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029 「東京の空は、好き勝手に飛び回れるほど自由が許されてないんだ」

「あんた、誰よ」

僕はナツの声に、慌てて地上に視線を下ろす。

そこには、奇妙なおとこがいた。

バックスキンのランチコートを羽織り、テンガロンハットを頭に載せている。

身長は高く厚みも幅もあり、ヘビー級の挌闘家かフットボール選手のようだ。

闇に隠され顔はよく見えないが、瞳が青灰色に光っている。

外国人のようだが、ビジネスマンにもアウトローにも見えない。

おとこは、落ち着き払って煙草を咥える。

「おれは、ジョン・スミス」

「て、誰よ?」

ナツは、少し呆れ声で返す。

偽名というにはシンプルすぎる気もするが、まあ名乗る気がないのだろう。

「カンパニーのエージェントだ」

「へぇ、で、何の用?」

ジョン・スミスは煙草に火をつけると、ゆっくり煙を吐いた。

「東京の空はね、好き勝手に飛び回れるほど自由が許されてないんだ」

ジョン・スミスは、少しだけ口の端を歪める。

「悪いけれど、一緒に来てくれないか」

「暇じゃないんだよね、わたしたち」

ナツは左手を、スミスに向ける。

その左手は、20ミリバルカン砲に変形していた。

スミスは、楽しげな笑いを浮かべる。

スミスの足元に黒い球体が落ち、一回跳ねた。

次の瞬間、それが炸裂する。

轟音と閃光があたりを包む。

その轟音を貫くように、ナツの左手でバルカン砲が銃声を響かせた。

銃弾はジョン・スミスを素通りし、上空のヘリコプター近くを抜けていく。

命中することは無かったが、ヘリは甲高い音をたてて上昇し距離をとっていった。

ナツは、一瞬にしてジェット機に変形する。

「アキオ、乗って」

ナツの声に従い、僕はコックピットに飛び乗った。

ジェットは、急速に発進する。


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