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【10万PV!!】 競馬小説ドリームメーカー  作者: 泉水遊馬
シーズン1 chapter1
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流星-1

挿絵(By みてみん)



挿絵(By みてみん)



キンググロリアが暮れの有馬記念を制した翌年の春、親父が他界。

俺【飛田雅樹トビタ マサキ】は家族経営の小さなサラブレッド生産牧場を継ぐ事になった。


親父が若かった頃は手広く馬主業などもやっていたが、現在は繁殖牝馬11頭を俺とスタッフ2人で管理している。生産成績は悪く、経営は厳しい。そして牧場作業は忙しく30歳で未だに独身。まぁ北海道の小さな牧場に嫁に来る物好きはそういないだろう。


この牧場は親父の代で終わりにしようと思っていたらスタッフの一人宝田 誠(32)が

「ぼっちゃん!がんばりましょ~や~!なんとかなりまっせ~」

と無責任に説得してくる。5年前に親父が連れて来た大阪弁のちょっと男前。なんでも親父の知り合いの息子らしく、獣医の資格ももっている。

だがこのお調子物はなんとなく信用できない。なぜならこれだけの人材がうちのような小さい牧場で低賃金、重労働で雇用されている事が謎だからである。



そしてもう一人のスタッフ菱田 瑤子(24)という高飛車な女。

3年前にお袋が死んだ時にまたまた親父が連れて来た長身の女。まさか親父の愛人?かと思ったがどうも違うようだ。親父や宝田とは楽しく会話しているが、俺とは一切喋らない。てかシカトされている。しかしこの女、仕事は完璧にこなし、けっこう美人だ。ここで再び疑問に思う…なぜこれだけの人材がうちで…。



これからもコイツらと一緒に仕事をしていくと思うと胃が痛い。



しかしうちの牧場にもひとつだけ希望があった。

11頭の繁殖馬のうちの1頭に秋華賞2着馬ファンタジアがおり、そのお腹の中には菊花賞馬ダンスインザダークの仔を受胎している。

現役時代の実績もあってかファンタジアの仔は毎年高値で売れる。最近はファンタジアのおかげでなんとか経営できてきた。

まぁ高値で買われるくせに走らないと有名ではあるが。



ファンタジアと仔を売って、とっとと牧場たたんじまおう…


俺は毎日こう考えていた。

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