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スサ、伊都国王オシホミミに再会す‥、!王の見識と器を計る為なのだ❗

「それで‥?」

「いやあ~~オシホミミ殿が、皇太子の頃娶られれたフゲキのトヨウケジ様とは、王に成られて一年もせぬうち離縁されたそうで‥、トヨウケジ様はその後、宗像王のご子息サルタビコ様の妻となったと聞きましたが‥、オシホミミ殿にはご存じでおられたのかな‥?」

「おお!そうそう。噂ですが‥、そのように聞いております」

 オシホミミは、嫌なことをスサがほじくり返して来たので、少し気を損ねたが、スサの頼み事とは、それに関係しての事かも知れん、と気を取り直し

「それで、スサ殿の頼み事とは、そのトヨウケジの事で‥?」

 もう二十年近くになる昔の恥事など眼中にはない。

どんな難儀でもお受けしようぞ、との思いで尋ねた。

「いやいや、お恥ずかしいことですが、そのトヨウケジ様とは、私めも子まで作る仲になりまして‥、オシホミミ殿に何の煩いもお願いすることなどありません

「では、頼み事とは‥?」

「海向こうの三韓とは、トラブルなどありませんか‥?」

「おお、よくぞ聞いてくれました‥、」

「大変な事でも起きましたか‥!」

「いや、まだまだ三韓に居る倭族には、直接影響はないのですが、その三韓の動きが急に激しくなって来ましてのう」

 スサの頼み事を聞くのも忘れて、オシホミミは、舌も饒舌に滑り出した。

「もともと高句麗の始祖朱豪(ちゆもんの子孫と息巻いている部族が、この二百年の間に力をつけて来て、馬韓の各国の王族の中にかなり浸透しているとの情報が入って来ています。

彼等は弁韓、辰韓にさえ、同じ朝鮮民族としての統合を打ち出しており、弁韓も辰韓も警戒して自分達の部族の団結を引き締めているのですが、各々新たな勢力が台頭してきて、統制が取れず混乱しているようです」

「すると馬韓が、弁韓、辰韓を攻めるということも‥?」

「考えられないことは無いのですですが、今の馬韓王達は、どちらかと言うと,中華の漢が支配している楽浪郡(らくろうぐんを脅かしている公孫氏の動きに関心があり、公孫氏は楽浪郡(ピョンヤン付近)の南に位置する帯方郡(たいほうぐん、ソウル付近)に拠点を設置する為に軍を送り出しているので、弁韓、辰韓に攻撃をかける余裕は無いと思います」

「ふう~む‥、」

スサは腕を組んで考え込んだ。

「それよりもスサ殿。今の辰韓の支配者達は、北からの〈(わい、北方の騎馬民族〉の侵攻を懸念して,南の弁韓に揺さぶりを掛けて、近隣の弁韓の村を次々に支配下に治めようと動いているのが気掛かりです」

「ええ‥、!辰韓がそんな動きを‥!?」

 スサは辰韓が、父ナギの思惑とは逆の動きをしたことに驚きの声をあげた。

「それで、今イクツヒコネ達(ナンシヨウメを連れているフゲキ達)はどこにいるのですか‥?」

「そうですね。三年前に此処を出て、金海(きんかい、弁韓の主要港、釜山付近)に行くと言ったました、その時の彼等の行程を聞いたところでは、金海から慶州(辰韓の首都、大邸てむ)に行って、又金海に戻り、馬韓の全州(慶州南みち)に行く予定だとのことですので、今頃扶余(ぷよ公州)辺りかと思います。その後の行程は、はっきりしなかったみたいですが、帯方郡に行くのであれば、今は公孫氏がその近辺を凌駕しているので、漢の情勢は読めないはずだとは言っておきました。でも‥

何故‥出雲のフゲキが巡礼にそこまで行くのか‥?

のうスサ殿。教育も文化もずっと列島の知識人より勝って(まさって、朝鮮の方が)いると思うのだが?」

 それには答えず

「公孫氏が寮東(りようとう半島を制し、高句麗の支配地域付近まで脅かしているという状況ですね」

「ええ、公孫氏のことは、先ほどお話した動きなので、韓や我々にとっては、中華に通ずる(すべが無くなったと言うことです。それに、今の漢朝廷は宦官(去勢した後宮の役人)や外戚(皇后や王妃の親族)が権力を欲しいままにして,朝廷は軟弱化する一方です。それに乗じて近年、軍族の董卓(とうたくという男が、権力を握っている宦官や外戚達を皆殺しにして一掃したという情報が入っています。漢王朝を倒さんばかりの勢いですが‥、どこまで制するかは疑問です。そんな状態なので、太守(たいしゆ、県知事)の公孫氏が、隙をみて漢王朝から離れて、自分達の国づくりに奔走しているという状況ですか‥、」

「すると、現状では高句麗や三韓は、漢からの圧力は無いと見るわけですね」

「そうですね。漢王朝が落ち着くのは時間がかかるでしよう。もしかしたら、漢王朝は倒れ、他の豪族が中華を支配するかも知れません」

「そのような兆しのある氏族がいると‥?」

「いや、今のところ全く分かりません。漢王朝のことよりも、今は道教(老子の教義)を主体とした〈黄巾(こうきん〉という集団が、民達を煽動して各地で反乱を起こしている状態で、地方の官庁は、その鎮圧に必死です。漢朝廷の維持など考えられ無い状況ですよ。



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