番外編 (二人) カルフォス王父、母
その昔月の女神に愛された一人の王が居た。
後のサフラ巫子大国の始祖女王と巫子王の父
ヘイトフェル国の若き王
彼は、自分の父王の名前を継いでいた
その名は・・カルフォス。
これは彼の父と母のお話
「・・・・・・・・!?」
物音がした気がして乙女は目を覚ました。
(あの方が来られたのかも知れない)
思わず頬が熱くなってくる焦る気持ちで急いでベットから降り
服のしわと髪の毛を整える。
重たくなった体を無理させないようにでも
出来るだけ早く音がした玄関へと足を運ぶ
(いつもはもっと周りを気遣って裏口から来られるのにどうされたのかしら)
「カルフォス様!」
振り向いた黒い影はカルフォスではなかった。
「・・・・・ !・・・・ !」
(ああ・・・愛しいあの方の声が聞こえる
応えなければ・・・)
瞳を開けると、あの優しい瞳があの美しい朱金の髪が見えた。
「・・・・・カルフォ・・・・さ・・ま・・・
私の・・カルフォス・・様の・・こ・・」
「そなたも、そなたと私の子も私が守る・・・・」
「・・・・泣かないで・・・」
この方は、又泣いている。
どうして泣いていらっしゃるのかしら?乙女は、クスクス笑いたくなった。
体はとても重いのに、なんだか体が寒く感じるのに
愛しい人に抱きしめられているだけで心はとても温かかった。
(きっとまたしょうのないことで泣いていらっしゃるのね
・・・・この方はいつも優しすぎて)
とても眠たくて抱きしめられているのに寒さにどうしょうもなく体が震えて
再び乙女は瞳を閉じた。
「・・・・駄目だ・・・・目を開けろ・・・・私は、そなたを后にと
・・・・待っていろ!・・・すぐに医者に」
かろうじて急所を外れていたが出血が酷かった
腹の中の子供もどんな状態なのか分からない。
乙女を腕に抱いたまま王は、愛馬を駆ける。
「・・・・私が・・・私が悪いのか?
私がそなたを愛したから・・・・・・・私がそなたを隠しておけなかったから・・」
涙で滲んで前が見えない
自分の幼さ、力の無さ、心の弱さ、愚かさがとても悔しかった。
「叔父上・・・・伯母上は・・・・・・どうして私をそこまで厭うのですか・・。」
涙が止まらなくて腕の中の大切な人の体温が徐々に下がってゆくのが
怖くてたまらなかった。
国を司るべき若き王子は、美しい娘に恋をした。
共に居ることが出来た時間は短かったが
2人の恋は、戦いの愛し児を生み出した・・・
後にサフラ巫子大国の始祖達の父となる
絶対的戦いのセンスを持ち
女神に愛されながらもその手を大地を血で染める者。
染血の(紅の)貴公子・・・・カルフォス




