第24話 タイムリミット
お待たせしました!∠(`・ω・´)
今回は朱里の視点からのお話です。
そして初の連続投稿!
2話分をお送りします∠(`・ω・´)
〜朱里Side〜
鵺が吠え、龍太郎や私達の周りに落雷が何本も落ちてくる。
私の結界で、落雷の雨から佳鈴ちゃんを守られてはいるけど、鵺はそれが気に入らないのか、更に雷の雨を激しく降り注いで、一部瓦礫化した倉庫内にある、危険物を保管する為のタンクヤードに直撃して、それが大爆発して辺りが黒煙と炎に包まれた。
グルルっと唸り声をあげ、黒煙の方へと視線を向ける鵺。
黒煙が晴れると、そこには結界で守られた佳鈴と重傷の赤髪と、その赤髪に治療術を施す私が居た。
が、龍太郎の姿が何処にも無い。
消えた龍太郎を探して、鵺はキョロキョロと辺りを見渡す。
瓦礫と化して隠れる場所のない。
視界の中に入る範囲に、龍太郎の姿を見つけられない。
さっきの落雷で消し飛ばしたのかと思った鵺は、浅ましくも足掻く矮小な存在だと認識している私達に狙いを定め、その爪で邪魔な結界を引き裂こうと、一歩歩を進め………ようとした時、鵺の上空から、紅い光を放つ影が降り注いだ!
鵺の首筋に、銀線が走る。
龍太郎の兜割りが叩き込まれた!!
流れる様な動きで、今度は斬り上げ、唐竹割りを繰り出して、後ろ回し蹴りで鵺を大きく吹っ飛ばして、私達から鵺を遠ざけた。
龍太郎は、私達の方へチラッと一瞥して、私達の安全を確認してから鵺の場所まで駆けて、怒りを露わにしている雷獣の眼前に立った。
「あんにゃろ、面倒くさいもん残して行きやがって……」
「ヒョーーーっ!!」
「なに怒ってんだ……こっちの方がオマエなんかよりも、何倍にも腸が煮えくり返ってるんだよっ」
刀の切っ先を鵺に向けて、鬼の形相で苛立ちを打つけながら、龍太郎は鵺に斬撃を与えたはずの部位を注視した。
首筋に当てた兜割り、足首には斬り上げ、そして虎の四肢の指に当てた唐竹割り。
どの部位も少しの傷はおろか、多少毛が傷んでる程度で、ほぼダメージが通ってなかった。
首筋は致命傷、足や指は起動力を削ぐ事を目的に叩き込んだんだろうけど、ここまで無傷だとどうやって目の前の化け物を崩しに掛かろうか、龍太郎は思案した。
けど、悠長に考えてる時間は無い!
ナナシが埠頭に設置した人払いの結界を破壊したせいで、さっきの爆発音が埠頭から聞こえたと警察に通報が入って、パトカーのサイレンの音が遠くからだが聞こえてきた。
もし警察がここに来たら、確実に鵺に殺される。
一刻も早くなんとかして、鵺を討伐しなければならないけど、龍太郎自身にも問題があった。
2度に渡る戦闘で負った傷は、私が頑張ったなら回復してはいる。
けど、血を多く流し過ぎた為に、息切れをしやすくなっていた。
血液が不足して激しく身体を動かせば、身体中に酸素が行き渡らない。
体力はあるがスタミナが続かない状態だった。
龍太郎は刀を構える。
周囲は鵺が雷を乱発してくれたおかげで、炎が巻き上がり、影を伸ばす光源となってくれていた。
龍太郎は影現で一気に鵺の腹部下へと潜り込んで、鬼の力を込めた斬撃を繰り出す!!
確実に当たってはいるけど、やっぱり傷一つ無く、一筋縄ではいかない。
無意識に舌打ちしてしまうけど、鵺が腹部に滑り込んだ龍太郎へ迎撃する!
ヤツは尻尾の蛇を股に潜らせて、龍太郎に噛み付かせようとするが、龍太郎は蛇の噛み付きに合わせて身を翻して回避すると、同時に蛇の首に勢いを付けた唐竹割りを繰り出す!!
けど、、蛇の鱗を少し剥いだ程度で、鵺自身にほとんどダメージが入っていない!
硬過ぎると思うも、鵺は次の反撃に入っていた!
さっきの蛇が、龍太郎に向けて毒霧を吐いてきた!
咄嗟に左手を入れながら、バックステップで距離を取りはしたが、蛇の毒霧の範囲が思ってたよりも広く、少量だけど掛かってしまった!
「くっ!?」
鵺の毒霧は、龍太郎の皮膚を軽く溶かして、焼けるような痛みを与えた。
幸いなことに、毒霧は強酸性の消化液だったから、刀を握るのには問題は無い。
けど、龍太郎は既に、肩で息をしていた。
それどころか、急な頭痛と立ち眩みがして立ってられない。
血が足りてない事による"低酸素症"だった。
「くっ…そがぁ…………っ!」
高山病の一つの症状で、この状態が続けば、いくら鬼とはいえ機能障害が残るかもしれない。
人外と言えど、肉体は現実に存在するし、なによりも人と鬼の身体は、構造上ほとんど人間の細胞レベルで酷似している。
病気には罹 かり難いけど、怪我はする。
いくら鬼とはいえ、龍太郎でも低酸素症にはかなり堪えて、気付け薬の代わりに鬼の力と根性で症状を無理矢理抑え込んだ。
そんな隙を鵺は見逃すはずも無く、奴は龍太郎に接近して、その爪で引き裂こうした!
反応に遅れた龍太郎は避けられないと判断して、鵺の右爪を刀で受け止めた!
筋肉がギシギシと軋んで、身体全体に強烈な負荷が掛かり、歯を食いしばる。
けど、鵺は次の手を繰り出す!!
後ろ足2本で器用に立ちながら、残りの左爪大きく振りかぶってきた!!
それに対して龍太郎は、
「チッ!!」
腰に挿していた刀の鞘を抜いて、強引に受け止めた!!
鵺が万力のように、ギリギリと押し潰すようにして、でもまだ多少指も動かせることから、指を動かして少しでも爪を龍太郎に食い込ませよう動かし、彼の背中を少し裂き、そして次の手段に入る。
噛み付きだ!
猿の顔が口を開けて、鋭い牙で噛み付こうとした!
迫りくる牙に龍太郎も眼を見開いてき、咄嗟の判断で、鵺の鼻を前蹴りで蹴り突けた!
槍のような鋭い蹴りで、鵺は鼻血を散らして怯んで、両爪から解放された龍太郎が影現で距離を詰めて、鵺の頭上跳び上がり、縦回転で勢いを付けた唐竹割りを叩き込んだ!!
そしてようやく、鵺の頭を薄くだけど斬ることが出来た!
「そうか、コレよりもう少し上か」
斬撃には鬼の力が込められていたけど、龍太郎はつい先刻に、ナナシの手を斬り落とした時の感覚を思い出しながら刀を振るっていた。
あの時は「奴を斬る!!」という思いだけで無自覚に鬼の力を振るっていた。
でも、ただ鬼の力を振るっているだけでは妖魔にはダメージは入らない。
特に力のある妖魔であれば、鬼の力のみならず、人外の力に強い抵抗力を持っいる。
その為、妖魔を倒すにはその抵抗力を上回る人外の力を叩き込むしか無い。
けど逆に力が強過ぎれば、余剰分が妖魔の抵抗力によって削がれてしまい、込められた力が分散されてしまう。
妖魔を倒す為には、適切な力を込めなければならなかった。
その適切な加減を、龍太郎が気付き始めた事に鵺も気付いて、斬られまいと雷を乱発!
激しい落雷が埠頭全体に降り注ぎ、結界を張っている私達にも直撃する!!
「きゃっ!!」
「こ……なクソ〜〜っ!!」
特に私は結界、治癒術に加えて、ナナシに結界を壊された反動と、二重、三重と別の術式を展開し続けて、脳に強い負荷が掛かって鼻血が止まらない!
これ以上負担を掛ければ、結界の維持すらままならない!
龍太郎は、なんとかして鵺に近付かなければならないけど、影現で接近しようにも、雷光で影をかき消されて、迂闊に使えば雷の餌食になる!
「時間がねぇってのに………っ!!!」
15分のタイムリミットが迫り、パトカーのサイレンの音が近くまで来ている事と、攻めあぐねて焦りが出てしまった。
龍太郎の視界がグラついた。
鬼の力で低酸素症の症状を抑え込んでいたけど、激しい戦闘が続いて、身体と精神の負担が高過ぎる為に、鬼の力に乱れが生じた。
その隙を、鵺は見逃さなかった!
激しい落雷を続けながら、鵺が自身の前方方向に雷球を7個横並びに設置した。
そして、ニヤけた顔をした直後、雷球から7本の大稲妻を龍太郎に一斉射!!!
グラついて意識を保とうと踏ん張った瞬間、龍太郎は鵺の大稲妻の一本をモロに受けてしまった!!!
「佳鈴ちゃんっ!伏せて!!」
佳鈴ちゃんの悲鳴を、残りの大稲妻の轟音がかき消して、半壊、損傷した倉庫や色んなものを巻き込んで貫き、埠頭全体が大爆発した!!
思ってたよりも被害甚大です!
続く!!




