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将来「女王」しようと思っていた孫のヒルメが子を身ごもつた。ナギの決断は‥?

「飛んでもない‥、!元々、我国としては、八代に他の民達と合流して、礎を設けたいということは以前からの考えであつた。ヨンギジヨンは、その命に背いて、東の西都原に余剰を設けようとして、欲張った為の失政じゃった。我々は、倭人とこの列島で張り合う積もりは無い」

「すると‥今、この地に来られた理由わけは‥?

「この八代には、馬韓の民達の村が十ケ所余り、百五十年の間に息づいて来ているのだ。それを我国としては、擁護せねばなるまい。その為のデモンストレーションじゃ。八代の南の国には、中国の呉国や秦国の子孫が、かなりの村づくりをしている(球磨くま、水俣みなまた、芦北せりきた)と聞く。我々も、それに負けじとその一角に入り、存続出来るように応援に参っただけじゃ」

「すると、この西海地域(九州の西、東シナ海側)に、馬韓の勢力を拡げるお積もりなのかな‥!?」

「そうでは無い。先ほども言ったように、今、半島(朝鮮)に我々の勢力が抜きん出ていても、同時に列島(日本)の一角を確保して置かなければ、扶余プヨ国の存亡に拘わるからだ」

「ううん‥、すると、今プヨ国としては、宗主国として、馬韓全体を一つにするという考えからは、勢力が分散して、成るものも成らなくなるのではないのかな

「勿論、それが先決だが‥我国の領土近辺と、国から少し離れた所に、仲間が健在であるということは、べつな意味で大きなことなのじゃ」

「ううん‥!?」

 ワタツミは、チヤンドクが考えている事に少し疑問を感じたが

「それでは、プヨ国としては、西海地域を拠点にするということではなく、いろんな人種と交わる列島に確かな勢力を育て上げて行きたいということかな‥?」

「その通りですぞ。兵士を温存するのでは無く、民達で馬韓人として子孫を守って貰いたいのじゃ」

「あい分かり申した。チヤンドク殿が、この地を去ったら、我々も出雲に戻ると致しましよう」


「何‥!ヒルメが、子を身ごもったと‥、!?」

ナギは、オオヒルメからの文を読んでいる途中で、驚きの声を放った。

「何ですって‥、ヒルメが子を‥、!?」

 側にいたナミも、余りにも突然の報にびっくりしてナギの顔を見た。

 孫のヒルメには、二人ともまだ会ったことはないが、ナムチ[女啇-ちやくなんとして、ナギ家を継ぐ立場]とツクヨミの子として、出雲の筑紫の拠点宇美の里で、すくすく育ち、六才を過ぎた頃から、並外れた霊感の持ち主だと、定期的に出雲に立ち寄る交易船(貿易船。列島の各国が自前の物産を他の国々と物々交換して回っていた)の船主から情報を得ていた。十才になってフゲキとして、各国を巡り出したのは、娘のツクヨミからも聞いていたが、五年前の出雲での会議の時のツクヨミとハコクニの言葉を聞いて、ある決断をしていたのだ。

「子を産むと、霊感や予言が心中から涌き出て来なくなるのではないか‥?」

 ナギはオオヒルメと同じように心配し出した。

 今では、学もたち予言も的中するのが少なくないとまで成長しているのだ。

 倭人が将来、この列島で連合国を作った先[いや‥今からそう遠くでは無い]

には、そのヒルメを名目上の王として推挙し、各国を束ねて貰いたいとナギは考えていた。

「どうだろうナミ‥、オオヤマツを連れて、葛城(奈良)の王や長者達を説得に行こうと思っているのだが‥、そなたも一緒に行かぬか‥?」

「ええ~~嬉しいわ‥、!

ナムチにも久しぶりに会って話したいし‥、でも、行けないわ」

「ええ‥、何故じゃ‥?」

「宇美の里に行って、ツクヨミ殿にお会いしたいの。ヒルメの懐妊で、慌てていらっしゃるんじゃないかと。それと、ヒルメが誰方のお子を産むのか‥?又、どのような心境なのか、聞いて置きたいの‥、!」

「うう~~ん。ワシもヒルメの心境は、確かめて置きたいと思っておった。下手をすると、王に成って貰おうと思っていたことを、断念せねばなるまいて‥、そうじゃ、そなたは是非宇美の里へ行って、その当たりのことを確認してもらった方が良い。ナムチには、又会う機会もあろうて。もしや、彼も娘のヒルメのことで、宇美の里に帰っておるかも分からんな‥?」

 その二人の話を、人づてに聞いたカグツチは、またとないチャンスだと、ある決心をした。

 ナギが、オオヤマツを連れて葛城へ旅立った三日後に、カグツチは、秘かにナミを内海(宍道湖)の浜辺に呼び出した。

「ヒルコのことで、大事な話を打ち明けるって、どういうことなの叔父様‥?」

「‥‥、」

 ナミは、カグツチに言われて、奴婢(ぬひ、側に仕える身分の低い女)を連れて来なかった。

「やはり叔父様なのね‥、ハニヤマとワクムスヒに指示したのは‥、!」

 カグツチは、砂辺に座ったまま、無言でじっと内海のさざ波を見つめていた。

西日が背後の山々から内海に映し出し、あと寸刻で暗闇になる夕暮れである。

 穏やかな風が、潮の海面をわずかに震えさせ、静かな波をかもし出しているのだ。

ナミ‥まあ~お座りなさい」

 ナミの血相とは別に、カグツチは、内海の景色をゆっくり眺めながら、横に座るよう勧めた。

 ナミは、ヒルコの生存を聞いて以来、カグツチを訳の分からぬ腹立ちさで恨んでいたので、なんと無しに、ゆっくり座って話し合う気分ではなかった。

 カグツチは、無理には勧めず、話し始めた。

「姫はこの出雲の国を、又、フゲキ達の歴史を潰されても良いと思ってられるのか‥?」

「なにを言ってるの、叔父様‥?」

「確かに、倭人達の活躍で

この出雲の国は大きくなり

、民達も安定した生活を送られるようになった、その礎はフゲキ達の長い歴史の賜物があったればこそなのじゃ‥、そうと思わぬか‥

姫様も‥、」

「勿論よ‥、フゲキ達の苦労が有っての出雲だわ。私もその一人として、夫と頑張って来たのよ。どうして‥?誰に潰されるというの‥!」

「何を言ってるのです。倭人が王に成り、出雲だけでは物足りず、あちこちでナギ殿は、その征服を狙っているではないか。そして、全国で行脚していたフゲキ達に足止めさせ、出雲に戻らせず、その地の民として一生暮らせとまで言ってきた。何故なのじゃ。何故フゲキ達が動くと困るのじゃ。フゲキ達の活動は終わってしまい、歴史としてしか残らないようになってしまうではないか‥、それ

を姫はどう思っているのか

‥?」

 段々口調が荒くなり、ナミの夫ナギへの憤まんをぶちまけ始めた。

「それは、叔父様の勘違いよ。ナギは、出雲の国を中心にしてこの列島に力を付ける為に、あちこちの王を説得して回っているの。征服しようなんて思ってないわ。フゲキ達には、その為の安全策を取る、ということで動いてはいけないと言ってるのよ。叔父様は、ナギが大王に成ったことで、自分が窓際に追いやられた為に、腹が立っているだけじゃないの‥?」

「何を馬鹿なことを‥、!姫は、我々の祖先が陸奥の三内丸山の出であるということを、忘れなさったか‥!倭人は他国の民達ですぞ。その者達に、列島(日本)を支配されても良いと思われるか‥、!」

 どうもカグツチの様子がおかしい。私が、ナギ様と結婚した時から、倭人を警戒し出したに違いない。

「それでヒルコを連れ拐う指示をしたのね、叔父様が

‥!?」

「‥、」

「そうなんでしよう‥!」

「そうだ。これ以上将来、倭人に力を付けてもらっては困るからだ‥!」

「うそ‥、!まさか、まさかと思っていたわ‥!?」

 ナミは踵を返して走り去ろうとした。

 カグツチが振り返り、ナミの足を掴んだ。

ナミはバッタリカエルのように倒れた。

「離して~~!?」

 ナミは、必死に足を蹴りながら逃れようとしたが、カグツチは逆に両足を取って、自分の方にナミを引き寄せた。

 足の腿から股まで剥き出しになり

「ひやあ~~‥、!?」

 ナミは、恥ずかしさの余り逃げるのを止め貫頭衣ワンピースの裾を足下に戻そうとした

 しかし、ナミが動きを止めた為、カグツチは裾を捲りながらナミに抱きついた

「イヤあ~~!?

 思わぬカグツチの行動に、ナミは悲鳴を上げた。

 カグツチはナミを仰向けにさせ、両足を思いっきり拡げた。

「叔父様‥、何をするの‥!やめて‥、!?」

 ナミは、渾身の力を振り絞って逃げようともがいた。

 しかし、必死の形相で両足固く抱えたカグツチの力には為すすべもなかった。

 ナミの陰部に顔がうずめられた。

執拗なカグツチの攻めに、頭が朦朧とし思わず身が震えた。

 カグツチは体を起こし次の動作にでた。

「ヒヤあ~~!?」

その悲鳴は、地球の沙汰からの響きに聞こえた。

[もう私は、地獄から戻れないのだわ]

 ナミは、カグツチの動きに自分も合わせているのに気づかず、目は虚ろに、見たことも無い情景のなかをさ迷っていた。

「私の子供を産んで、出雲を取り戻せる子に育ててくれ‥、」

 カグツチは、ナミの耳元につぶやいた。

[ナミの素肌の腿は、真っ赤に燃えていた]

 事が終わって、カグツチはゆっくりナミの裾を直し、ニタツと笑い、静かに去った。

 翌日も、ナミは再びカグツチに呼び出され、今度は、抵抗もなく抱かれた。


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