052 「あたらなければどうってことない」
僕は、少し唸る。
いくらこの島国相手でも、流石に爆撃機から核兵器投下とかはしないんじゃあないかな。
「また、ステルスヘリでも出動させるんですか? カンパニーは」
スミスは、口の端しを少し歪めてみせる。
「それはないな。もう、官僚たちのコントロールだから正規の海軍が動くよ。多分P-8Aだ」
なるほど、対潜哨戒機というやつか。
「ポセイドンね。それなら、簡単に撃ち落とせるよ」
ナツは、意気揚々と笑ってみせた。
スミスとハルオは、少し目を合わせ苦笑する。
「P-8Aポセイドンが、単独で行動するなんてことはない」
ハルオは、嘲るように笑った。
ナツは、少し眉間にしわをよせる。
「じゃあなに、F35でも護衛につくっていうの?」
「それならいいがね」
スミスは、冷たい微笑を見せる。
「護衛につくのは、無人戦闘機。X-57F、通称ダークペガサスというやつだ」
僕は、記憶を探る。
「それってもしかすると、対ミサイル用のレーザー兵器を搭載したやつですか?」
スミスは、頷いた。
「レーザーでミサイルを撃墜できる。格闘戦もステルス性能も、F35より上だな」
ナツは、鼻で笑った。
「レーザーだって、あたらなければどうってことないよ」
「1対1なら負けはせんだろうけれどな」
ハルオは、苦い笑みを浮かべた。
「多分、最低でも4機は出てくる。2対1では少々分が悪い。レーザーだと、ロックオンされた瞬間に終わる」
随分、やっかいなことになりそうだ。
ナツが、僕を見てせせら笑う。
「なによ、わたしがたかがリモコン戦闘機相手にく負けるとでも、思ってるの?」
ナツは、意味もなく得意気だった。
「まかしといてよ、そんなのまとめて落としてやるよ」




