第四話 Deus ex Machina(機械仕掛けの神)
俺は今現在テラの部屋の中央にあるソファーに腰をかけていた。
しかしとても気まずい。
そう、入るときに触ってしまった。
俺はテラの方をチラッと見るとずっとニヤニヤしていた。
「ハルトくんったら男の子ですね?」
あれは怒っているのか?!
俺はすかさずテラに土下座をした。
「本当にすいませんでしたァァァァァァァァァァァァ!!」
そう言うとテラはきょとんとして俺を見つめた。
「あらあら、あれは事故だったからしょうがないことだったでしょ~?」
「私もいきなり外に出たから私も悪いのよ?」
テラが物凄く女神に見えた。
ああ、なんて優しい人なんだ……
「それはそうと、あの時のリンちゃんは物凄く怒ってたわねぇ……」
テラの言う通りだ。
あの時後ろから物凄く視線を感じた。
「ハルトくん……?やっぱり男の子って大きな胸がいいんだね?」
……忘れられない、あの時のリンの声と顔。
それに自分の胸を気にしてたような……
「それはそうと……ハルトくん。貴方も気づいてるんじゃない?」
俺はビクッとした。
いきなり空気が変わった感じがしたからだ。
「な、何のことですか?」
「だめよ?とぼけちゃ。それに敬語はやめてほしいな~」
「流石に中将の方にタメ口は良くないと思うのですが……」
「貴方ならいいのよ?」
俺は少し迷ったがタメ口でいつものように喋ることにした。
「わ、わかったよ……」
テラはニコッと嬉しそうに笑った。
「それで、ハルトくん。そうなんでしょう?」
俺はごまかせないと思い、正直に答えた
「あ……ああ、俺は日本っていう国にいたんだが、何故かここにいたんだ」
「なあテラ、なんで俺はこの世界に来たんだ?記憶もなく、ただあるのはちょっとした知識だけだ」
テラは後ろを向いて話を聞いていた。
「俺のことを知ってるってことはなにか知ってるんじゃないか?」
そう聞くとテラは背中を向けたまま話始めた。
「そうねぇ……貴方にわかりやすく説明すると、Deus ex machina『機械仕掛けの神』って知ってるかしら」
――機械仕掛けの神、それは都合よく問題を解決に導く存在でありご都合主義的な展開が起こることでもある。
「それが何なんだ……?」
テラは話を続けた。
「貴方はその神でもあり、歯車でもあるの」
俺は未だに理解できていなかった。
テラが俺の方へ向くとクスッと笑った。
「まだ理解できてないようね?でも大丈夫、いつか貴方も分かるはずだから」
テラは俺ではなく、俺の後ろを見て話したような気がした。
「それはそうとハルトくん、私と初めてあったときに言った言葉を覚えてる?」
目を覚まし、リンと出会い、テラに言われたあの言葉
【貴方が必要だからです】
なぜ俺が必要なのか、わからなかった。
「必要って……どういうことなんだ?」
混乱している俺を尻目にテラはクローゼットらしきところから黒い服らしい物を持ってきた。
「拒否してもいい。でも――選ばれた事実は変わらない」
その言葉は、優しいのに冷たかった。
「貴方には私と共にこの世界を、この世界線を救ってほしいのです」




