表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42/77

042 「コントだろうと鉄人だろうと、五十四号の次は、五十五号」

おれは少し、ため息をつく。

「ナツの記憶が戻らないのであれば、制御はできない。残念ながらな」

アキオは、物思いに耽るような顔になっている。

「あなたは、ナツの記憶が時間と共に回復するようプログラムしたのですね」

おれは、頷く。

「ああ。だが、結果は回復していない。何か、おれの予測を越えたことが起こってしまったんだろうな」

「ねえ」

ナツが突然、おれに問いかけてくる。

「わたしにも、黒竜式みたいな名前がつけられてるわけ?」

おれは、苦笑した。

「まあな。おれたちは、人型最終本土決戦兵器鉄人式だ。おれは五十四号、そしてナツ、おまえは五十五号だ」

「ふーん」

ナツは、不満そうな顔になる。

「五十五号ってさ、なんかコントみたいじゃん」

おれは、軽くため息をついた。

「コントだろうと鉄人だろうと、五十四号の次は、五十五号なんだよ」

ナツは、不服そうではあるが一応は納得したようだ。

おれは、アキオとナツを交互に見る。

「ここにもうすぐ、カンパニーの連中がくることになる。黒竜式を制御できないのであれば、勝ち目はない。ここの自爆装置を、起動する」

「ここは破棄する、ということですか」

アキオの問いに、頷いて返す。

「爆破して海の底へ、沈める。おれは、ここから脱出する。お前たちも、60分以内にここから出ていくことだ」

「どうするんですか、これから」

「さあな」

真面目に問いかけてくるアキオに、おれは肩をすくめ笑いを投げる。

「カンパニーは、おれたちを探し狩り出そうとするだろう。ま、なんとかなるだろうさ」

アキオは、呆れ顔になる。

おれは、口を歪めて笑うと軽く手を振って、飛行形態に変形した。

おれは、脱出路に向かって飛び立つ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ