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ヒミコ女王。「神無月」のいわれの仕組みを示唆する。又、統一民族、統一国家の国づくりの段階的行程と組織づくりを提唱す

 そして、女王が最も気に為されている第三点は、列島の各地で活動して来た〈フゲキ〉達の処遇です。

 この数年間、訳の分からぬ内に、〈移動〉することを禁じた通達が有り、戸惑いながらこの出雲の教えを、列島に息づかせて来ました。そして、殆どのフゲキ達は、その地域、地域に根づいて同化していき、土着の民達やおさに慕われ、村々をいろんな分野で守っています。

 そして、フゲキ達の意思は、その村々の民達の意思とも為り、それは、将来の子孫の繁栄を考えて行くことに成って行くことでしよう。

 訳の分からぬ移動の禁止は、〈幸か不幸か〉この数年間で、フゲキ達がその村々で、生き延びて行くことを決意させたように思います。

 それは、村々の民達が〈

守り神〉として受け入れるのに、確かな足掛かりと成りました。

 そして、将来は〈守り神〉と成ったフゲキ達には

、出雲の故郷に〈年に一度〉帰って来て貰いたいのです。

 それは、各地に散らばる仲間達との情報交換をするのが望ましいからなのです。

勿論、フゲキ達がその地域地域で、自分だけが〈守り神〉でなく、古から土着の民達が崇めていた〈守り神

〉が同居していることが、分かっているからの指示です。その神を、フゲキ達の仲間達に紹介して行くようにすれば、沢山の〈神々〉が、民達を守って行くことでしょう。

 ヒミコ女王のお考えでは

[人間は、毎日を生きるのに必要な全ての物事に、自分達で為し得ない事は、あらゆる物〈自然の現象であれ、人々であれ先祖であれ、周りに有るいろんな事物であれ〉に手助けして貰わなくては為りません。そしてその願いの為には、礼を尽くして崇めることに依って、自分達の存続を確保して行くことが出来るのです。故に万物が神なのです]とおっしゃっています。 

 しかし、そういうフゲキ達と別に、地域で残留を由とせず、意に添わぬ〈フゲキ〉は、遠慮せず出雲に帰って頂きたい。列島の各地でいろいろな経験を積んで来られたのですから、これからは、出雲の村人達を守ってやって欲しい‥。と、

〈フゲキ様達〉への、ヒミコ女王のご指示です。

 長々と成りましたが、最後に〈連合国〉の内容と将来の有り様、について女王の決意としての説明をしておきたいとのことです。

 それと、申し遅れましたが、先ほど〈フゲキ達の処遇〉についての話の中で、

年に一度フゲキ達を出雲に呼び寄せる、という件ですが、ヒミコ女王とオオナムチ様‥、本日よりオオナムチ王様ですが、お二人で、皆を呼び寄せる場を稲佐の浜(出雲市)の近くに大きなやしろを造って向かえたいとのお話があったことを、申し添えておきます。

では、話を戻します。

 この列島(日本)を豊にし、国力を増すということは、しっかりした目標ときまり(約束ごと)を作らなくては為りません。

 今有るのは、互いに協力しあつていこうというだけです。勿論、従来の〈出雲連盟〉の仕組みにても、食料の交換や地域地域の実情に合わせた援助を行っており、人的交流や助け合いも互いに親身に成って行っております。しかしそれは、

その場限りでしか協力し会えていません。 

 動物のさがというか、人間の欲の行き先の一つとして、互いに時間が経てば、損得勘定が芽生えて来るからです。

 国力を付けていくとはどういう事なのか‥、まず、この列島の人間を二倍、いや三倍にも増やさなければ成りません。人間が増えれば食料の糧(かて、食材)を確保せねば為りません。

 糧を確保するには、作地を作る知恵や工夫を巡らせ、その成就の為には、人手が要り、道具などを作る技術が必要と成ります。

 それは、今までフゲキ達の活動や、韓や漢からの匠

(たくみ)達の援助や移民があって、今までそれなりの力となり、列島の人間が

増えて来た賜物であり、大きな財産です。

 しかし、それで満足せず、その経過を経て、

より大きな国づくりとなると、一つ一つの国力だけではどうにも為りません。

 それではどうするか‥、

それは連合国内での協力は勿論、もっと列島全体のことを考えての増産を、計画的に成し遂げて行く、という方向に考えていく他有りません。

 それもただ、やみくもに助け合うのでは無く。連合国の中心地〈ヤマト〉に報告して、実行に当たら無くては為りません。

 そして〈ヤマト〉では

、列島全体の人、物の数を調べあげて〈時間のかかることですので、ある時期までは大凡おおよそで致し方無いですが〉管理する場所や部署を設け、その調査をする能力を持つ人々を確保することが、先ず最初の大掛かりな仕事に為るでしょう。

 そして、各地域では何が必要なのか‥、を把握出来るように成れば、大きな成果と言えるでしよう。

 季節季節による変化もあるし、不備な所を満足させる為には、何年も掛かる事もあるでしよう。

 しかし大切な事は、各国々が協力の要請を求めたり

、それに対する協力を受け入れる国々は、必ず連合国の〈ヤマト〉を通し、〈ヤマト〉の指示の下に動かねば為らないということです‥、そのことが〈列島が

一つに為る〉大きな条件で有ることを、ヒミコ女王は

強調され、又、皆様の協力を強く要請されています。

 それと、最後になりますが、今、各国の交易船が〈

楽浪郡〉まで、行けなく為ったことはご存知だと思いますが、ヒミコ女王が今公孫氏と交渉を続けておられまして、来年には動ける状況だとの判断です。

 ただ〈楽浪郡〉ではなく

〈帯方郡〉行きと為るでしょう。漢江の河口〈仁川〉からは、楽浪郡よりかなり近くに成ります。

 そしてその際、列島からは〈連合国の札〉を持って

行かなければ、航路に危険か伴います。まだ戦火がくすぶり続いている所なので、安心は出来ません。その〈札〉は、筑紫(北九州)の伊都国が発行しておりますので、必ず〈稲米二俵分〉と引き換えに貰って

、帯方郡へ向かって下さい

。これは連合国が将来、各地域で〈日照り〉や〈洪水〉で、飢餓があった時の

援助の一部として蓄えておくもので、伊都国は責任を持って管理することを、〈

ニニギ王〉には了解を取っております。

 そして漢江の河口の仁川

まで行けば、馬韓の伯済(

ペクチェ)の駐屯地(現在

では、仁川は公孫氏に制圧

されている為,出先機関しか無いと予想している)が

有りますので、〈札〉を見せれば、帯方郡まで護衛してくれるように手配しておきます。

「ええ~~二俵の貢納をせよと‥!?」

 場内はどよめいた。オオナムチ以下全員と言って良い。

[日本の歴史で、初めて税金を納めさせるという,ヒミコの政策であった〈連合国という組織上、何らかの税の徴収は必須〉]

 床間の椅子に座って、じっとハコクニの熱のこもった演説を聞いていたヒミコが、始めてニッコリ笑って

表情を作った。

 しかし、その微笑みは、ヒミコの顔から自然に出た

ものでは無く、映った一人

一人が、自分に向けられて

いるような、鋭い笑みであった。

 誰かが問いかけようとしたが、次第にヒミコの姿が

薄く光り輝きだした。

「おお~~!!」

と再びどよめいた‥、が急

に元の静けさに戻った。[

これは,ヒミコの霊が皆を

引き寄せようとしているのだ、と一人一人が感じた為だ]

 ヒミコは〈ハコクニ〉の

自分を代弁する話を聞いて

[さすがに校長だわ‥、]

と,密かに急遽出雲行きに

同行させたことの成果に満足した。

 出雲国の村のおさ達は、交易船の話を聞いて

、〈出雲同盟国〉の王達を

何とか説得しなければ‥、と考え始めていた。

 ハコクニは、ヒミコの女王としての権限の行使や、

列島の将来の確固たる説得

力有る方針を代弁しながら

[何と周到な女王だわい‥、!と,舌を巻いて感心していた。ましてや、公孫氏と韓との戦況など、まだ何の進展も無いのに‥、

おまけに、帯方郡行きに貢

納まで取り付けて‥、同盟国を追い詰めるとは‥、!?]


 「何と大胆不敵な女子(

おなご)じゃのう‥、」

「ええ~~!先ほど謁見して

帰った者達の国の,女の王

のことですか‥、?父上」

「そうよ‥、最初〈文〉を

読み始めただけで、何と不埒な女子じゃと思い、〈使いの者〉を皆殺しにして、

送り返そうと思ったのじゃ

が、せっかく遠くから来て

、貢納も実の有る物ばかり

じゃたので、試しに会って見たが、〈文〉の主とは違い、使いの者は皆、しっかりしておったな‥、」

「そうでしたね‥、父上が

、ちっちゃな遠国の島国の王、よけいな口出しをするな!と恫喝しても、あの〈

ミナトベ〉とか言う〈長〉

は、びくともせなんだなあ

‥、ただ、父上をじっと見据え、王よもっと現状を眺めてご判断下さい‥、と口

こうじようした時は

、びっくりしました。只の

使いでは無く、その国の王

そのものの語りでした‥、

父上、ひょっとしたらあの者達は、死を覚悟の使いだったかも分かりませんよ‥、!」

「ふぅむ‥、そうかも知れん‥、それにしてもじゃ、あの若い連れの者‥、?」

「はぁ~~確か〈ナンシヨウメ〉とか言ってました」

「あ奴の漢語は、この辺りの韓人よりも上手いのでびっくりしたわ‥、あの者が

言うには、我らが‥、韓人達を凌駕しているのは、致し方なく立派なことだが、その結果をもう少し考え、

遣り方を変えてはどうか

‥、と遠回しに、韓の国を

制圧していることを批判しょったわ。それがなかなかの言い回しで、漢人でも、

かなりの〈学〉が無いと出て来ぬ〈詩文調〉であったのう‥、」

「いや、私もねきで聞いていて驚いておりました」

「そうか‥そうか。そちも我と同じように感心しておったのか‥、そうそう、二人の男の後ろで控えておった女子をみたか‥!何と魅力のある顔立ちであったのう。韓人とよく似ておったが、どこか違った感じがしたのう‥、」

「ほほう‥父上も目が無いですねぇ‥、怒りをあらわにしていたので、そこまでは‥、と思っていたのですが‥、」

「何を言っとる。そちは、その女子ばかり見ておったではないか」

「あはは‥父上も,よくお見通しで‥、確か〈トヨタマジ〉とか言っておりました」

「うん‥、さそちは、その

女子と話をしたのか‥!」

「いえ‥家人に聞いただけですよ」

「そちの側妻にしたらどうじゃ‥」

「イャ~~あ、私より父上の方‥が」

「バカ言うな‥、しかし、

それほどの者達の死を覚悟の上で、我が国に寄越し

‥、そこまでして、倭人は

何を得ようとしているのだ

‥、康〈(コウ)公孫度王の(女敵-子)ちやくし〉よ‥、?」

「いや、私にも分かりません。只、少し無視できぬのは、父上もご存知の、半島の南の端の〈金海〉近辺を

倭人達が制圧して、ことが

、気になりますが‥、」






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