表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/14

第2話 初めてのスキル

 マークは俺と同じように裏切られて大怪我を負ったんだな。

 まずは状況を把握だ。

 片腕は千切れ、足の骨は折られ、片目も見えない。

 まさに満身創痍だ。


 薄目で俺をこんなにしたオークを観察する。

 マークから千切った腕をむしゃむしゃ食ってやがる。


 まずはステータスだ。


「ステータス」


 俺は小声で呟いた。


──────────────

名前:マーク(ヒロシ・ザセキ)


魔力:124/124

攻撃:18

防御:15

知力:20

器用:22

瞬発:17


スキル:記憶 スプレッドシート

──────────────


 マークの知識によれば魔力は100が平均だ。

 パラメーターも20が平均。

 マークは平凡だったようだ。

 記憶スキルはマークの物でスプレッドシートが俺のスキルだ。

 記憶スキルがあったので座学はマークが学園でトップ。

 それが原因でザケルに目を付けられたらしい。


 とりあえず、やれる事をやってみる。


「スプレッドシート」


 脳内に能力が展開された。


 │A│B│C│D│E│F│

─+─+─+─+─+─+─+

1│ │ │ │ │ │ │

─+─+─+─+─+─+─+

2│ │ │ │ │ │ │

─+─+─+─+─+─+─+

3│ │ │ │ │ │ │

─+─+─+─+─+─+─+

4│ │ │ │ │ │ │

─+─+─+─+─+─+─+

5│ │ │ │ │ │ │

─+─+─+─+─+─+─+

6│ │ │ │ │ │ │

─+─+─+─+─+─+─+


 まさしく表計算だな。

 この表計算は、これだけだと分からない人は全く分からない。

 ABCDEF……と並んでいるのが列。

 123456……と並んでいるのが行。


 │A│B│C│D│E│F│

─+─+─+─+─+─+─+

1│ │ │ │ │ │ │

─+─+─+─+─+─+─+

2│ │ │ │ │ │ │

─+─+─+─+─+─+─+

3│ │ │ │あ│ │ │

─+─+─+─+─+─+─+

4│ │ │ │ │ │ │

─+─+─+─+─+─+─+

5│ │い│ │ │ │ │

─+─+─+─+─+─+─+

6│ │ │ │ │ │ │

─+─+─+─+─+─+─+


 『あ』が入っている所はセルと言うんだがD3と呼ぶ。

 『い』はB5だ。


 本格的に設定してみるぞ。


 │A  │B  │

─+───+───+

1│魔力 │124│

─+───+───+


 魔力という項目を設定したらB1に124という数値が勝手に入った。

 普通は自分で124という数値を入れないといけない。

 便利なんだか、不便なんだか。


 A1は表題だ。

 タグの類だと思っておけば良い。

 B1は魔力の数値。


 ちなみにこうしても良い。


 │A  │

─+───+

1│魔力 │

─+───+

2│124│

─+───+


 さて、治療だ。


 │A   │B  │

─+────+───+

1│使用魔力│100│

─+────+───+

2│回復魔法│=B1│

─+────+───+


 これでどうだ。

 B2にある数式の説明をすると、『B2=B1』だから『B2=100』になる。


 回復魔法が実行され、痛みがさっきよりましになった。

 血が止まったが、完治には程遠い。


 痛みの原因であるオークと俺の目があった。

 俺が呼吸しているのが分かったに違いない。

 オークは俺の千切れた腕を食べながら、なんだこいつまだ生きているのかという目で見ている。


 駄目だ、死んだな。

 もう詰みだろ。


 いいや、償いをするんだ。

 俺と同じ報われぬ魂を救うんだ。

 頑張れよ俺。


 魔力はもう24しかない。

 それがなんだ。

 足掻いてやる。


 │A   │B  │

─+────+───+

1│使用魔力│  1│

─+────+───+

2│火魔法 │=B1│

─+────+───+


 魔法が実行され蝋燭ほどの炎が出て消える。

 これじゃ飛ばないのか。

 じゃこうだ。



 │A   │B      │

─+────+───────+

1│使用魔力│     10│

─+────+───────+

2│火魔法 │=B1*0.8│

─+────+───────+

3│魔法速度│=B1*0.2│

─+────+───────+


 握り拳ほどの火球がのろのろと飛んで行く。

 距離が近い事もあって、オークの胴体に当たり少し焦がした。


「ぐおぉぉぉ」


 オークが少し怯んでいる。

 今のうちに打開策を。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ