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異世界転移・転生対策課  作者: 紫烏賊
case2 三人の勇者
35/199

討伐作戦開始と物資到着

いつの間にか投稿数が30を超えてました

一か月って早いなと思いましたが、最初の頃は一日に二回投稿していたのでまだ一か月経っていませんでした

「・・・・・・・・」


眼前にはこちらを睨むドラゴンがいる。


本当に誠から変化してドラゴンになったかは今一つ実感がわかないが、こちらに攻撃しているから何とかしないとな。


後ろには割とかわいい子がライフルを持って構えている。


今度共闘するときがあったらならもう少し考えて物を話そう、そう心に決めた。


正直まともな作戦じゃないと俺は思う


「勇者さん準備はいいですか?」


割とかわいい子、アイビーさんがそう聞いてきた。


「俺は大丈夫です。むしろそっちは大丈夫ですか?」


「え?」


「この作戦正直まともじゃないと思います、一番死ぬ可能性があるのは俺達です」


一番ドラゴンの注意を引いて攻撃の来る危険地帯の一等地だ。


「そうですね。でも隊長が決めた作戦ですし、この他の作戦は思いつきませんでした。ならこの作戦を全力でやるだけです」

「そっか、じゃあ始めましょうか!」

「はい!」


そう言って彼女はライフルを構えて、竜の頭目掛けて引き金を引いた。


放たれた弾丸は奴の顔に向かって飛んでいき最終的に鼻の孔に入っていった。


「・・・すご!!」


「いえ、狙ってないです・・・」


「え?あ、そうなんだ」


でも効果はあったようだ。


奴はこちらを向いて口を開いてブレスを放とうとしている。


「じゃあ俺は俺の仕事をしますか」


前方に向けて魔法を発動する。


力を持たなかった俺が必死に勉強し発動時間を削りと威力を最大まで高めた俺の十八番!


「ウォール・オブ・タングステン」


そう唱えると同時に目の前に金属性の壁が現れる。


・・・そういえば調べている内になんで魔法名が思いっきり英語なのかは疑問に思ったけど結局分からなかったな。


まあ、オリジナル言語とかで話されても困るんだけどね。


「ってうおぁ!!」


そう思っていると竜から火球が放たれて壁に当たった。


「ふ、残念だったな。この壁は簡単には壊れなぁぁぁぁぁ!!」


一発を防いだ途端に間髪入れずに次弾が飛んできた。


しかもさっきのより威力上がってるじゃん


ふざけんな!!


ここで恰好よく啖呵を切ろうとしたらこれだよ。


てか啖呵を切ると騎士団の士気が上がるからやっていたけど、今はやらなくてよかったじゃん

恥ずかしい。


「ヌゥゥァァァ!!アイビーさん!!攻撃をお願いします!!」


「はい!」


俺達の役目はドラゴンの注意を引くことだ。


アイビーさんが撃って俺が守りながらアイビーさんの銃の有効射程までの距離を詰める

あの竜は人としての感覚を残っていると言った。


『先ほどの攻撃、ユッカを攻撃するなら後ろ脚や尻尾を使えばいいだけだ。なのにわざわざ前足で攻撃していた。

それに全く使う気配のない翼

多分奴は人間からドラゴンになったが、ドラゴンとしての体の使い方を分かっていないようだ。

そこに隙がある』


まず俺が攻撃を防御してアイビーさんが狙撃してドラゴンを挑発する。


その隙に他の人がドラゴンの後ろ脚や尻尾から背中に登るという作戦だ。


俺の攻撃もあちらの攻撃にも一名を除いて鱗を壊せるほどの攻撃力を持っている人はいないので攻撃が届かない背中から攻撃しようと言うことだ。


人間誰しも何かに集中しようとすると周りの事が見えなくなる。


それを狙って俺たちが注意を引いているのだが、火球の威力が上がっているので本当に躍起になっているのだろう。


・・・もしかして性格も誠に引っ張られているんじゃないか?


誠、一つの物事にだけにいつも全力だったから周りの事を全然見てなかったし


「・・・というか、あまり当たってないじゃないですか!!」


後ろから発砲音は聞こえているけど、弾はあまり目とかの急所に当たっていない


それでも顔に当たっているので挑発は出来ているけど、威力は上がっているのでこっちの負担は増えて行っている。


「スコープは炎の光が通ると目が駄目になる可能性がありますし、周囲から来る爆風で体が動いて照準がブレてるんです!!」


後ろから悲鳴みたいな声で返事が来た。


「そっかぁ!!」


俺はそう返事するしかなかった。




「さてと」


ドラゴンの背によじ登り、後ろから登ってきたナギ達に手を伸ばす。


突起の多い岩のような鱗で助かった。


「では次の段階に移行する。バロック」


「わかっています隊長」


そういってバロックが背中の真ん中あたりの鱗に向かって歩いて構える。


私達の装備は基本的にヒットアンドアウェイを基本的な戦術にしている。


そして武器もそれに合わせて一撃よりも数を細かく撃てるような武器にしている


だがバロックの装備は少し違う


バロックのガントレットにはパイルバンカーが付いているので、威力を上げた攻撃が可能になっている。


「ハアァァァァ!!」


瓦割の要領で背中の鱗に拳を打ち込み直後にパイルバンカーが起動して鱗を粉砕した。


ドラゴンの悲鳴が聞こえて体が揺れる


「次だユッカ」


「うっス」


バロックの攻撃で肉がむき出しになった皮膚に間髪入れずに剣を突き刺した


肉は柔らかく剣は深く入り込んだ


「おまけに、これをあげるっスよ!」


そう言って腰のテザーガンを撃ち込んだ


直後にドラゴンの体が大きく揺れ始めた


多分こちらに気がついいて振り落とそうとしているのだろう


背中なら腕も顔も回らないので直接こちらに攻撃することができない。


それで体を動かして落とそうとしているのだろうが、残念だがまだ落とされるわけにはいかない。


ユッカが刺した剣を掴んで耐える。


体動くたびに剣が動いて傷口をえぐって痛みは加速する。


これで奴を殺せるとは思わないが、狙いは別だ




今だ!!と俺達は走り出した。


向こうに気が散っている内に接近する


アイビーさんはちゃんと来ているか振り返ると、少し後ろでスコープを取り付けながら走っている。


今ドラゴンは背中の人たちに気が向いていて、こちらの事を忘れている。


先ほどまではドラゴンの顔が正面を向いていて目を狙えなかったが、向こうを向いている今なら狙える。


でもあのライフルで本当にドラゴンを殺しきれるのだろうか


さっきの攻撃もドラゴンは傷一つ付かなかった。


有効射程に入ってないかららしいけど、それでも効くのだろうか


でも、信じるしかないか


別の事を考えよう。・・・そう言えば


「でもなんでドラゴンの体は動いているのに頭の位置は変わらないんだ?」


ドラゴンは背中に乗っている人たちを振り落とそうと体を動かしているけど、ドラゴンの頭は一切動いていない。


まるでパントマイムみたいだ。


「それはね~周りをよく見るためよ~」


そう言って目の前にナイスバディな女性が現れた


「セラさん!!」


「ただいま~アイビーちゃん。こっちからは話せなかったけど~隊長達の話は聞こえていたわ~はいこれ」


そう言って現れた女性はアイビーさんの左腕に彼女の体の3倍はありそうな砲身を持つ銃?を取りつけた。


肩から指先までが銃にはめ込まれており、肩には排熱版だと思う板が見える。


「え?」


「ランクA級用特製レールガン『オーベルテューレ』よ~ はいこれ説明書」


「いえそう言うことではなく・・・」


端末型の説明書を渡されながらも、アイビーさんが戸惑うのも無理はない。


急に見知らぬ兵器を取り付けられたら誰でも戸惑う


でも少し恰好いいとは思う


「あと勇者君の質問だけど~あのドラゴンは鳥と同じように周りをよく見る為に頭を動かないような体の作りになっているの~」


「え?じゃあもしかしてこっちも見えているのですか?」


「いいえ~でも視界の端で何か動いているくらいには感じていると思うわ~。あのレールガンはチャージに時間がかかるから~チャージし始めれば~流石にこっちに気が付くわ~」


「そうですか」


「その分威力はあのライフルよりも大きいから頑張って守ってね~私も手伝うから~」


「え?セラさん隊長の所に行かないんですか?」


説明書を読んでウンウンと唸っていたアイビーさんが声を上げました


「今転移して隊長の所に行こうとしても場所がズレまくっているからできないのよ~

下りてくれるといいんだけど下りたら攻撃が飛んでくるでしょ~?今のアイビーちゃんみたいに説明書を読む必要があるから渡せないのよ~」


「そう・・・ですね」


「でも~隊長は説明書読まなくても憶えているから大丈夫だから~別の人に渡すのを頼んでおいたので心配しないで~」


「は、はぁ」


「では!アイビーちゃん行ってみよ~」


「・・・はいシステムスタート」


その掛け声とともにアイビーさんの左腕のレールガンが唸り声をあげて砲身が上下に別れてその間を電気が流れ始めた。


二の腕当たりを覆っているパーツから透明な板のような物が出てきてアイビーさんの目の前で止まった

多分スコープのようなものだと思う


「さて勇者くん私達は防御よ~」


そう言って武器を二丁構えて正面を向く


俺も正面を向くとドラゴンがこちらを向いていた。


「細かいのは私が撃ち落すから~勇者君は安心して大きいのだけに集中してね~」


正直この人の実力が分からないけど今は信じるしかない


「分かりました」


取り合えずこちらも切り札の準備をしておこう


そう思いながら、俺はもう一度金属の壁を呼び出す

ランクA級武器『オーベルテューレ』

ランクA用の新装備を作ろうとした時に作った新型レールガンの初号機

現在は発展及び完成形の『フィナーレ』が運用されているが、創造課の面々になんだかんだ愛されており、構造はそのままにして定期的にメンテナンスが行われている。


『オーベルテューレ』の動力はバッテリー式だが一発撃つごとにバッテリー切れを起こしさらに、一発ごとにリロードと砲身の冷却時間が必要なため、現場での評判は微妙だった。

排熱機関を取り付けてみたが焼け石に水であった。

『フィナーレ』ではその反省を生かして小型化した上でガトリングのように一発撃つごとに四つの砲身を回転させて、冷却時間が必要ないようにしている。

また、バッテリー式から太陽光発電と周囲の魔力を吸収していく二重発電式を採用したバックッパクを装備することによって、砲身の軽量化と扱いやすさを実現させた。

名前の由来は当時音楽にはまっていた創造課の一人が「開発開始してから一番最初の試作機だから『序曲(オーベルテューレ)』にしよう」と言ったのがきっかけ

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― 新着の感想 ―
[良い点] でっかい銃は漢の浪漫! [一言] 今回も素晴らしい出来でした! 次回も楽しみにしております!
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