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第6話 スキルを生やす

 女騎士様と馬に二人乗り。

 エロくなんかない。

 鎧に当たって痛い事と言ったら。


「貴様は意外にしぶといな。普通なら一日中乗馬していれば、根を上げる物なのだが」

「そこはまあ色々と」


「私はジェンナだ。名乗れ」

「マークだよ」

「マーク、敵だ」


 見るとオークの集団が道を塞いでる。

 魔境の森が近いからこういう事もあるだろう。


「突撃する。舌をかむなよ」

「おう」


 馬が早足になりオークに近づいていく、ジェンナは背中に背負った大剣を抜いて一閃。

 すれ違いざまに切りつけた。


 馬が体当たりでオークを倒す。

 突進を止められたぞ。

 囲まれて詰みじゃないのか。

 仕方ない助けてやるか。


 俺は腰の小袋から小石を取り出すと指で弾いた。

 指弾という奴だ。

 訓練などしてないが、ステータスが高いとゴリ押しできる。


 オーク達はダメージを負った。


「むっ」


 ジェンナが不思議そうに唸った。

 だが、剣を操る手を止めないのは流石だ。


 オークは次々に切り伏せられていく。

 もちろん俺も指弾で加勢した。


「危なかった。ところでオークの動きがおかしかったが、何かしたか?」

「いや、してないが」


「そうか」


 そういうとジェンナは馬から飛び降りて、オークの死骸を調べ始めた。


「嘘を付いたな。体のあちこちに打撲痕があるぞ。暗器だな。お前は一体何者だ」

「あー、ばれちゃったな。俺はある人物に復讐したい。復讐するまでは能力は隠したい。秘密にしてもらえると助かる」


「姫様の敵でないなら見逃す」

「姫様が誰を指すのか分からないが、俺の敵は男だ」

「そうか」


「だが、俺は約束を信じない男だ。取引なら信じる」

「ほう、ならどうする。姫様の治療の褒美に秘密にしておくのか」

「いや、姫様の治療費は姫様に払ってもらう。俺の能力を秘密にしてくれたら、願いを叶えてやろう」

「姫様の治療が願いだ」


「本当にそうか。誰しも仕事意外に望みがあるもんだ」

「ううむ」


「あるだろう」

「ある。スキルがほしい」


「どんなスキルだ? 言ってみろ」

「斬撃スキルだ。常々思ってた。女は力で男に劣る。私の実力は下から数えた方が早い。技は磨いたが、力負けすると負ける事が多い」


 仕事意外と言ったが、結局、仕事の事を言ったな。

 この仕事人間め。

 だが、嫌いじゃない。


「よし叶えてやろう」


 俺のスキルの限界に挑戦してみたい。

 神がくれたスキルだから限界はないものと思いたい。


 │A        │B │

─+─────────+──+

1│ジェンナ取得スキル│斬撃│

─+─────────+──+


 これでどうだ。


「ステータスを見てくれ」

「ステータス。何も変わらないな」


 願望を書いたのでは駄目か。

 ならば。


 │A        │B  │

─+─────────+───+

1│ジェンナ願望スキル│斬撃 │

─+─────────+───+

2│ジェンナ取得スキル│=B1│

─+─────────+───+


 表計算のセルだが文字も入る。

 表題も文字だから今更だが、文字列として関数なんかも使える。

 これでどうだ。


「すまん、もう一度だ」

「ステータス。嘘だ。スキルが生えている」

「他に変わった事があるか?」


「ないな。いや、あんなにも欲しかったスキルへの渇望が綺麗さっぱり消えている」


 それはおかしいな。

 例えば金がほしいという奴が金を貰っても渇望は消えない。

 斬撃スキルが手に入れば更に強力な斬撃スキルが欲しくなるはずだ。

 渇望を生贄にスキルが生えたのだな。

 このスキルを使う時は注意しておこう。


「副作用だと思う。気にするな」

「ああ、スキルが手に入ればこのぐらいの代償は構わない。むっ、血の匂いで狼が寄って来たようだ。スキルの試運転をさせてもらおう」


 俺は収納魔法でオークを収納した。

 狼はあてが外れたようで、今度は俺達に狙いを変えた。


「ジェンナ、参る。斬撃、斬撃、斬撃」


 ジェンナが徒歩で戦う。

 スキルが発動するたびに光の斬撃が走り、狼が切り裂かれた。


「ふははっ、これで私も隊長級だ」


 狼は全て切り裂かれた。


「俺がスキルを生やした事も秘密だぞ」

「魔境で覚醒したとでも誤魔化しておくさ」


 俺のスキルに制約はあっても限界はないらしい。

 復讐には色々とやれるはずだ。

 今から考えておこう。


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