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人外討魔伝記  作者: 一ノ瀬カイヒロ
第二章 弾丸の魔女
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第14話 過去のこと

扁桃炎こじらせました。

まだ喉痛いです。

皆さんもご注意くださいね。

学校終わり、私は龍太郎と買い物を済ませて家に帰宅。

グラピーがお出迎えしてくれて抱き上げると、グラピーは喉をゴロゴロ鳴らして私の胸を前足でフミフミ。


龍太郎もグラピーの頭をひと撫でしてから手を洗って夕食を作るための下ごしらえを始めた。


グラピーを抱えながらリビングのソファに腰掛けてテレビをつけると、夕方のニュース番組がやっていた。

ニュース内容は様々で、○○動物園でカンガルーの赤ちゃんが産まれたとか、地方の特産品の特集、そして何処かで事件が起きたとか、国会議員が裏金を受け取ったとかのニュース。


何気なしに見ていると、このニュースの中に私が経験した妖魔の被害とかがあるんだろうか?と考えてしまう。


「…………………」


莉桜ちゃんの事を否応なしに思い出してしまう…。


しかし、どれだけ心の整理をしようとも、どうしても莉桜ちゃんの事を過去のことにすることは出来なかった。


「なに暗い雰囲気出してんの?」

「わっ!!」


突然私の視界に朱里さんが逆さまになって現れてびっくりした。


「あのニュースの中に、妖魔が関連してるのかな?っとか思ってた?」


……ホントになんでこの人は私の考えてる事を見抜いてしまうのだろうか。

朱里さんは少しいたずらっ子の様な笑みを浮かべ、膝の上でくつろいでいるグラピーの上に寝そべった。


「結論から言っちゃえば、妖魔関連の被害は全部が全部ニュースになったりはしないわ」


やっぱりそうなんだ………。


なら、過去には一体どんな事があったのだろうか?


私は率直にそう思い、朱里さんに過去どんな事があったのか聞いてみた。


が、答えが私の思ってたモノの斜め上過ぎてた……。


「私が知ってる限りの古い妖魔の記録は平安時代ね」

「妖魔って…そんな前から……」

「もっと古いわよ。いつ何処で分岐したかは不明だけど、少なくとも邪馬台国時代には妖魔の存在は知られてたみたいね。一説じゃ、卑弥呼が妖魔そのものだったとか、妖魔と混じった半妖だったとか。証拠がないから証明のしようがないけどね、モグモグ……」


朱里さんが淹れたお茶をご一緒し、棚の上に置いてあったお茶菓子を食べながら朱里さんは語った。


あ、それお父さんが隠してた櫛灘屋くしなだやのきんつばなんだけど…。


「世界中で残ってる伝奇や風習、物語なんかには必ず妖魔が関連してる。でも、人間もやられっぱなしではない。長い時間を得て妖魔達に対する力を得るのよ。たぶん知ってると思うけど、それが陰陽師やヴァチカンのエクソシストよ」


どれも映画や小説なんかでよく出てくる組織名だ。


エクソシストに至っては実際にヴァチカンの教会が悪魔の存在を公的に公表しているとも聞く。


陰陽師は過去、大名…今で言うところの地方自治体への占いや祭りを行い、呪符や神札を配ることで生活の安寧を祈りるのが生業としいる人達。

そして陰陽師と言えば『安倍晴明』(あべの せいめい)と言うほどに有名だ。


そしてその陰陽術は、過去に妖かし達が人に教えて神術を独自発展させた言われているが、朱里さんの様な存在を目の当たりにすると、多分ホントなんだろうなぁと思ってしまう。


「あ、アニメや映画みたいに陰陽術を戦闘に使うことは今でもあるわよ。まぁそれでも極秘裏に動いてるから表沙汰にはならないけど、彼等は実働部隊とて「化生けしょう」と呼ばれてるわ」


今度は和風ゼリーを頬張りながら言う。


実戦………あんなのと一体人はどうやって戦うって言うんだろう。

たとえ陰陽師だろうと、どうやってあんな存在を………。


「うん?そりゃ訓練してるわよ?ウチの人外の1人が指導してるし」


とんでもない事口にした朱里さん。


……え?指導してる??

え?もしかして有名な安倍晴明でもまだ生きてるの?

たしか安倍晴明も半妖だって噂はあるし………。


けど朱里さんは首を横に振った。


そして出てきた名前がヤバい人だった……。


「指導してるのは、芦屋道満あしや どうまんよ」

「ブーーーーっ!」


飲んでたお茶を吹き出した。


「アッチャーーーーっ!」


朱里さんにお茶が直撃した。


だってあまりにも意外……というか芦屋道満あしや どうまんってまだ生きてたの!?

今でも現代では安倍晴明のライバル的存在で、有名な話では呪詛じゅそ(呪い)を返されて陰陽師を追放されたとか………そんな悪人イメージの強いヤバい人が………?


「う〜ん……生きてた、というより、あの人一度死んでから黄泉よみかえった人だからね。まぁ龍太郎にとっては戦いの師匠の一人でもあるから」


さらには龍太郎の師匠…………。


ちょっと頭が混乱してきた…。


朱里さんも、私が龍太郎からなにも聞かされていないことには少し驚いてた様子だった。


「龍太郎、アンタまだなんにも話してなかったの?」

「話す必要がねぇだろ、ペラペラ話しても、今の状態で頭に入らねぇよ」


ぶっきらぼうに作り終えたポテサラをテーブルに差し出し、次の一品を作りにキッチンに向かう。


龍太郎は龍太郎なりに気を使ってくれてるのはわかる。

心の整理が追い付いてない時に、外から色んな事が迫ってくると心が壊れかねない事を龍太郎は知っている。

だからこそ………


「ねぇ龍太郎」

「………なんだ?」

「いつかでいいから、龍太郎から見て私が大丈夫だって思ったら……その時はいろいろ…教えてくれるの?」


龍太郎は黙ったまま、次の料理に入った。

そしてトントンと音がする中、包丁の動きを少し止めて龍太郎はつぶやいた。


「お前が覚悟を決めたときには話す。だからその為に、今はまだゆっくり休め」


そして再び包丁で食材を切り始め、切ったものをフライパンで炒めはじめる。


龍太郎の背中を見ながら、私は龍太郎の言った「覚悟」の意味を考える。

いったいなんの覚悟…?


正直、龍太郎がなにを考えてるかわからないけど、彼は他人の事を思いやれる人だ。

だからこそ、何かしらの意味があるんだろうけど……。


「ほ〜ら!」

「ムグっ」


突然ポテサラを乗っけたスプーンを朱里さんに突っ込まれた。


「考えるのはあとでね?とりあえず今は食べましょ!」

「アハハ…」


さっきからずっと食べてばかりの朱里さんに言われたら………。

でも確かに、今アレコレ考えてても仕方が無い。


私は、ひとまず先にポテサラを食べ始めた。

相変わらず龍太郎の料理は美味しい。


そして次の一品、きんぴらごぼうにほうれん草のベーコン炒め、そして鶏の焼き唐揚げ。


ご飯も盛って龍太郎も席に着いた。


私の膝の上にいたグラピーも、ササミの焼きほぐしと鶏皮のパリパリふりかけでグラピーのご飯を豪華にした。


「佳鈴」

「ん?なに?」

「………いつかちゃんと話すから、少しの間待っててくれ」


ご飯を食べながら、龍太郎からの言葉に私は静かに「うん」と頷いた。


龍太郎、ちゃんと待ってるからね?


少しだけ、今後出てくるキャラの名前が登場!

そして少しこの話、変になってないか不安がありますが、頑張るで〜!∠(`・ω・´)

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