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異世界転移・転生対策課  作者: 紫烏賊
case7 マッチポンプな救世主
188/199

視覚

「アイビー転移者に照準を合わせろ。ただし私が走り出したら目を瞑れ」

「わ、わかりました」

『バロック、ユッカ動きを止めろ。ナギ転移者の右に回り込んで待機』

了解(っス)


 それぞれに指示を出してゆっくりと転移者に近づきながら刀に意識を集中する。刀が淡く光るのを感じながらも転移者からは目を逸らさずに様子を見る。タイミングはユッカとバロックが転移者の動きを止めた瞬間。バロックは素早くジャブを繰り出しながらも転移者が付け入ることが出来そうな隙をわざと作り出した。その隙を見逃す転移者ではない。


「必殺『覇王業炎斬』!!!」


 明らかに一人を殺すために出す勢いではないような真っ赤で威圧的な炎をまとわせた剣を大振りに構えて思いっきり振り下ろした。バロックは冷静に剣に右フックをかます。例え必殺技であっても剣は剣、切れる場所に変わりはない。炎も炎よりもその周りが一番熱いので高速で剣を殴れば火傷になる前に触ることが出来る。それにバロックはガントレットをしているあの程度苦にもならないだろう。


 そして軌道を逸らされた剣は勢いはそのままに地面に突き刺さり土煙が転移者の姿を隠し、タイミングを見計らってバロックが後ろに跳びユッカが煙に向かって発砲する。照準は定めずに動いたら当たるように転移者の周囲に弾が飛ぶように発砲している。転移者の服が万能であったとしても感覚までもが万能になったわけでは無い。視界が塞がれている状況で周辺を飛び交う銃弾、なまじ感覚が鋭い分何が自分の周りを飛んできているのか分かるだろう。出来るなら視界を確保したいと思うだろう。転移者は不安要素を嫌がる。不安要素は真っ先に潰し圧倒的に自分が有利な状態で戦いを進めようとする。奴は視界を確保しようと剣を振り、煙を晴らす。


 そこに私にグレネードを放り投げて走る。同時に私の後ろからアイビーの放った銃弾が追い抜きこちらに振り向いた転移者の服に直撃する。そして目の前にはグレネード、それも爆音を発しながら光を放つスタングレネードだ。一時的に目を機能させなくする。視界などの感覚は強化されていないのは先の土煙で分かった。だからこそ視界を塞ぎ攻撃する。


 グレネードが起爆するタイミングで目を瞑り刀を持っていない方の腕でさらに目隠しをする。インカムが付いていない方の耳に目に被せる為に上げた腕を使って申し訳程度に塞ぐ。瞬間耳をつんざくような高音が響き渡る。目を閉じている私でもわかるほどに何かが光ったのを感じた。そしてそれは一瞬だが意味は大きかった。私の片耳はキーンとなったままであり目を開ければ左腕を中途半端に突き出したままの転移者が立っている。


 声は出さずに一足で転移者に近づく、不意打ちであるからこそ声を出さずに刀を振り抜く。だが、普通の攻撃では奴の服を貫通できない。だから、溜めた。理不尽には理不尽をチートにはチートをぶつける。蒼く淡く発光する刀は転移者の左腕を少しつっかえを感じたが思いっきり振り上げれば焼ける音を出しながら切り落とす。


「あああああアァぁぁぁ!!」


 切り口から出る血は刀の熱によって即座に焼けて止まる。群将は素材の闇鍋、その物質の中のなにかが他の素材と反応して出るのがライトレイだ。チャージに時間がかかるし貫通力があるだけで範囲も広くない。ただし闇鍋であるからこそ刀の中に溜めた状態を維持すれば、その素材同士の異常反応が発生する。光線のように出すのではなく刀の中に溜めて乱反射させる。そうすることで切れ味を上昇させ、ある程度のチートは貫通できる。ただし光線を使用しているので一定時間が経過すると素材が焦げてバナナすら切ればくなるほど切れ味が悪くなってしまう。


 それに傷口を焼くと血が止まり、失血による気絶が発生しにくくなるから余り使いたくはなかったが、こうでもしないと奴のチートを突破できそうにないので仕方がない。

腕を切り落とされた転移者はそれでも剣を落とさずにこちらを睨みつける。別にそんなにみられても手加減はしないつもりだ。それにそんなに私を見ていて大丈夫なのか?


 転移者の右方向先ほど後ろに下がったバロックが一足で接近し、その無防備ににらんでいる横顔に右ストレートを繰り出す。何にも守られていない無防備な横顔を思いきり拳を振り抜くと転移者はその勢いそのまま後方に吹き飛ぶ。とはいえそこは転移者一般人なら脳天が弾けそうな一撃を食らっても意識を失わずに体勢を整えようとしている。そして泣きっ面の追撃、いつの間にか背後に回っていたナギが飛んできた転移者の脳天に向かってラリアットの要領で盾を振り抜く。今度は腕、横、背後からと何度も攻撃が直撃した転移者は地面に倒れ伏し力が抜けたように大の字に寝転がっている。


 この短時間に二度も脳天を揺さぶるような攻撃を食らって流石の転移者も動けないようでピクリとも動かない。


 腰から拳銃を取り出しからの薬莢を吐き出して新しい弾をひとつずつ込めながら転移者の元へ近づく。群将はもう既に光を失い綺麗な刃紋は黒く濁ってしまい切れ味は期待できない。

リロードも終わり、撃鉄も起こした。準備が完了し気絶している転移者を足で踏みしめ転移者に銃口を向ける。首を切れないので不安ではあるがなに、脳天が爆ぜれば大丈夫だろう。

そのまま、引き金を指をかける。


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