陽・月誕生の章2
月は太陽だけを見ていた
太陽は月だけを求めていた
「大好き~太陽!!」
「大好き~僕の月!!」
やがて少しだけ成長した月と太陽は、
父の天空の元で
母の大地の元で
転げるように互いを遊び
相手として遊び始めました。
「わあ~太陽すごいね~わたち達の声が~!!」
月は太陽の方を見つめながらころころと微笑みます。
「ああ、そうだね~月、僕達の声が風になっているね~」
2人の声が交わり合って生まれる風を
嬉しそうに、楽しそうに見ている月に、
太陽はそんなことはどうでも良いと思いながらも、
月を喜ばせたくて風を操って見せた。
「すごい~すごい~!」
喜ぶ月に太陽は嬉しそうです。
次に月は太陽と踏みしめている平らな大地に手を付けた。
「見て~太陽、いろんな形に変わるよ~」
山を谷を作り水で満たした。
「そうだね、変わるね~」
太陽は、そう言いながら自分達以外の存在を気にする
月にもどかしく思いながら
月を抱き締めた。
すると2人の熱が交じり合って炎が生まれた。
「どうしたの?太陽~?」
「月、君はどうしてたびたび僕以外の事に
興味を持つの?
僕、つまんないよ~」
大好きで大切な太陽と一緒に生み出した
ものだから、太陽が関わるものだから
私にとって大切だと思うのに・・・
月は不思議に思う気持ちを抱えながら
自分を強く抱き締め髪に顔を
うずめる半身に月はいつまでも
抱き締められていました。