


正直、美幸は追い込みが苦手だ。

ディアマイフレンドでも追い込みを失敗している。


美幸は気づいていた、師匠の坂田があえて追い込み馬の空き鞍を探して美幸に騎乗させている事を。


坂田の《優しさ》であった。


期待に応えなければ…!



美幸は鋭い追い込み馬であるフォークギアで追走していた。




フォークギアは大外一気の追い込みが得意な馬だ。

美幸は徐々に前へ位置を上げつつ外へ外へと持ち出した。


直線へ向いた時、6番手。先頭のドラゴンウイングとは5馬身差だ。


(行っくわよーーっ!)

美幸のムチがフォークギアに入った。

手綱をしごき、さらにムチを入れる。


内の馬が止まっているかのような加速力だ。


(さすがね!!)


一気に2番手に上がったフォークギアだが、結果ドラゴンウイングから2馬身遅れて2着。


フォークギアから追い込みを教わった美幸。

馬から競馬を学ぶのだ。

美幸には得るものがあった2着であった。


2月一週。ディアマイフレンドで出走する京都牝馬ステークス。

5月三週のヴィクトリアマイル(GⅠ 4歳以上牝馬限定 東京競馬場 芝1600m)に出る為には、2着以内に入らないと賞金的にきつい。


なにより2番人気に支持されている以上、前回のような失敗は許されない。



「美幸!今日は勝ち負けだぞ!」

坂田の激励も飛ぶ。



『さぁ京都牝馬ステークス…


スタートしました!』

美幸はシンガリで待機。

徐々に前へ位置を上げ外へ出す。


『さぁ直線!

ディアマイフレンドは外から追い込んできたぞ!』

フォークギアほどの脚はない。しかしディアマイフレンドも長くいい脚をもっている。


(がんばって!)

美幸のムチがディアマイフレンドを励ます。


『ディアマイフレンドの強襲!


しかし届かず!


2着となりました!』


(いい脚だったわ…)


負けはしたが、なんとかヴィクトリアマイル出走の賞金的にギリギリラインまで獲得できた。


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