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番外編 (願い2)月とカルフォス

「月・・・・お前が消滅してしまう?」


カルフォスの声に月は無言で頷く




「貴方の心は、それほどに強く、激しい


その心から、生み出される


憎しみは、神をも消滅させてしまうほど・・・」


その心が慈しみの心で溢れれば良いのに・・・


月は願う。




「私の存在が、消えても、貴方を愛する気持ちの欠片、


命の欠片だけは消えないでしょう・・・それを貴方にあげます。


そうしたら、私は、離れず貴方の傍に在れる・・・・。


貴方を愛しています・・・カルフォス、私は、貴方を愛するだけではなく、


貴方に愛されたいのです。」


そっと、月の髪にカルフォスは、触れた。


零れ落ちる月の涙に恐る恐る口付け、徐々に唇を上げると


目蓋にも口付けを落とした。




「まったく・・・・泣き虫だな・・・泣き虫の月の女神だ・・。」


呆れた様なカルフォスの声。




「私は、お前の全てが欲しい、奪いつくしたい


お前を傷つけると知っていてもお前を触れ、お前を抱きたい。」


「カルフォス・・・・・私は、貴方に全てを与えたい、与えつくしたい


貴方がそれでも渇きが癒せないと分かっていても


それで、私が消滅したとしても、貴方に触れ、貴方を抱きしめたい。」


続けられたカルフォスの声に、


震えるような想いで、月は、言葉を返す。




「私は、止められない、憎しみも、愛しさも、


想いを止められない・・・・


しかし、お前の涙を見ていると、私は、・・・・・何故か・・・」


その想いをカルフォスは、言葉に出来ないようだった。




「・・・・・全てを与えるな・・・・私に・・・。」


いつか求めてしまうかも知れないが・・・与えるな・・


カルフォスは、不思議な事を言って、月に背を向けた。



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