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ヒルメ、十三才。驚きの変貌‥、!方や曾祖父宇佐のミナカミヌシにあらゆる学を深く学ぶ

 特に、この三、四百年の間に,中国の揚子江(長江)流域から朝鮮を経て流れ込んだ倭人集団。その勢いが、この列島を活気づかせている事実だ。しかし、歴史の流れは分からない。自分も含めて真摯に取り組んでいかなければ‥、と。


「ヒメミコ、もうそろそろ西都原へ行って見ぬか‥?」

 ある日、突然ミナカミヌシがヒルメに問うてきた。

村の人達は、王のひ孫で巫女(みこ)でもあるヒルメをヒメミコと呼んでいた。

「もう連れのホホデミ達も、内海(瀬戸内)の主要地域を回って帰ってくるよな‥、日向にはそなたの伯母もいるそうじゃ」

「ええ‥?伯母様が‥!」

「そうじゃ。そなたの母のツクヨミの姉上様じゃ。確か、オオヒルメ様とおっしゃっていたな」

「オオヒルメ様‥!私とよくよく似たお名前だわ」

「そちの名は、そなたの母のツクヨミが、姉上様にちなんで付けたそうじゃ」

「では、私によく似ているのかしら‥?」

「そりゃあ‥、うん‥良く分からん」

「ええ‥、何か‥いみがあるの‥?」

「いや、そうではない。行って伯母上に会って確かめるが良い‥、」

「‥?」ヒルメはちょっと訝ったが、それ以上詮索しなかつた。

 それから一週間後

「ヒルメ様、ホホデミ様達がお戻りになりましたわ‥!」

 介護役のタマヨリが、嬉しそうに報告した。

普段は少し蒼白く、控えめな女性だが、今日は頬が特別に紅色に染まって見えた。

 ホホデミ達は、ヒルメを宇佐に残し、ミナカミヌシの以来もあって、内海(瀬戸内)の主要地域を巡っていた。三年ぶりに戻って来たのであつた。

「まあまあ!皆さんご無事で良くお帰りになりましたわ。ヒルメも首を長くして待っていたのよ」

 ヒルメの祖母ナキワサメは、慈愛にこもった目で皆を優しく労った

「ナキワサメ様、ありがとうございます。ミナカミヌシ様のご依頼で周防に行き、宇佐の状況をお話して来ました。それから[安芸・革丙(とも)]共に広島県。播磨(はりま、兵庫県)まで行き、そして海を渡り讃岐(さぬき、香川県)、道後(どうご、愛媛県)と巡礼して来ましたが、各地域とも私達の意向を良くご理解いただき、田畑の改良を実施させて頂いた村むらには大変喜ばれました」

「それは本当に、ようございましたわ父のミナカミヌシも早く貴方達のお話を聴きたいと思っておるに違いありません。離れの部屋におりますので、どうぞ行ってやって下さい」

「はい、ありがとうございます。では‥、」

 四人は、母家(おもや)の奥にあるウガヤ(弟鳥うがやの羽根の屋根)のこざっぱりした竪穴式住居に入った。床が一メイ-トルほど下がっており、小梯子で降りるようになつている。広さは十人ほど座ってもゆっくり余裕がある。奥の方に(ひのき)で作った格子の仕切りがしてある。おそらく寝床だろう。

 部屋の奥の正面にはミナカミヌシが座っており、右手には女性が二人並んで座っていた。


 四人は横に並んで胡座(あぐら)をかいて座った。女性は片方の足が立て膝になる。

 ミナカミヌシはニコニコして

「おお‥、!良く無事に帰って来られたわ。良かった良かった」

 四人は一同

「只今、戻りました」と一斉にに頭を下げ、帰国の挨拶をした。

「ミナカミヌシ王こそ、ますますご健勝のように見受けられ安心しました」と

ホホデミがすかさず、王の安泰に喜びの返答をした。

「ええ!ヒルメ‥?貴女ヒルメね‥!?」

勿論、三年経っても面影は十分あり、そんなにびっくりすることではなかったが、タギリビメはヒルメの

変わりように、声を上げずにはいられなかった。

 イナビも

「おいおい、本当にヒルメなのか‥?」

三年も経つとそりゃあ大きくなるのは当たり前だが、言葉に言い尽くせないところが、この驚きの声となった。

 横顔しか見えなかったが

「皆様、ご無事で良くお帰りになられました。お疲れ様です」

改めて四人に正面を向いて挨拶した。

「うう~~うん‥!?」

四人とも一斉に唸るような声を発した。

 そこには、気品があり、厳かななかに威厳が備わって、まるで観音様のような女性が微笑んでいたのだ。

ニコッとしたその笑顔は、一瞬だが、皆一人づつがじっと見透かされているのを感じた。

「ようまあ立派な女性になったのおヒルメ‥!いやヒメミコ様じゃ、あははは

‥、」

 ホホデミも、これは只の女子(おなご)じゃないわ。まだ十三才というに、

これほど人を惹き付ける力を備えていようとは‥、」

 「皆様お久し振りです。ご無事で良くお帰りになられましたわ」

タマヨリもヒルメに見いられている四人に、含み笑いしながら挨拶した。

「おうおうタマヨリ、元気であったか‥、!」

フキアエズは先ほどから気が付いていたのだが、思いっきりびっくりしたような声を上げた。

「フキアエズ様も益々ご立派になられ、お元気そうで何よりです‥、!」

「な~になに、そなたも暫く見ぬうち、益々美しゆうなつて‥、!」と見つめ合う。

 懐かしさと愛おしさの余り、タマヨリの顔は真っ赤に熟れてしまっている。

 皆、どっと笑った。

「何じゃ、そなた達出来ておったのか!そりゃあ久しぶりに会うて、うずうずしておるじゃろ‥?」

ミナカミヌシは、笑いながら二人を冷やかした。







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