4 特許
4 特許
私たちが産業時代から情報時代へと移行するにつれて、特許法は技術革新の動機というよりもむしろ障害になっている。伝統的手段によって未来をデザインする試みは、世界の根本的変化を考慮できないだけでなく、それはまた、遺伝子工学、生体工学、ソフトウェア特許の分野における技術革新へ特許を与えることによって、明日の社会に大いなる危機をもたらす。私たちが望むのは、現在の特許慣習の障害のない、より自由な市場である。特許制度が改革されるか、より適切な規制に取って代わることを私たちは要求する。いかなる状況下であっても、更にいっそう技術革新を抑制する規制によってそれが拡大されることはあってはならない。
4.1 市場の解放と私的独占の解消
いっそうの独占の解消と市場の解放は、私たちの党の公言した目標である。特許という政府に支援された私的独占の形態は、公共の福祉の人工的減少を導き、それは恒常的な正当化と監視を必要とする。過去における工業製品への特許付与は成功談として広く考えられているが、これは証明も否定もされえない。しかしながら、社会的、経済的環境は、グローバル化した脱産業化社会において根本的に変化した。更に、国際的競争の増加は特許制度の濫用をもたらし、そのために多くの場合、もはや社会にとってはっきりした利益はない。それゆえに、私たちは増大する特許の濫用を止めたいと思う。平凡な発明に特許を与えることや、進歩を妨害するための特許の濫用は、どのような状況であっても阻止されなければならない。これは特に、製薬産業にあてはまる。多額の現金需要と市場の独占的構造が、個人の利益を妨害することによって社会の資源を浪費する代わりに、その良き利用のための再編を要求する。薬学についての特許はまた、倫理的観点からも非常に好ましからざる影響がある。
4.2 情報社会における特許
情報社会における経済的成功は、もはや技術革新だけでなく、知識、情報、そしてそれらをどう発展させていくかにかかっている。これらの要因を、特許制度を使って規制する試みは、人類の自由な知識と文化のための要求とは対極に位置する。生物や遺伝子、ビジネスのアイディアとソフトウェアについての特許を私たちは拒否する。なぜなら、それらは非合理的で正当化しえない結果をもたらし、知識社会の進歩を妨害し、補償や緊急性なくして公共財を私物化し、そしてそれらは元来の意味の発明の性質を有しないからである。欧州全体を通じての中小規模のIT会社のみごとな発展は、ソフトウェア部門においては特許が完全に不必要であることを示した。