第38話 ジョンジェーン
お疲れ様ですよ〜∠(`・ω・´)
遂にやって来た運命の時!
人間だったセツがどの様に悪魔の力を受け継いだかの物語です!どうぞ~!
日付が変わった夜、午前0:30分。
私と窃盗団の居る倉庫へと歩を進めて、襲撃前に倉庫周辺を調べて見張りの位置と数を把握していた。
倉庫正面に2人、側面に各2人、裏口に1人。
私とドムは二手に分かれて、側面から見張りを潰しにかかった。
ドムはオキチタウの打撃で頭蓋を殴り割り、もう1人が声を荒げて銃を撃つ前に相手の利き手と首を掴んでそのまま窒息させて息の根を止める。
私は相手が声を上げる前に1人はナイフで首の動脈を切り、もう1人はナイフを水平にして肋骨に当たらないように心臓に突き刺し、肋骨を滑らせる様にして切り裂いた。
そしてお互い裏口に周り、挟み撃ちにして見張り1人を始末。
私がナイフで首を切り、ドムは事故のような威力のパンチで胸骨と肋骨を殴り折る。
オーバーキルだが仕方ない。
そして正面に戻ると同じように挟み撃ちで見張りを全滅させると、また私達は裏口に戻り、下から見えるこの倉庫唯一の窓を見上げる。
あそこからもし窃盗団の連中が飛び降りたりして逃げようとするのを想定して、たとえ靴を履いていても靴底を貫通する鋭い大きなガラス片をちょっと広範囲にバラ撒いてから中に侵入した。
そして互いに二手に分かれて行動を開始する。倉庫内は3階まであり、私は1階で雑魚狩り、ドムは3階から探索する手筈だ。
事前の情報で1階には下っ端達が集まって酒盛りしたり売春婦を捕まえに行ったりと各々好き勝手やっている所。
酒臭く、薬の甘い臭いまでして気持ち悪い。
階段を上がると、雑魚寝用の部屋がいくつか並んでいる。階段を登ったすぐそばに最初の部屋があり、そこから左右に別の部屋が続いており、各部屋はシンプルで、ベッドやイスとテーブルが並ぶ共同生活用のスペースだ。壁で仕切られているから、プライバシーは少し保たれているけど、全体的に狭く雑多。
2階は寝床となって寝ている様子で、現段階では奴等はこの階には居ないはずだ。
そして3階、ここに窃盗団の幹部と思わしき悪魔憑きが居る。3階は最も重要なスペースで、階段を上がると広い会議室があり、会議室は中央に位置し、テーブルと椅子が置かれ、集会や打ち合わせに使われる様子が想像できる。その奥に、資料室兼幹部部屋がある。この部屋は鍵のかかるドアがあり、重要な書類や資料が保管され、幹部が執務する場所として特別感のある場所だ。
そしてその鍵のある部屋、資料室兼幹部部屋に悪魔憑きが居る。
ここにはドムが向って始末する計画だった。
3階の奴等が仮にドムから逃げ出せたとしても、窓は3階の1部屋にしか無いし飛び降りた先にガラス片で足を怪我する。私が早く1階の雑魚を始末すれば私と鉢合わせするようにはするが、基本的にドムから逃げられるような人間はまず居ない。
「いつも通りだ、いくぞ」
いつも通り、私は集中力を高めて、仕事をする為に極限集中状態に入る。
意思を集中させて銃を2丁抜き、タイミングを計ろうとした時だった。
「きゃっ!」
(!)
女の子の悲鳴が聴こえてその方向を覗き込むと、男達に囲まれた10代と思しき白人と黒人の少女2人がいた。
ちょっと露出が多い服装から、ソルトレイクシティに遊びに来た感じか?
おそらく女を探してた男達に無理矢理連れ込まれたんだろう。怯える白人の少女を、気が強そうな黒人の少女が守ろうとして男に暴力を受けていた。
「おいおい、いい加減俺達と遊んでくれよ〜w 大人な遊びをさ〜?w」
「アンジェ……」
「うるさい!お前らフザけんじゃないよ!」
「ああ?フザけてんのはお前だよ、俺達はソコのイイ尻してるソイツといい事したいだけなんだよ!」
どいつもこいつも下卑た目をしてやがる。
黒人の少女が周囲を見渡して何か使えないかと思案してるようだが、彼女の力じゃ男達には敵わないと分かっているらしくどうすればいいのか焦っている感じだ。
だが男達がそんな時間を与える筈も無い。
黒人の少女は腹を男に殴られ、蹲ったところを押さえつけられた。
「ガ……ッ!」
「アンジェ!」
「おっと〜、オマエはコッチだよ〜♫」
「ヒッ! 離して!!」
「カレンッ!!」
白人の少女に馬乗りになった男は少女の上着をナイフで切り裂くと、10代の少女にしては大きい胸が下着越しに顕になり、男達は口笛を吹いて歓喜を上げる。
尻だけでなく胸もいい具合だった様子で浮足立ち、これからするであろう事に興奮し始めた。
白人の少女は完全に怯え切って涙を流し、黒人の少女もズボンをナイフで切られ形の良い尻が顕にされ、彼女は抵抗するが男達の力には及ばなかった。
「やめろ!!離せ!!!」
「ヒグっ……パパ、ママ、アンジェ…!!」
このまま放置したら、確実に2人は傷物にされただろう。
だが、
ゴッ
「あ?………は?」
調子に乗っていた男の内の1人の後頭部に、硬く冷たい金属の筒が軽く押し当てられ、男が振り向くと、そこには能面の様な表情の、冷たい瞳をした私がいた。
パンッ!!
なんの躊躇も無く、私は銃の引き金を引き、男の頭に鉛玉を叩き込んだ。
浮足立ってた男達は発砲音に驚き、一斉に私の方を見た。誰か1人がなんか言おうとしたが、誰かしゃべりだす前に1人、2人と次々に男達の頭に鉛玉を撃ち込むが、やっぱり数が多い。
1人接近を許してしまった。
「なんだテメェ…ワ!?」
女と見て甘く見ていたようだな?
ナイフを持った男が刺して来ようとしたが私の方が速い。腰を意識し、股関節の柔らかさから繰り出される遠心力の乗った蹴りは男のコメカミを捉え、そのまま地面と熱いキスを交わし、そのまま頭に鉛玉を叩き込んだ。
あともう2人接近を許してしまったが、1人は足刀蹴りで喉を潰し、もう1人は前蹴りを目頭を含めた眉間に叩き込んだら衝撃で眼球が弾け飛んだ。
痛みで悶絶している所を頭に鉛玉を撃ち込んで、さらに沸いて出てくる男達に向かって私はリロードしてから猛スピードで突っ込んで行く。
男達も銃を撃ってくるが、視線と銃口の向き、そして撃つ時の呼吸で弾道とタイミングは読める。
奴等が撃った時には私はもう射線から外れているが、奴等からしてみればなんで当たらないのか理解不能だった。驚いてる暇があるなら次を撃てよ。
撃たないから、私はもうお前達の懐にいて既に銃を撃ってるんだよ。
驚愕と困惑の表情をする男達を次々に殺していき、5分も経てば雑魚はアッという間に殲滅出来た。
硝煙と血の臭いが1階を埋め尽くし、少女2人は突然の大量殺人現場に遭遇して失禁しながら私を見ていた。
どうやら自分達も殺されると思っているらしく、2人は互いに抱き合って震えていた。
理由も無く殺しゃしねぇよったく…
「おい」
「ヒッ!?」
「アッチに裏口があるから、そこから行きな」
「……………え?」
「それと、ここで見た事は誰にもしゃべるな、いいな?」
「…………」
「返事は?」
「「ハ、ハイ!!」」
勢いよく返事した2人は走って逃げて行き、私は階段を登って3階を目指して歩き出す。
アレだけドンパチやって上の反応が無いところをみると、もうドムは親玉を始末したところか?
私は警戒したまま階段を上がっていき、見取り図にあったはずの部屋へと目指すが…………なんだ?何かがおかしい?
一歩踏みしめるごとに、背中がゾワっとする。
こういう嫌な予感………当たって欲しくない時に当たってしまうんだよ……。
私は嫌な汗をかきながら慎重に歩を進めて行く。
「!」
硝煙の臭いが近い。
近くにドムが居るはずだ。
私は走って目的の部屋へと向かい、扉を見つけて辿り着くと絶句した。
「ウソだろ……」
ドムが………彼が右腕を押さえて頭から血を流し、何かは分からない黒い杭のような物を両足に打ち込まれ、そのドムに向かって右手を掲げて鎌首を擡げている中性的な顔立ちの……人型の何かが居た。
「ドムっ!!」
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階段を登る乾いた音が響くなか、ドムはM1917を取り出し、鋭い目つきで登り切った廊下の先を見据えた。
(………人の気配が無いな)
いつもならこういう状況では何人か廊下で屯してるバカ数人が居るものだが、なんだかあまりにもらしくない状況だが………。
とにかく、ドムはいつもの通り悪魔を狩る。
悪魔の力は未知数ではあるが、ドムにとってはいつもの事で出たとこ勝負。
下っ端たちはセツ1人でどうにでもなるから彼女に任せ、彼はいつも通りに目標である悪魔憑きの元に向かうが、今日は思わぬ先客が居た。
フードを被り、この窃盗団のボスとその側近であっただろう者達の肉を貪り食っていた。
有名なゾンビゲームよろしく、狭い部屋の中、ドムの接近に気付いた人喰いのフードの人物は死体を横に放り投げ、口を半開きにして黒い歯を見せたままドムをジッと見つめた。
「人様の獲物を横取りか?」
ドムの挑発にフードの人喰いは黙ったまま、右手を翳して……
ドンっ!!
何かしてくる前に先制攻撃を仕掛けたドムだったが…
「っ!?」
M1917の弾丸はフードの人喰いの眉間に当たる直前に何かに潰されたように砕け散った。
いや、正確には違う。
ドムの眼には偶然視えていた。
目の前のこの人喰いは、半開き口から舌の力だけで歯を抜いて弾丸と同じ速度で弾き飛ばして相殺させたのだ。
『ねぇ?』
「!?」
男の声なのか、女の声なのか、子供なのか年寄りなのか、まるで全世代の人間の声を合成しているかのような不快な声を発する人喰い。声に魔力が乗っている様子で耳鳴りとともに酷く頭が痛くなってきた。
瞬間的にヤバいと判断したドムは、この目の前の人喰いが次何かを発する前に始末しなければと、一気に距離を詰めてソードオフで頭を吹き飛ばそうした。
が、
『悪魔って信じる?』
ソードオフの引き金を引いて反動で跳ね上がる力で右腕が上がった瞬間、人喰いに向けて撃ったはずの散弾の玉がドムの右腕に突き刺さった!
敵に向けて撃ったはずなのに何故自分に!?っと困惑し、ドムは咄嗟にバックステップで人喰いから距離を取った。ソードオフを撃った衝撃で人喰いのフードが取れて中性的な顔が顕になった直後、ドムに向けていた右手からキンっと音がした直後、人喰いの右掌を黒い杭の様なものが突き破って射出され、それがドムの左の太ももを貫いた!
『俺僕私私儂余我は』
黒い杭によって貫かれた太ももに焼けるような痛みが走り、瞬発力を削がれだドムは人喰いの喉を狙ってM1917を連射して撃つが、弾丸は全て相殺させられ、人喰いがさらにもう1本歯を弾き飛ばしてきた!
ドムは酷い頭痛に苦しめられながらもギリギリ頭を捻って直撃は回避するがコメカミをカスる……代わりに、右の太ももにもあの黒い杭で貫かれてしまう。
『悪魔なんだよ』
黒い杭で貫かれた箇所が熱くなり、コメカミにも火傷の様な痛みが走り、ドムの脳裏に撤退の文字が浮かび上がるが、セツが此処に来てしまうことを考えてどうするのが最善かを考えるが、間に合わずにセツが来てしまった。
「ドムっ!!」
「なっ、セツ!?」
気付いた時には、既にセツは銃を撃ってしまい、弾は全て相殺させられて人喰いが右手をセツに向けた。
(っ!マズい!!)
セツにあの黒い杭を触れさせる訳にはいかない!!
ドムは刺青に入れてあったダイナマイト手にし、痛みを我慢して後退しながらダイナマイトを放り投げてM1917で撃って起爆させ、爆風を利用してセツの所にまで転がって合流した。
「ドム! なんて無茶な事を……!」
「小言ならあとにしろ!とにかくズラかるぞ!」
黒い杭が刺さったままだったが、とにかく今は逃げなければヤバい!ドムはそう判断し、セツの肩を借りながらどうにかして1階にまで辿り着くとが、黒い杭の刺さったところの痛みが増してきて逃げるどころでは無くなってしまって崩れ落ちてしまう。
ドムの状態がマズいのと、この痛がり様は尋常ではないと思ったセツは、突き刺さっている黒い杭を引っこ抜こうとするが、ドムが必死の形相でそれを止めた。
「よせ!コレに触るな!」
「ドム、いったいなにを!?」
「いいから触るな!自分で抜く……っっ!!」
凄まじい痛みに顔を歪ませながら黒い杭を抜いていくが、ドムが黒い杭に触れたその手に異変が起きているのにセツは気付いた。彼の掌が火傷をしたかのような…ケロイド状になっていた。
「ドム……コレは………」
「呪いだ…」
「呪い?」
「ああ、俺だからまだ火傷で済んでるが、普通の人間なら触っただけで死ぬ」
それ程にまでに強力でヤバ過ぎるものらしいその黒い杭。ドムの傷口を見てみると、刺さっていた箇所の傷に血がほとんど出ていなかった。
それもその筈だ。
何せ呪いに触れ続けていたその傷口は焼け爛れていた。
悪魔を宿すドムの肉体は常人よりもかなり頑丈ではあったが、そのドムですらこれほどの怪我を負っているとなると、あの人喰いはかなりの上位種。
「さっきのアイツが、窃盗団の悪魔憑きなのか?」
「違う、アイツは別問題だ。ターゲットだった奴はアイツに喰われてた」
少し状況の整理が出来たセツは、今のままじゃコッチが殺される未来しか見えない。
一先窃盗団は壊滅したが、あとはあの人喰いから逃げ切って再起を図るしかない。ドムとセツは気配を殺しながら、ソルトレイクシティから離れようとしたが………運命は彼等を逃さなかった。
ジョンジェーンというは、英語圏で身元不明の人物を指す「ジョン・ドゥ(John Doe)」と「ジェーン・ドゥ(Jane Doe)」に由来します∠(`・ω・´)




