第61話 フレネの誤算
お疲れ様ですよ〜∠(`・ω・´)
もう11月。
栗とかサツマイモをもっと食べたかった(´・ω・`)
ほな、続きをどうぞ〜!
怖かった………ホントに怖かった…………!!
龍太郎の腕の中で、恐怖から解放されたのも相俟って身体の震えが止まらない。
感情もグシャグシャ過ぎて、もう訳がわかんない………。
そんな私を、龍太郎は強く抱きしめてながら、刀の切っ先をフレネを向けて睨み付けていた。
フレネは余裕の表情を向けながら、机の上に乗って足をプラプラさせて私見て笑いを堪えている。
「何が可笑しい?」
「プ…え?w」
「お前、何が可笑しいんだって聞いてんだ」
フレネの態度に怒気を強めてセツさんが青筋を立て言うが、フレネはケラケラしながら「だって…」と前振り、最悪な返しをした。
「面白いじゃんw なんか感極まって泣いてる所って、すっごくウケない?w」
龍太郎の額に青筋が立つ。
「相変わらず最低最悪だな、F,E?」
「も〜っ!その呼び名キライって前に言ったよね? 何?イヤがらせ?
フレンドエネミーは気に入ってるけど、それなんか可愛くないからイヤなんだよね〜」
頬をプクッと膨らませながら、セツさんに謎の抗議をするフレネ。可愛く魅せているけど、セツさんと龍太郎はマジギレ寸前。だけど、フレネは構わずに続ける。
「私のことは可愛く、フレネって呼んでよね♡」
どこかで見た事あるようなポーズを決めながら、舌を出してテヘペロで2人を煽った。
ガンっっっ!!
ドドドドドドドウンっっ!!
ブチギレた2人が怒りのあまりに、セツさんは銃を連射して、龍太郎は私を抱きながら器用に刀の峰を使って机を打ち飛ばした。
だが当然、ソレはフレネのポルターガイストによって阻まれた。
机はひしゃげ曲がり、弾丸は弾頭が潰されて止まる。
だが続け様に、セツさんが机を弾き飛ばしながらバイクを加速させて、前輪を上げてフレネを押し潰しにかかる!
だが…
バチンっ!!
フレネが片手でバイクの前輪を弾いて物凄い音を立てて逸らされる。が、セツさんは逸らされた前輪を力尽くで床に叩き落して、今度は前輪ブレーキを思いっ切り握って、周りの椅子や机を吹っ飛ばしながら後輪を振り回してフレネを弾こうとする。
が、フレネの手がタイヤに添えられると、タイヤがギャリギャリギャリギャリ!って物凄い音を立てながら摩擦で煙を上げる。
「チッ!!」
セツさんも簡単にはいかないと分かっていた様子で、後輪を振り抜いてからバイクを翻して、距離を取りながらバイクを刺青の武器庫に仕舞った。
(前に戦った時より、コイツ強くなってやがる)
セツさんは、以前にフレネと戦った時の事を思い出しながら、当時の実力と今の実力の差が顕著に出ている事に驚き、額に汗をかいた。
当の本人は今だに机の上に乗って足をプラプラさせて、緑色の眼を…光らせながらセツさんをケラケラしながら見下した。
「以前にも増して殺意マシマシだねブレッドウィッチ?
そんなにも私のこと殺したいの?」
「お前は生きてるだけで他に害を及ぼす。だから何度蘇ろうが、何度でも殺してやる」
「フフ、コワイコワ〜イ♫」
一触即発の様な状況なのに、フレネはそれすらも楽しんでるかのように笑っていてすごく怖い……。
身体が自然と震えが増してくる。
歯までカタカタなってしまう程に恐怖が増し、龍太郎が私をしっかりと抱きして安心する様にしてくれる。
「おい、一応聞くが、お前がフレンドエネミーで間違いないんだな?」
龍太郎がセツさんに、フレネの事を聞いてきたけど………ブレンド…エネミー………?
恐怖しながら、私はセツさんや龍太郎がフレネの事を聞いてきたんだろうとは分かったけど、セツさんが答えるよりも先に、フレネがケラケラしながら割り込んだ。
「連れないなぁ龍太郎くん?
私の事はいつもみたいに、莉桜って呼んでくれてもイイんだよ?♡」
龍太郎のコメカミに青筋が立ちまくった。表情も、まさに鬼と言うに相応しい形相になった。さらに怒りに呼応して、紅い眼がさらに紅く光りだす。
「あ?
ふざけんな……テメェが莉桜じゃねえのは分かりきってんだっ、これ以上俺達の幼馴染みを穢すなら、この魔界ごと葬ってやるぞゴルァ!?」
怒りを顕にする龍太郎。
また、その怒りに合わせて、龍太郎の意思を示しているかの様に真っ赤な炎がチリチリと私と龍太郎を覆った。
物凄く紅くて怖くもあったけど……どこか安心するような…そんな炎だった。
フレネは私達の様子を、緑色の眼を光らせながら、一つ大きな溜め息をついた。
「ハァ……ホント、どこまでも邪魔ね………」
心底つまらなそうな表情で私達を視るフレネ。
彼女には、私達には視えなかった一人の人物に対して苦虫を噛み潰したように苦い思いをしていた。
私と龍太郎に、申し訳なさそうに涙を流しながら守ろうと、私達を抱きしめるようにしている莉桜ちゃんの姿が視えていた。
莉桜ちゃんの私達を思う想いは、フレネにとっては邪魔で仕方なかった。
ネクロマンサーだから分かることらしくて、死者の想いが生者に伝わると、それが生者にとって強く影響する事がある。
特に霊力の強い者や心の距離が近い者には死者の想いを強く感じる事があり、その想いが霊障となって現れたりする。
見えたり、声が聞こえたり、触れられる感触、お線香の匂いがしたりと様々だ。
しかし、フレネは次に動こうとしていた。
「邪魔は仕方ないけど、やり方なら幾通りあるのよ。あまり使わないけどね」
私達から視線を外して、龍太郎に吹っ飛ばされた純也くんの方に注視するフレネ。
「佳鈴ちゃんの騎士に徹するのはイイけど、龍太郎くん? アナタ親友の純也くんを蔑ろにし過ぎじゃない?w」
そういえば……助かった事で純也くんのこと忘れてた。
それどころじゃなかったし。
たしか、龍太郎が窓ガラスダイブした時に、純也くんをすごい勢いで蹴り飛ばして…………物凄い音を響かせてたような………。
「親友の首の骨折るとか、龍太郎くんも私の事言えないんじゃないの〜?」
…………え?
え…? 龍太郎………純也くんの………首を……………?
「最悪を想定して、龍太郎くんの行動を制限する為の保険の人質として使えるとも思ったから、純也くんを連れてきたっていうのに………躊躇なく殺しちゃうなんて少しビックリしたわよ」
純也くんに私を襲わせようとする他に、そんな目的まであったなんて……。
「まぁ、死んだのなら私の手駒に出来るから少し嬉しいわねw」
フレネが純也くんが埋もれてる壁に向かって手を向ける。
セツさんがそれに合わせて大型拳銃を撃って牽制するけど、フレネに弾丸が届かない。けど、セツさんは床を踏み抜いて勢い良くフレネに接近して、持ち替えたソードオフの銃口で突き上げると同時にゼロ距離で引き金を引く!!
しかし、フレネは微動だにせず、散弾はフレネを擦り抜けていって、幽霊の様にスッと姿を消した!
「ザ〜コぉw」
「!?」
千里眼のセツさんが背後を取られた。
直ぐ様背面撃ちで反撃しようとするが、引き金を引く瞬間にフレネ気配が消えて、気が付けば今度は教卓の上に立っていた。
「ヤッバw ブレッドウィッチのザ〜コザ〜コw」
お腹を抱えてバランス良く立ちながら教卓の上で笑うフレネ。セツさんは少し額に汗を流しながら、フレネの一挙手一投足をつぶさに観察した。
何かを身に着けている訳でもなく、彼女が使っているのはあくまでも死霊術。けど、フレネが何をやったのかを見抜いたのは朱里さんだった。
朱里さんは陰陽術のスペシャリスト。
陰陽術には死者と対話したり、呪いを扱うものもある。フレネが死霊使いである以上、呪いという知識に関してソレを見抜く力に朱里さんは長けていた。
「今の……まさか、黒い雌鶏の卵?」
聴いたこともない事を言う朱里さんの言葉に、フレネが少し驚いた顔をして、また笑顔になって「ピンポンせいか〜い!」って子供みたい燥いだ。
ヨーロッパの民間呪術として用いられて来たもので、卵は古くから生命の象徴として、浄化・保護・呪いの道具として使われてきた。
特に黒い雌鶏の卵は、黒い色が悪霊や悪魔を象徴する一方で、それを封じる力を持つと信じられ、霊的な脅威(悪霊、邪眼、呪い)に対する強力なツールとして扱われてきたとされている。
おそらくそれを応用したものだろうと読む朱里さん。
フレネは目をキラキラさせて恍惚な顔で朱里さんを褒め称えて、スカートのポケットから小さな化粧品を見せびらからした。
「そうだよ〜、ここ学校だから一匹だけニワトリ貰って、生きたまま埋めて死霊術で呪いを込めて9日間熟成させて、掘り起こして中身を取り出したら完成!」
そしてその卵の殻を磨り潰して、莉桜ちゃんが愛用していた小さなコスメの中に混ぜて、それを使ったと自慢気に話した。
あのコスメは……私が一昨年に莉桜ちゃんの誕生日プレゼントであげた…………。
「こうして塗っておけばね、ブレッドウィッチの魔眼なんか怖くなくなるのよ♡
コレでアナタとのアドバンテージの差はほぼ無い。あとは前回殺された時の教訓を心が得ておけばほぼ問題は無いよ♫」
セツさんにマウントを取って饒舌に喋るフレネ。
改めてセツさんがその青い眼を光らせてフレネを視る。
ファンデーションに混ぜて塗った黒い雌鶏の卵の効果で、凝視しなければ分からないレベルでノイズの様なものが見えた。
言い換えれば、精密機器をオジャンにする妨害電波のせいで正常に扱えないよう状況だ。
「面倒臭いもんを……」
迂闊に近づけなくなった分、銃を撃つだけになってしまった。
そして上機嫌に純也くんの方に手を向けて、また彼を使役しようとする!
「ねぇ龍太郎くん〜、今どんな気持ち〜?w
コレから死んだオトモダチに襲われるの、どんな気持ち〜?w」
醜悪極まりない笑顔で煽り散らかすフレネ。
莉桜ちゃんの記憶から、龍太郎と純也くんが普段どんな関係なのかを知っている分、フレネはこれも自らのアドバンテージとして活用しようとする。
けど、この行動には一つの誤算があった。
「おい、お前何か勘違いしてないか?」
今だに鬼の形相でフレネを睨み続ける龍太郎。
フレネも?が浮かび、龍太郎が何言ってるのか私も分からなかった。
「首が折れたくらいで純也が死ぬかよ」
そう吐き捨てると、龍太郎は刀の峰で転がってた椅子を、机や椅子で壁に埋もれてる純也くんに向けて打ち放った!
ガンッ!っとスゴイ音が響くと同時に「イッデ!!」と悲鳴が飛ぶ。
「「「!?」」」
私とセツさんとフレネが目を見開いて驚く。
少し間が空くと、ゆっくりと机と椅子を押し返して、中から……首が変な方向に曲がったままの頭から血をドバドバ流した純也くんが、脱げた制服のズボンを上げながら、お腹に刺さった椅子の足を引っこ抜いて、私と龍太郎の元に歩いて来た………。
「いっ…て〜、なんか知らねぇ間にスゴイことになってるなぁ? 龍太郎、ナニが起きてんの?」
ドコが痛いのか分からないようなケガと出血で平然としてる………もしかして、純也くんも………?
「洗脳されるお前が悪い」
「洗脳!?ナニ?オレ洗脳されてたの!?」
「アイツにな」
龍太郎の視線の先を見て、首をゴキゴキ音を立てながら治す純也くんは声を上げて驚いた。
死んだはずの私達の幼馴染みの莉桜ちゃんが目の前に居て、どういう事なのか聞こうとしたら、フレネが舌打ちしてイラつき出した。
「ねぇ……佳鈴ちゃんの周りには人外しか居ないの??
純也くんといい、ブレッドウィッチといい、ちょっと想定外が過ぎるんだけど?」
「あ〜…説明はイイや、今のでなんとなく察しは付いたわ」
緑色の眼を光らせて、肌が震える程に空気が振動して頭がクラクラしてくる。
龍太郎は着ていた制服のシャツを、私の開けた制服の上から羽織らせてから、朱里さんを近くに呼び寄せて結界を張ってくもらい、私を預けて純也くんに歩み寄る。
結界のおかげで頭のクラクラは引いていってくれた。
「セツ、佳鈴たちの側に」
「ああ」
「お、メッチャ美人!おい龍太郎、後で紹介してくれるんだろうな?w」
「してやるから目の前に集中しろ、首を斬り落とすぞ?」
「ハハハ、そりゃ勘弁願いたいから、集中しましょうか!」
軽口を叩きながら、骨を鳴らして臨戦態勢を取る純也くんと、刀を右手を口の高さあたりにまで上げ、左手を右腕の真下あたりに構えて、切っ先をフレネ向ける龍太郎。
霞の構えと呼ばれる構えだ。
「ウッザ…なんかアタシが悪者みたいで気分悪い。
それに、女の子相手に男2人がかりとか恥ずかしくないわけ?」
語気を強めて龍太郎と純也くんに問うてくるフレネだけど、純也くんは不敵な笑みを浮かべながら、フレネの言葉に真っ向から対立した。
「ハッ、相手が妖魔なら手加減も容赦も無しだよ!
妖魔は人類だけじゃない、生き物全ての敵だからな!」
純也くんから……目に見えるほどの力が出てきた。
彼の眼が紫紺に輝き、黒いモヤの様なものが身体なら溢れて、自然と本能がアラートを上げる。
純也くんから溢れる力を魔眼で視たセツさんが、彼の力の正体を見破って朱里さん聞いてきて、私も驚いた。
「おい、あの力……アイツ吸血鬼か?」
「半分正解ね」
「半分?」
「ええ、彼は確かに吸血鬼の力を持ってるけど、血を吸うことは滅多にしないし、太陽の光を浴びても消滅しない希少な存在よ」
「おい……まさかアイツは…」
「お察しの通りよ。
彼は、人間と吸血鬼のハーフ『ダンピール』よ」
まさかの人外との混血だった。
今までロクな出番無かった純也やけど、ちゃんとかんがえてますよ〜(⌒▽⌒)
出番を与えなかったのは、ここで輝いて貰う為やったんやもん♫
今回は以上です∠(`・ω・´)




