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人外討魔伝記  作者: 一ノ瀬カイヒロ
第4章 徴血の行方
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第79話 ジビエ

この回も、方言の訛り全開でお送りします。

∠(`・ω・´)

さて、どうするか?


見るからに塊の、熊と鹿の肉。

どっちも肉の良さを出す良い料理………。


熊はもうジイさんバアさんともに、鍋や煮込みにしてるだろうから、そこから何にするか。



「よし、アレにするか」



そうと決まれば、まずは熊肉を一口くらいの大きさにぶつ切りにして、ニンニクチューブと少量の塩麹、それから生姜ショウガチューブも少し入れて、熊肉を揉み込む。

熊肉の脂は融点ゆうてんが低いから、揉み過ぎると折角の脂が手の温度で逃げてしまうから、軽くで良い。


そしてそれを、熱したフライパンで豪快に焼く。


ニンニクの良い香りが広がって、酒盛りしてるおっさんとジイさんはその香りをさかなにして酒をあおる。


飲んでいるのでは『初留取しょりゅうどり』。

通称、爆弾ハナタレと呼ばれるもの。


薩摩焼酎さつましょうちゅうの中でも特に希少な一品だ。蒸留じょうりゅうの最初の一滴から数%しか取れない希少なもので、度数は44度前後。


それを保冷袋でキンキンに冷やして来てる辺り、こりゃなんかあったか?


突然来るのもなんかおかしいけど、とりあえず作る。

と言っても、もう一品目が完成する。


「……よし」


焼き上がった熊肉の上に、粗挽き黒コショウをふりかけて、完成!


『クマ肉の塩麹焼き』だ。


出来上がった酒のツマミの塩麹焼きを出すと、ジイさんとおっさんの2人は勢い良く頬張った。ホントにこの2人は70〜80歳なのか?ってくらいに食欲旺盛。


牛肉よりも濃い深い赤褐色の肉は、噛みしめるほどに赤身の「濃い鉄分」と塩麹の「甘み」が合わさって、黒コショウのピリッとした辛さが酒を進ませる。


セツもクマの肉は久しぶりだと言って、食べるのに躊躇ちゅうちょしないし、ジイさんとおっさんの話を聞き流しながら酒をあおってた。バアさんとおばさんも美味しそうに頬張る。佳鈴かりんも久しぶりのクマ肉に頬を緩ませた。



「カ~ッ! ほんのこて 何回なんけたもっでん くまししは うんめなぁ! ハナタレとんも わっぜ っどなぁー!」

「くぅ〜〜っ! このあじ、このみごっつぉ、せばこのさげはがいぐ ええ塩加減だば たまらねぉ! ほれ! ドンドン まねばなっ!」



ドンドン酒が進んで、もう一升瓶が空になった。


ホント酒豪が多過ぎだろウチの家系………。



「よっし! も、に、さんぼん せんっくいっせ、っどぉー!!」



………あとで止めるか。


もう一品もそろそろだな。


クマの肉を一口大ひとくちだいの大きさに切るついでに、もう一品は薄切りにして量を作っておいて、適当な大きさに切った野菜を蒸し布上に敷き詰める。その上に薄切りにしたクマの肉、野菜、クマの肉とミルフィーユの様にしていく。蒸し布を縛って、あとは蒸すだけだ。


ジビエ肉だから寄生虫がいるかもしれないから、30分以上蒸す。


そして……



ピピッ!


「よし」


コンロの火を止めて、セイロをテーブルの真ん中の受け皿に置いて蓋を取る!


真っ白な湯気と共に、森の清々しい香りが広がり、蒸されて透明になった熊の脂が、下の野菜にキラキラと染み込んで、野菜の香りと獣の脂が最高の相性を見せる。


クマ肉と野菜の「山背負やませおい蒸し」の完成だ!



「う~ん、まーんず ええだごどぉ~。

ポン酢が がんこ合うもんだんすなぉ~」

「ほうやおねぇ。あ、これなら クルミ味噌なんかも がんこ合うとおもうて。ほうせまいか」

「さすがにクルミ味噌はないから、ゴマ味噌ダレで勘弁してくれ」



手作りでもしないと、クルミ味噌なんかこんな街中で売ってねぇよ。買えるとしてもネットスーパーくらいだ。


ポン酢とさっさと作った味噌ダレをテーブルに置くと、酔ったジイさん達が身を乗り出して山背負い蒸しを取り皿にとって、各々ポン酢か味噌ダレに浸けてかじり付く。



「う~ん! こん ぐまあぶらば 吸った野菜やせが まんず めなぁ! ポン酢で たもれば くぢなげサッパリして、ドンドン たもれるもんだんすなぉ」

「このゴマ味噌みそダレも がんこええがね。味を ちぃーと 濃ゆくしてあるもんで、米が がんこ進むてぇ。よう食べてみゃあ」

「う〜ん!どっちも甲乙つけがたい!」



ジビエ料理で佳鈴かりんの表情もほころんでて、なんか俺の心にも少しつっかえが取れたような気がした。俺も疲れてたんだな。


さ、あとはこの鹿肉だな。


焼き、蒸しときたから、なににするか……。


モタモタしてたら、作った分を全部平らげちまいそうだし。

いっその事、ジイさん達が飲み終わるシメに出すか。


自分用に取り分けておいた料理をつまみながら、今度は鹿肉に手を出す。



「カ~ッ! ほんのこて 美人むぜにょごに っくいっせ もらう ハナタレは、ひとあじんも ふたあじんも ちがっどなぁー!」

「わだば もぉ この瞬間すぐんかんで、どぉ若返わがけえった気分だぉ~! んだばって おめぇ 外国人がいこぐじんだべ? 日本語しゃっぺぇさげ、感心しちまったなぁ!」

「ジイさん、テレビに話し掛けてどうすんだ…」

「おじいちゃん飲み過ぎだよ。はい、水ね」

「あらあらぁ、久しぶりに まごわげ美人むぜにょごに はな下伸なげのばしてぇ、張りだおして けるがなぁw」

「フフフ、おもしろいもんで しょうがないてぇ。ほうせなんだら ええがね」



気が付いたらもう酒瓶5本も空けてやがった…。

ってか何処から出したんだよそんだけの酒。


「…………気にしてもしょうがねぇか」


半ば諦めが入ったけど、もういいか。



作り方は簡単だ。

まずは鹿肉を一口大ひとくちだいのブツ切りにして、フライパンに敷き詰めてる。


あるだけの生姜チューブを入れて、砂糖、塩、醤油。で、空けてあるハナタレをカップに一杯拝借(はいしゃく)してっと。

味は濃い目に作って、火をかけて沸騰ふっとうしようとしたら弱火にしてコトコト煮込む。


鹿肉は煮込めば少し締まるけど味が染みやすいから、だいたい1時間くらい煮込む。


煮込んでる間に、もう一つ取り分けて置いたクマ肉料理を持って、母さんの所にお供えした。

そしたら足元に、こそばゆい感触がした。


「起きたのか、グラピー?」


視線を落とすと、佳鈴かりんの部屋で寝てたグラピーが俺の足にスリスリしていた。

尻尾をピーンと立てながら自分の匂いを俺にこすり付けて、何度も頭突きをしてくる。


そういえば、グラピーとも触れ合って無かったな。


膝を付いて、俺は指をグラピーの鼻先に持っていって、匂いを嗅いでもらってから頭を一撫ひとなでする。


「腹減ったな、メシ食うか」


そう言って俺はリビングに戻ると、グラピーも俺の後を付いて来てた。


少しなら、鹿肉でも良いか?

とろみのパウチに、細かく刻んで火を通して混ぜるか。

Xのアカウントが乗っ取られた!

後ほど、この経験をそのまんまエピソードに使いますので、よろしくお願いします。


もし私の名前でDMが来たら即座にブロックをよろしくお願いします!

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