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異世界転移・転生対策課  作者: 紫烏賊
case2 三人の勇者
38/199

????????会議

「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」


俺は廊下を駆け抜けて一番奥の部屋に駆け込む。


何でこの廊下は何でこんなにも無駄に長いんだ!!と愚痴を心の中で言いながら扉を開ける。


「報告します!!」


俺は扉を勢いよく開けて中に入った。部屋の中は薄暗く部屋の中央に円卓があり、それを囲うように椅子がありそれぞれに人が座っている。・・・空席もあるが


「どうぞ」


円卓に座る一人が続きを促した。


「実験体は理性を失い暴走、対策課に討伐されました!実験は失敗です!」


俺は手元の資料を読み上げた。


実験体の一人が試験薬を使用したが理性を失いあたりかまわず暴走、後に対策課と生き残った勇者に倒された。


「そうか、あなたの言ったとおりになりましたな」


そう言って座っていた一人が水晶を持っている人に笑いながら言った。


「え?知ってたのですか?だったら俺が急いで報告しに来た意味は・・・」


結構急いで報告して欲しいと言われたので全力で走ってきたのですけど・・・


「ま、まあ、ほら確認だからね?それよりも」


そう言って一人が円卓の中の一番豪華な椅子に座っている人に顔を向けた。


「そうだな・・・・フッフッフ誠が死んだか」


豪華な椅子に座っている人は机の上で手を重ねてそこに顔を置いた。


「奴はこの連合のなかでも・・・ってよく考えたらあいつ連合に入ってなくね?」


「せやな、まだ加入前のお試し期間中だったしな」


「じゃあパロできないじゃん」


「せっかく雰囲気は出したのに・・・」


そう言って一人が指を鳴らすと部屋が明るくなり、一人一人の顔がはっきりと見えるようになった。


いつもの事だが雰囲気づくりの為に暗くするのやめてくれないだろうか?


毎回暗くてつまずきそうになるし、明るくなった時に目に優しくない。


「まぁ、実験の結果は見れたしいいんじゃね?」


そんなことお構いなしに皆それぞれの意見をしゃべる。


「そうだね、やはりいかに神によって強化された肉体でも最強無敵完璧という訳ではないようだな」


「できれば拓馬君も使ってくれればもっとデータをとれたのにー!」


「あんなに引っ張ったのに使う前にサクっと殺されちゃったからな」


「せっかくあのドラゴンの破片を苦労して拾って培養してあいつらに渡したのになー!!」


一人が手足をジタバタさせながら言う


「でもあの普通の勇者に渡さなくて正解でしたね。やはり普通に転移した人は神によって転移した人よりも馬鹿にならないようです」


「そこは予定通りであり、知っていたがね」


「それにそのままだと、お前を含めたここにいる全員が馬鹿だと言っているようなものだぞ」


「・・・確かに、ごめん」


「まぁまぁ、できれば普通の転移者のデータも欲しかったのですが、欲張りはいけませんから」


「ああ、私達の敵は協力にして何万年も生きている個体もいる化け物の巣窟、こちらに気づかれたら駄目なことは前回で嫌と言うほど味わった。欲張った結果崩壊など笑えんからな」


「ああ、幸いにして協力者を確保できたのは僥倖だ。おかげで比較的安全な拠点と物資を確保することができた。前回の拠点に比べれば少し劣るが、それでも十分すぎるほどの施設だ」


「ああ、我々『ユグドラシル連合』は一度あの憎き『異世界対策課』によって壊滅の危機にあった。失ったことも大きいが、今こうして再建が出来てきている」


「はい、現在わが連合は総勢20万をこえてあらゆる世界から同志を集めています。先日も10人もの同志をいっぺんに増やすことが出来ました」


「よろしい、だが目立ち過ぎないように。前回は目立ち過ぎてしまい彼らをよぶことになってきまったからな」


「分かっています。今回は数より質を優先しています。またここには集めずに合図があるまで各自で待機して研鑽を積むように言っています」


「よろしい、ユグドラシル連合の目的は世界中の人々が手を取り合えるようにするために、異世界対策課ひいてはその機関の完全破壊である。そのために努力は惜しまず、休憩はしっかりと取って叩き潰す。今回の実験では殺すことが目的ではなく、あることの確認のための実験だったが結果は良好。このデータを反映して我々は一歩奴らに近づく!!」


「ええ、もう誰も悲しまない世界をつくる為に、そして全人類が笑顔になるために!!」


「そのために私達は化け物を超える化け物になって奴らを殺す!」


そう言って皆狂喜的な笑みを浮かべて笑い出した。


俺はここに来る前の連合はわからないが、とりあえず言えることは今全員の顔は怖いということだ。


「あの・・・」


その時に扉が少し開き外から10歳ほどの外見をした少女が姿を現しました


「あ、ハンさん。どうしました?」


「そろそろご飯の時間なので呼ぼうかと」


「すみません、今少し取り込み中でして少ししたら行きますから・・・」


「そ、そうですか。すみません・・・今日は皆さんから要望の多かったカレーと言うのを頑張って再現してみたので、食べて欲しかったのですが・・・」


「「「「「「「カレー!!!」」」」」」」


全員の声が揃ってこちらに顔が向く


「カレー、ですか?」


一人がもう一度威圧的に聞く


「は、はいぃぃそうですぅ・・カレーですぅぅ」


ハンさんが涙目になりながらも答える。


「では行かなければなりませんね。皆さんもそう思いますよね?」


満場一致と言わんばかりに全員の動きが揃いながらうなずいた。


「では会議は食事が終わってからで、全員手洗いうがいをして食堂に再集合!!」


「おう!!」


そう言って全員が声を揃えて答え席を立ち食堂に向かった。


「いやー久しぶりにカレーが食えるな!!」


「そうだな前回、連合が攻められた時以来だからな今から楽しみだぜ」


「それはそうとお前、今から一発殴るからな」


「は?なんで?」


「連合のアイドルのハンちゃんを泣かせたからだ。ファンがアイドルを泣かせていいのはファンのサプライズによるうれし泣きだけだぁ!!いくぞぉ!!歯ぁ食いしばれ!!」


「や、やめ。ぶふはぁ!!」


一名はぶっ飛ばされて部屋を出て行き、残りは普通に部屋を出て行った


「・・・・」


「・・・・ハッ!!」


流れについていけず。部屋に取り残された俺はハッと気が付きハンさんと一緒に食堂に行こうと声をかけた。


「ハンさん?」


「・・・・・」


目の前で手を振ったり、肩を掴んで揺らしたりした後に一つの結論にたどり着く


「・・・気絶してる」


・・・・どうしよう・・放置してもぶっ飛ばされる、抱えて持って行っても


「何ハンちゃんに触ってやがる!!アイドルは触らずに崇めるものだ!!」


そう言ってぶん殴られる。


助けを呼ぼうにも周りに誰もいなく、こちらに誰かが来る気配もない


「・・・はぁ」


とりあえず俺はハンさんの隣に座ってハンさんが気が付くか、誰か来るまで待つことにした

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― 新着の感想 ―
[良い点] 敵のまともな部分、異常な部分の双方を描く事によってリアリティが出ている。 私の大好きな手法です。 ああいう会議の場はどんなキャラが居るか、どれくらいの実力差があるか等色々描けますし、便利で…
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