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カフェキュウビの日常2話1
カフェキュウビの店内には、まだ朝の涼しさが残っていた。光太がいつも通りに店に入ると、奥の居間から椿の声が聞こえてきた。
「……うむ。そなたの言うことも一理ある。あい分かった、そちらに向かうとしよう」
電話口の声色はいつもより少し硬く、どこか真剣だった。
しばらくして、椿がふらりと現れた。煙管は持っていない。珍しく、何かに追われるような様子だった。
「光太、キヌ、すまぬが──ちと用事ができた。今日は店を閉める」
「えっ、臨時休業?」と光太が思わず聞き返すと、椿は頷いた。
「そうじゃ。妾の個人的な用じゃ。あまり気にするでない」と、それだけ言い残すと、椿は足早に店を後にした。
店の中に、ぽつんと2人だけが取り残された。
静かすぎる店内に、キヌがぽつりと呟く。
「……暇になっちゃった」
その声がやけに大きく響いた気がした。光太とキヌは顔を見合わせて、なんとなく間がもたないまま、互いに気まずく笑った。
数秒の沈黙のあと、キヌのお腹がぐぅ、と鳴った。
「お腹すいたなあ」
キヌが苦笑いを浮かべながら、ポンと自分の腹を叩く。光太もつられて笑った。




