第三話 マイホーム (中編)
「ねえねえこれなんてどうニャ?かわいいニャー。」
「それでは機能性がよくありません!外見ではなく機能で判断してください!」
「えー、英雄様にはおめかしさせようニャー。」
「それで死んだらどうします!」
「そうだけどニャー。」
二人の異なる美人が、もう一人の美少女を残して、
ショーケースの目の前で口論している。どうやら少女の装備について言い合っているようだ。
機能で選ぶか外見で選ぶか、そこで揉めているらしい。
少女はとても面倒くさそうな顔をしている。しかし美人の剣幕に押されて話を切り出せないようだ。
「あの、、、私の装備はもう揃っているので要らないのですが、、、」
そう少女は切り出した、一見装備に見えない服を纏っているが、耐久力などはこの店の物など
比較することすらおこがましいレベルなのだと言う。それを説明された美人達も驚いている。
「でっでも、武器はどうするニャ!?まさか素手で戦うつもりかニャ!?」
「無茶です!英雄様といえども、誰一人として攻略できないダンジョンを素手でなんて!
死ににいくつもりですか!ばかなんですか!?」
「そうニャそうニャ!さすがに剣か何かは買わなきゃだめニャ!」
「ふ、二人とも、落ち着いてください。私は魔法も使えますし、ダンジョンまでいけば
武器庫にレアリティ"レジェンド"なんてゴロゴロありますから、そこで整えます。」
そこまで言うと、二人は固まった。それもそうだろう。この世界のものには"レアリティ"
というものがある。下から"ノーマル""Dレア""レア""Hレア""Dマイン""マイン""Hマイン"
"Dコモン""コモン""Hコモン""Dレジェンド""レジェンド""Hレジェンド"
一般的にはこれだけのレアリティがあるが、普通の冒険者はノーマルを使い、
上級者でもDレアぐらいだ。なのにレジェンドがゴロゴロといった、
つまりHレジェンドもあるかもしれないということだ。Hレジェンドなど、
多くのものはただのおとぎ話だと思っているが、実際するかもしれない。
そう思わせる会話内容だった。
「なので、資金はポーションなどに使いましょう。ほら、早くいきたいんですから、
走ってくださいよ。」
「は、はい。わかりました?」
「レジェンドが、ゴロゴロ?まさか、、、」
「いいから早く行きましょう。」
そういいながら二人を押していく少女には大量の視線が集まっていた、
少女のダンジョンを攻略すれば一生遊んで暮らせるだとか、
攻略せずとも盗んでしまおうだとか考えたものたちが大半だ。
後に、エリカのダンジョン周辺で約五万の行方不明者が出たという。
最速投稿でっす。(^^ゞエディとクロエはどの程度の実力なんでしょうか、
そして見たことのないモノガタリが始まります。お楽しみにー。