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異世界転移・転生対策課  作者: 紫烏賊
case6 幸せな未来を壊せ
175/199

介錯

この話をもってこの章は終わりになります。そして、少し更新を停止します。

一か月くらいしたら再開するので気長に待っていてください

「思ったより……容赦がなかったね」


 傷だらけで所々煤けた顔でイサナさんが問いかけます。その周りの水は赤く染まっていて、体中に穴が開いて血が流れています。そして少し諦めたような顔をしています。


「ええ、私は止まりません。この足は減速することは合っても、もう止まることはありません」


 私はグロックをセミオートに切り替えます。流石に顔を穴だらけにするのはかわいそうだと思うので、顔には一発だけにすませておきます。


「そう、なら一つお願いしてもいいかな?」


 そう言って骨が少し見える人差し指を立てます。


「…なんでしょうか?」


「これからもフレアの友達でいてくれないか?」


「え…いや、それはちょっと難しいかもしれません」


 無理です。愛している人を殺した方を許してくれるお人よしなんているわけありません。それに私はもうお涙頂戴で感動的なお別れをしたのに今更仲良くしましょうなんて言えるわけないです。少なくとも私は出来ません。


「お願い…します」


 それでも、イサナさんは頼み見込むように頭を下げます。そう言われても‥‥第一先ほどまで殺しあっていた私に頼まないで欲しいのですが。いえ他に誰がいるかと言われたら返答に困るので私に頼むしかないと思いますが、とにかく私では無理です。

私がはいと言えずに困っていると


「わかった」


 後ろから声が聞こえて振り返ると隊長が歩いてきました。隊長はイサナさんの目の前まで歩いた後、目線を合わせる為にしゃがんでもう一度返答しました。


「私が何とかする、だから安心して眠るといい」


「そう…ですか…なら、お願い…します」

 

 イサナさんはそう言うと目を瞑りました。


「アイビー」


 隊長はイサナさんを指差して銃の形を作りました。止めを刺していいと言うことでしょうか?

取り合えず頷いて引き金に指をかけます。向けた銃の先にイサナさんの顔が見えます。憑き物も落ちたような顔をしていますが目元に涙があるのが見えます。刹那、少しいけない考えが頭をよぎります。まず叶わない願いでしょう、でも叶う時が合って欲しいと思い口にします。


「おやすみなさいイサナさん、生まれ変わって会うときがあれば、次はお互いこのような関係で無く、ただの友人として出会えることを願います」


 イサナさんはそれを聞いて少し笑ったような気がします。私は目を閉じずに引き金を引きます。乾いた銃声が響き渡り‥‥





「さて、帰るか」


 ナギさんに仕事を終えた旨を伝えた後に私の方を向きました。流石にナギさん達と合流してから帰ると時間がかかってしまうのでそれぞれ転移することになりました。


「隊長、イサナさんとの約束は…」


「約束はしたが今すぐという訳にもいかないだろう?その内タイミングを見計らって話に行くとしよう」


「…そうですね、わかりました」


 風呂敷に包んだイサナさんを大事に抱えて返事をします。隊長は私の返事に頷いて転移課への合図を送る呪文を唱え始めます。隊長に離れすぎないようにしている時に、ふと川下の方を見ると河川敷に寝かせていたフレアさんが起き上がろうとしているのが見えます。

でもフレアさんが私達の方を見る前に私達の転移が始まり、目の前の視界が真っ白になり私は目を瞑ります。


 次に目を開けた時にはいつもの転移課にいました。


「ではそれを『ソ』に返すとしよう」


 風呂敷を指差した後に隊長は部屋の出口に向かって歩き出しました。あれ?ナギさん達がまだ戻って来てないのですが大丈夫なのでしょうか?隊長に聞いてみましょう。


「あの隊長、ナギさん達が戻っていませんか?」


「ああ、ナギ達はマンチニールの毒の影響で全身腫れているみたいで、ちょっと今日は会えそうにない」


「それって大丈夫なんですか?」


 詳しくは知りませんが毒を食らって平気なのでしょうか?全身に毒が回って死んでしまったりしないのでしょうか?


「んーマンチニールの毒は苦しいだけで死に至ることは少ない。それに能力課なら何とかなるから安心していいと思うぞ」


 こっちから会いに行くことは出来ないが、多分順調にいけば明日か明後日には会えるだろうからその時に会いに行こう。隊長はそう言って背を向けて歩いていきます。

心配ではありますが、まずはお仕事を終わらせることにして、その後に時間を見てお見舞いをしましょう。


 私も隊長の後を追って部屋を出て隊長のすぐ後ろを歩いていきます。


「という訳で、これより次章予告をするぞ」

「はい!」

「とりあえず、よくわからないが立派になってくれて私は嬉しいぞ」

「ありがとうございます!超スーパー覚醒をした私はそれなりに経験を積みましたのでちょっとの事じゃ動揺しませんよ」

「そ、そうか頼もしいな。なら次の仕事は世界が滅ぶ寸前の世界の転移者を駆除しに行くぞ」

「わーお、いきなりトンデモナイ案件ですね。世界の終わりとか最終決戦感半端ないですね!」

「ああ、だがまだ終わらない、私達の戦いはこれからだ!」

「…打ち切りみたいですね」

「…という訳で次章『マッチポンプな救世主』再び投稿を始めた時に、憶えていたら見てくれ」

「…大体の転移者ってマッチポンプしてませんか?」

「気にするな!」

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