第37話 窃盗団
お疲れ様ですよ〜∠(`・ω・´)
いよいよドムとセツに何があったのか書きますか!
では、どうぞ!
アメリカに戻って数日、私は暫しの休暇のを楽しんでいた。
パティ達年長組の勉強を見たり、メアとアンがグズって泣いたりしたらあやしたり、ベアードの地下室を借りて銃のメンテナンスをしたりして過ごしていた。
あ、あとはマリアとの散歩………と言うなの、最早訓練に振り回されていた。
「わーい!ウシさんだ〜!!」
「おいマリア、走り回るな!」
「あ、ヤギさんこんにちは〜!」
「うおぉーーい!!今度はソッチか!?」
「あ、ラッシー!一緒にさんぽしよ〜!」
「仕事中の牧畜犬のジャマするなーー!!」
…………とまぁ、子供がデパートで迷子になるように、アッチコッチに持ち前のスピードでウロチョロしまくってコッチが追いかけ回すハメになる。
この追いかけっこでメチャクチャ脚が鍛えられて、マリア程では無いにしろ、人間としてはかなり速くなった。
いつもならドムが無言で追いかけ回して首根っこを押さえて連れて帰るのがお決まり。
そこにさらに子供達も加わってテンヤワンヤになって、暗くなって泥だらけになって帰ってくるを繰り返す。
平和なのはいい事だ。
そう思っていたある日だった。
私はメアにご飯を食べさせながら自分も食べていると、ベアードが私とドムに仕事の話をしてきた。
ちな、今日はマカロニ・アンド・チーズとビーフキャセロールとトマトベースの野菜スープだ。
「窃盗団の始末?」
「ああ、ここ最近車専門の窃盗団の被害が多くて、知り合いのディーラー達が参ってるらしいんだ。警察に被害届を出しても捜査よりも被害が多いらしくてな、ならいっそ殲滅しちまおうって話らしい」
「また随分と極端な話だな?」
「この窃盗団な、どうやらマフィアどもが裏に流そうとしてた高級車を丸ごと盗んだらしくてな」
「あぁ……虎の尾を踏んだのか」
まぁ分かりやすい粛清図だな。
「それと、その窃盗団なんだが、どうやらアッチ側の奴等と契約してるみたいだ」
「!……確かか?」
「盗まれた現場に行って痕跡を確認した、間違いない」
アッチ側と聞いて、私とドムの表情は真剣そのものになった。
日本では妖魔と呼ばれ、アメリカでは悪魔と呼ばれる者たち。ドムも私も、暗殺という仕事を生業にしながら、同時に悪魔狩りもしていた。
悪魔が絡んでるのなら、既に死者が出てるのは明白だ。
「窃盗団の居場所は掴んでるのか?」
「もう少し時間が欲しいな。今餌を撒いてて食いつくところを待ってるんだ」
窃盗団が動くように何かしらの情報操作を企ているらしいベアードはそう言うと、食べ終わったお皿をシンクに持っていって片付けた。
ドムは…悪魔関連になると黙って地下室に行き、M1917の整備をしに行く。
以前、どうして悪魔を狩る仕事もしているのか聞いたことがあるが、ドムは何も言わなかった。
ベアードもマリアも、何故彼が悪魔狩りをしているのか理由は知らず、そして何故ドムの身体の中に悪魔が住み着いているのかも知らないらしい。
私も自分の銃を分解して整備しておくか。
当日になって排莢不良や発火不良が起きたらたまったもんじゃない。
気にはなっているけど、仕事の時にドムの足を引っ張らないように気を付けよう。
いくら銃の扱いをドムに叩き込まれたとはいえ、悪魔を殺すのに普通の銃しか使えない私じゃ足手まといでしかない。悪魔を殺すには、ドムのように魔力や霊力といったものを銃と弾の両方に込めて撃つ事が出来なければならない。
もしくは、10年前に一度しか見たことのない、ドムが使った魔術が使えたらなんだが………人間にとって魔術は危険なものらしいとしか教えてもらえなかった。
いつかそういった感じの訓練もするんだろうか?
そんな余計なことを考えているとメアからご飯の催促をされた。
「ああ、ごめんね!」
「ぶ〜!」
とにかく、今は待つしかない。
私は銃の調整をしながらベアードからのGOサインが来るのを待った。
それから7日後
「窃盗団が情報に食い付いた」
ベアードに連絡が入り、準備を済ませていた私達は直ぐに行動を開始する。
場所はソルトレイクシティ。
車で4時間から5時間くらいの場所の中規模都市だ。
「今奴らはチャイナタウンの一角に仮拠点を構えてる。富裕層エリアで、ある金持ちのキャデラックを3台盗む為に下見をしてるところだ」
キャデラックはこの当時、アメリカの最高級ブランドとしての地位が確立されていて、まさにアメリカンドリームを象徴する車の代表的存在だ。
現代でも高級車としての一角に落ち着いてはいるが、夢ある人にとっては今でも人気が高い。
窃盗団共にとってもキャデラックは大物狙いになり、闇市での市場価格も大きい。コイツを狙う事は野心がかなり高いようだと推察出来る。
コイツらに何故悪魔が力を貸しているかは不明だが、奴等が行動を起こす前に潰す必要があるな。
「チャイナタウンの元締めとは既に話を通してあるから、まずはソッチに行ってくれ」
私とドムはどう攻めるか話しながらソルトレイクシティへと車を走らせた。
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ソルトレイクシティのチャイナタウン
1860年代後半の大陸横断鉄道建設に伴い、中国系移民、主に広東省出身の労働者が流入したことで始まった。
1870年代には、鉄道完成後に多くの中国人が鉱業、洗濯業、飲食業などで生計を立て、ダウンタウンに小さなコミュニティを形成した。
だが1880年代、中国人排斥法が制定され、反中国移民の排斥運動や経済的圧迫により、多くの中国人が他の都市へ移住。この時のソルトレイクシティでも依然として中国人経営の商店や住宅が残っていたが、コミュニティは小さく、ひっそりとしていた。
木造の古い建物や簡素な住宅が密集し、雑然とした雰囲気で、通りには漢字の看板が掲げられた小さな商店や食堂が点在し、乾燥ナマコ、椎茸、漢方薬などが売られている。
飲食店も有りはしたが、賭博場やアヘン窟の噂が絶えず、窃盗団の隠れ家や情報交換の場として最も適していた所だ。
そして私とドムは、そんなチャイナタウンのある飲食店に出向いて、店主に金を払うと奥へと通されて地下への階段を降りていった。
階段を降りきると簡素な扉が一つあり、そこを開けるとロウソクである程度明るくして簡素なソファに座っている1人の中国人が座っている。
…………いや、正確には中国籍になるだけか。
「アンタがムハンマドか?」
「……黒人と日系人の女、お前達が黒い猛獣と死の神風だな?」
互いの二つ名で呼んだ男、このムハンマドという男がこのチャイナタウンの元締めだ。
中国籍の理由は、彼がウイグル族の人間だからだった。
1949年に中国によって故郷を侵略され、家族も失ってソ連経由でアメリカに亡命してきた。ウイグル族はイスラム教を信仰していて、それ故ウイグル族にはイスラム系の名前が多い。
浅黒い肌、鋭い目、控えめだが目立つイスラム風の髭。普段は中華風のシャツを着るが、ウイグル伝統の刺繍が入ったベストを愛用している40代の切れ者。
事前にベアードから聞いていた情報と一致するな。
「ああ、そうだ」
「お前達があの窃盗団を潰してくれるんだな?」
「金が貰えるならちゃんと働く」
「ふん、どっかのクソ野郎と一緒にするな。俺はちゃんと働いた者には相応の報酬は必ず渡す」
ドムとムハンマドが互いに睨みを利かし、それでも争わない姿勢で言葉を交わす。
少し沈黙が言葉を支配すると、ムハンマドが数枚の紙の束を私達に渡してきた。
「これは?」
「窃盗団の居場所と奴等の盗難計画だ」
渡された紙を見てみると広東語で書かれていたが、読む限りではたしかに窃盗団の侵入から逃走までの詳しいものが書かれていた。
「よくこれだけの事が分かったな」
「奴等はチャイナタウンでのルールを守らずに好き勝手やって、さらには料理屋の嫁さんに乱暴を働いて、店主に大怪我を負わせた。上納金は払ったから良いだろ?って言って好き勝手やりやがって………ルールを守れん奴等なんぞどうなろうが知らん。諸々を排除してくれ」
……なるほどな。
当時、中国系移民を含むチャイナタウンの住人は、市民権を持つ者や合法的な在留資格を持つ者であれば、原則として公立病院や私立病院を利用はできた。
ただし、1943年の中国人排斥法廃止後も、移民の在留資格が不安定な者や身分証明を提示して支払い能力の有無を確認され、利用を躊躇する者が多かった。
「ここに居る連中は、皆国を見限って出て来た者たちだ。そして俺達は、入郷随俗、この国の風習や習慣、常識を守って生きている」
入郷随俗
たしか中国の諺で、日本で言うところの【郷に行っては郷に従え】と同じ意味を持つものだったな。多分、ここに居る中国人から教えてもらったのだろう。
「たとえ世間から冷やかに見られていようが、俺にはチャイナタウンを守る責任がある。だから必ず奴等を排除しろ、良いな?」
話は終わりだと言わんばかりに、ムハンマドはお祈りの時間なのか一方向に向けて祈りだした。
私達はその場を後にし、今夜、窃盗団に貸している倉庫に向けて襲撃を仕掛ける準備に入った。
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数時間後、私達とは別に新たな客人がムハンマドの元を尋ねてきた。
スーツ姿の日系人らしき男と、フードを被って顔を隠している男。
「よう、アンタがここの元締めってヤツか?w」
スーツ姿の日系人はヘラヘラした態度と口調でムハンマドに馴れ馴れしく話しかけてくる。どこか鼻に付く感じで、ムハンマドは眉を顰めた。
「お前達、何のようだ?」
「いやナニw ここらへんにいる窃盗団について聞きたくてな、なんか知らねぇか?w」
現代よりも、この当時の方が夢はあったんやろなぁ。
おっさんの夢は嫁さんもらって子供と家庭を作りたいのですが、それもなかなか難しいですね(个_个)(╥﹏╥)
そしてこの喋り方、誰かお気づきでしょうか?w




