守護者の章2
大切な私の子供達
愛しいお前達に限りない愛を
注ぎましょう・・・
生まれたばかりの幼い生命達は
無心に月を慕ってきます。
月は愛しくて愛おしくて仕方がありません
「私はあの子達がとても可愛い、
あの子達が愛おしいの」
何度も太陽に言うのですが、太陽は分かってくれません
「嫌いだあいつらなんか!嫌いなんだから!」
寂しさを抱えながらも月は、
太陽だっていつか分かってくれると思い直し
最後に残った人間の元に降りて行きました。
他の生命達が月の加護を受け輝き始める頃
只一つ心弱く迷いやすい人間は
その護りから外れ大きな穢れを持っていた。
人々はいくつもの小さな国に分かれ争い合い
神を信じず、人を信じず
幾つもの生命が
互いを裏切り
憎しみ合い
殺伐とした魂が溢れる大地の上で散っていった。
<憎しみの国>=ヘイトフィル国=
国を司るべき若き王子は、美しい娘に恋をした。
共に居ることが出来た時間は短かったが
2人の恋は、戦いの愛し児を生み出した・・・
後にサフラ巫子大国の始祖達の父となる
絶対的戦いのセンスを持ち
女神に愛されながらもその手を大地を血で染める者。
染血の(紅の)貴公子・・・・カルフォス
カルフォスがまだ父の名を継がずルーと名乗っていた頃、
一番好きな物は父の手、
王として即位し、民の為小国を周りの国々から守る為に
戦いに明け暮れる時間を縫う様に
ルーに会いに来て優しく触れてゆく父の手だった。
「ちち・・・ゆえ・・・ちぃちぃ!!」
「ルー、愛しい私の息子、私の大切な宝。」
優しく片手でルーの髪を梳きながらもう片一方の手で
柔らかい丸い頬を突っつくのに
ルーはくすぐったそうに微笑む。
父の手がその時間が大好きだった。