番外編 ハルトとリン
俺は部屋にぽつんと一人……いやリンを入れて二人でテラを待っていた。
毛布とか生活用品を持ってきてくれるのだろう。
それにしても家族か……
今は家族やここに来る前の記憶がない。
あるとしても知識や住んでいた国ぐらいしかない。
にしてもなんで俺は軍事知識とかは覚えてるんだ?
考え込んでいるとリンからぼそっと何か言っているような気がした。
聞こえなかったが。
「取り敢えずテラには申し訳ないが少し情報収集するか。よくゲームとかでもあるしな!」
俺はテラの机や棚を探り始めた。
机の上には書類や何かの承認書があったが、これと言った情報はなかった。
そして一つの書類が俺の目を引き止めた。
「ローリア再生政府報告書?」
俺は気になってその書類をそっと手に取り読み進めた。
没落に至った情報、現在のローリア地方における4ヶ国と犯罪地区についての報告。
そして失われた魔法技術についての報告……
「この世界魔法とかあるのか?」
俺は考えた。確かに異世界といえば魔法だろう。
かわいいお姉さんが大きな炎とか風を操り敵をバッサバサとなぎ倒していく。
……テラも使えるのかな?
俺は見ていた書類を戻し、棚の方へと視線を向けた。
棚には勲章や難しそうな本などが色々あった。
棚の下には引き出しがあった。
「まあ……すまんテラ!これも情報収集のためだ!」
俺は引き出しを開けるとそこにはピンクや白、緑色と色とりどりの女性の下着が入っていた。
思考が止まった。
もしこの状況を誰かに見られたら、いや!いまリンがいるじゃねーか!
しかし俺は男だ。
これは男の夢が詰まった宝箱。
俺は手に取りその下着、いやブラジャーの大きさに驚きを隠さなかった。
「テラってこんなに大きいのか……」
俺は少し考えた後、何も見なかったことにしようとした。
「よし、戻そう。誰かに見られたら俺は終わる。絶対にだ」
そうして下着を戻そうとした瞬間後ろからリンの声がした。
「ハルトくん?なーにしてるの?」
「うわっ!」
俺は驚いて下着を棚の方へ思いっきり投げつけた。
「ハルトくん……なんで下着を持ってたの……?」
リンの目にハイライトがない!やばい!そりゃ怒るよな?!
俺はリンに説明した。
情報収集のため、俺は誰なのか、この世界はどういう世界なのか。
「へー、確かにハルトくんはなんでこの世界に来たのか気になるのはしょうがないね」
俺は納得してくれたかと感じた。
――がそんなことはなかったようだ。
「でも下着を見つめていいことにはならないよね?」
「許してくださいお願いしますテラには言わないでください!!!!」
俺は渾身の土下座をした。
……この世界に来て土下座を極めるってどういう転生物語だよ
俺は頭を下げているとリンの声がした。
「見たいなら……私に言えば……」
あまりにも声が小さかったため聞こえなかった。
「え?なんて?」
聞き返すとリンはまた怒ったように表情を変えた。
「なんでもない!それよりハルトくん?悪い弟にはお仕置きが必要だよね?」
「いやあああああああ!」
こうして俺はリンに沢山怒られたのであった。




