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♥　高級レストラン　２　／　豪華なディナー　２　／　個室　１　／　観光デート　１９

──＊──＊──＊──　個室

　個（こ）室（しつ）の中（なか）に入（はい）ると、シンプルだけど上（じょう）品（ひん）でお洒（しゃ）落（れ）な内（ない）装（そう）だ。

　テーブルの上（うえ）には２人（り）分（ぶん）のテーブルセッティングがされている。

　使（つか）われている食（しょっ）器（き），食（しょく）具（ぐ），グラス，テーブルナプキンも最（さい）上（じょう）高（こう）級（きゅう）品（ひん）みたいだ。

　オレが座（すわ）る事（こと）になる椅（い）子（す）の横（よこ）に控（ひか）えていた別（べつ）のウェイターが、オレが椅（い）子（す）に座（すわ）り易（やす）い様（よう）にと椅（い）子（す）を引（ひ）いてくれた。

　椅（い）子（す）に腰（こし）を下（お）ろして座（すわ）ったオレが「有（あ）り難（がと）う」って言（い）うと、ウェイターは軽（かる）く会（え）釈（しゃ）をしてオレから離（はな）れた。

ウェイター

「シンミン様（さま）、御（お）料（りょう）理（り）を御（お）運（はこ）びさせて頂（いただ）きます」

セロフィート

「お願（ねが）いします」

　オレから離（はな）れたウェイターが手（て）に持（も）っていたボトルの中（なか）身（み）をグラスに注（そそ）いでくれる。

　飲（の）むのが勿（もっ）体（たい）無（な）いぐらいに綺（き）麗（れい）な色（いろ）だ。

マオ

「セロ、お酒（さけ）は飲（の）んだら駄（だ）目（め）なんだろ？」

セロフィート

「ふふふ。

　其（それ）はお酒（さけ）を飲（の）めないマオの為（ため）に作（つく）ったノンアルコールのリカーです。

　アルコール度（ど）数（すう）は０.０００％(パーセント)です」

マオ

「リカー？？

　リカーって何（なに）？？」

セロフィート

「リカーは “ お酒（さけ） ” です」

マオ

「お酒（さけ）に見（み）えるのに、お酒（さけ）じゃないのか？」

セロフィート

「はい♪

　子（こ）供（ども）にも安（あん）心（しん）して飲（の）めるリカー(お酒（さけ）)を目（め）指（ざ）しました。

　周（まわ）りの人（ひと）がお酒（さけ）を飲（の）めるのに自（じ）分（ぶん）だけ飲（の）めなくて恥（は）ずかしい思（おも）いをしたり、飲（の）めないお酒（さけ）を無（む）理（り）して飲（の）む必（ひつ）要（よう）もなくなります。

　体（たい）質（しつ）的（てき）にお酒（さけ）を飲（の）めない人（ひと）にもお薦（すす）め出（で）来（き）ます」

マオ

「へぇ……。

　子（こ）供（ども）も飲（の）めるお酒（さけ）なんだ？

　其（それ）を“ お酒（さけ） ” って言（い）うのか分（わ）からないけど、作（つく）っちゃうなんて凄（すご）いな！

　でもさ、入（い）れ物（もの）はどうするんだ？

　ラベルには何（なん）て書（か）くんだ？

　 “ ノンアルコールのお酒（さけ）です ” ってラベルに書（か）くのか？」

セロフィート

「専（せん）用（よう）のボトルを作（つく）りました。

　ボトルの形（かたち）はワインやシャンパンと同（おな）じにしてます。

　軽（ある）くて丈（じょう）夫（ぶ）で割（わ）れない素（そ）材（ざい）を使（つか）いました。

　ワイン，シャンパンに引（ひ）けを取（と）らないボトルとラベルに仕（し）上（あ）げてます。

　名（な）前（まえ）は “ リカー ” で売（う）り出（だ）します。

　先（ま）ずは市（し）場（じょう）へ卸（おろ）す前（まえ）に料（りょう）理（り）店（てん）へ卸（おろ）します。

　業（ぎょう）界（かい）で存（そん）在（ざい）を知（し）ってもらう事（こと）が１番（ばん）ですし」

マオ

「そうなんだ？」

セロフィート

「マオ、飲（の）んでみてください」

マオ

「うん！」

　オレはグラスに注（そそ）がれた“ なんちゃってリカー ” を飲（の）む事（こと）にした。

　いきなりグイッて飲（の）むのは怖（こわ）いから、グラスを口（くち）に付（つ）けて少（しょう）量（りょう）だけ口（くち）に含（ふく）んで舌（した）の上（うえ）で転（ころ）がしてみた。

　ソムリエがボトルを開（あ）けた時（とき）にしてくれるテイスティングって言（い）うの？

　あんな感（かん）じ。

　お酒（さけ）を飲（の）まないオレには、お酒（さけ）の味（あじ）なんて分（わ）からないから、テイスティングにはならないと思（おも）うけどな。

　口（くち）に含（ふく）んで味（あじ）わってみたけど、リカーは美（お）味（い）しくて飲（の）み易（や）い感（かん）じがする。

　子（こ）供（ど）にも飲（の）めるお酒（さけ）だから、子（こ）供（ども）が好（す）きそうな味（あじ）付（つ）けなのかと思（おも）ったけど、そんな事（こと）は全（まった）くなくて、後（あと）味（あじ）はスッキリしている。

　水（みず）よりもゴクゴク飲（の）めちゃう感（かん）じだ。

　ボトル１本（ぽん）何（なん）かじゃ全（ぜん）然（ぜん）満（まん）足（ぞく）出（で）来（き）ない味（あじ）だ！

マオ

「セロ、リカーって、スッゴく美（お）味（い）しいね！

　本（ほん）物（もの）のお酒（さけ）より美（う）味（ま）いんじゃないのか？」

セロフィート

「気（き）に入（い）ってくれました？」

マオ

「うん！

　毎（まい）日（にち）ボトルで１０本（ぽん）は飲（の）みたいよ！」

セロフィート

「はいはい。

　ウェイターさん、リカーのボトルを１０本（ぽん）お土産（みやげ）用（よう）に包（つつ）んでください」

ウェイター

「畏（かしこ）まりました。

　シンミン様（さま）。

　有（あ）り難（がと）う御（ご）座（ざ）います」

セロフィート

「お願（ねが）いします」

マオ

「なぁ、セロ、リカーの値（ね）段（だん）って幾（いく）らするんだ？

　子（こ）供（ども）にも飲（の）めるから安（やす）いのか？」

セロフィート

「ボトル１本（ぽん）６Ｍｋ（メキ）します。

　高（こう）級（きゅう）品（ひん）です」

マオ

「い゛っ…６Ｍｋ（メキ）って、金（きん）貨（か）って事（こと）かよ？！

　高（たっか）…い……んだな…。

　ボトル１０本（ぽん）って事（こと）はさ……、６０Ｍｋ（メキ）って事（こと）だよな？」

セロフィート

「そうです。

　支（し）払（はら）いはセロカでします」

マオ

「今日（きょう）１番（ばん）の買（か）い物（もの）だなぁ… 」

ウェイター

「シンミン様（さま）、本（ほん）日（じつ）のコース料（りょう）理（り）で御（ご）座（ざ）います」

セロフィート

「マオ、テーブルナプキンを膝（ひざ）に敷（し）いてください。

　料（りょう）理（り）をいただきましょう」

マオ

「うん」

　オレがテーブルナプキンを広（ひろ）げて膝（ひざ）に敷（し）いてる間（あいだ）に、ウェイターがテーブルの上（うえ）に料（りょう）理（り）を並（なら）べてくれる。

◎　６Ｍｋ（メキ） ─→ 金貨６枚＝６万円

　　６０Ｍｋ（メキ） ─→ 金貨６０枚＝６０万円

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