セロフィート
「 信じてもらえたとしても、逆に軍事利用する為に悪用され、K国へ攻め込む口実を捏造される可能性も捨てきれません。
『 K国の王子が身分を装い、我が国で包丁を使い大量殺人を犯し、我が国の国民の命を奪った 』──とか都合の良い事をでっち上げられ、 “ 包丁事件 ” の犯人とされ、K国だけでなく、近隣諸国をも巻き込んだ大戦争に勃発していたかも知れません。
自身の命が絶える事を知っても、戦争になる可能性を避ける為に、自身の正体を明かさず、隠したまま息絶えたK国の王子の死に様は──、実に嘆かわしく万死に値します 」
マオ
「 はぁ??
何でだよ?!
戦争を回避する為に名のならかったなら、偉いじゃないか!
其処はさ、誉め称えるべきじゃないのかよ? 」
セロフィート
「 当時じわる前まえのワタシセロフィートには全まったく面おも白しろい展てん開かいではなかったですし。
近きん隣りん諸しょ国こくを巻まき込こんだ大だい戦せん争そうが起おこるのを期き待たいしてました 」
マオ
「 セロぉ…… 」
セロフィート
「 マオと出で逢あう前まえの当とう入いれ替か時じわる前まえのワタシセロフィートは、やんちゃするのが好すきでしたし。
暇ひま潰つぶしに国くに同どう士しの戦せん争そうを高たか見みから見けん物ぶつするのが好すきでした 」
マオ
「 今いまのセロとは偉えらい違ちがいだな… 」
セロフィート
「 今いまは毎まい日にち、マオがワタシを楽たのしませてくれてますし。
大たい陸りく内ないで起おこる戦せん争そうを観かん賞しょうするより、マオと “ ごっこ遊あそび ” をしている方ほうが楽たのしいです♪
マオと出で逢あえて、ワ入いれ替かわタり前まえのセロシフィートの白しろ黒くろモノクロだった人じん生せいは鮮あざやかに色いろ付づきました。
日ひ々びの生せい活かつは幸こう福ふくに満みちてます 」
マオ
「 そ、そうなのか?
其それって…喜よろこんで良いいのかな?? 」
セロフィート
「 勿もち論ろんです。
ワタシに此こ処こ迄まで言いわせるのは、地ち球きゅうテッラ上じょうを探さがしても君きみマオだけです。
もっと胸むねを張はり、自じ信しんを持もって良よいです 」
マオ
「 セロ…(////)
──話はなしを戻もどすけどさ、Kケィ国こくに攻せめ込こまれた後あと、国こく王おうと王おう子じ達たちはどうなったんだ? 」
セロフィート
「 知しりたいです? 」
マオ
「 聞きいてるだろが!
勿もっ体たい振ぶらずに話はなせよ 」
セロフィート
「 はいはい。
軍ぐん事じ力りょくの強つよいKケィ国こくに敵かなう訳わけもなく、城しろは直すぐに陥かん落らくし、占せん領りょうされました。
国こく王おうと王おう子じ達たちは直すぐに捕とらえられ、国こく王おうが闇やみへ葬ほうむりさった筈はずの王おう子じ達たちの悪あく行ぎょうの数かず々かずを白はく日じつの下もとに晒さらすと、国こく民みん達たちに衝しょう撃げきが走はしりました。
国こく民みん達たちは国こく王おうと王おう子じ達たちの諸しょ行ぎょうに対たいして激げき怒どしました。
国こく民みん達たちの怒いかりを静しずめる為ため、無む実じつの罪つみで拷ごう問もんを受うけ、処しょ刑けいされたあまりにも多おお過すぎる犠ぎ牲せい者しゃ達たちへの追つい悼とうの意いも込こめ、国こく王おうと王おう子じ達たちの公こう開かい拷ごう問もんと公こう開かい処しょ刑けいが決けっ行こうされる事ことになりました 」
マオ
「 ………………そんなので国こく民みんの怒いかりは静しずまるのかよ? 」
セロフィート
「 国こく王おうと王おう子じ達たちへ拷ごう問もんするのは、誰だれでもない国こく民みん達たちです。
国こく民みん達たちが自みずからの手てで、国こく王おうと王おう子じ達たちに “ 痛いたみ ” と言いう終おわりの来こない罰ばつを心しん身しんに刻きざませます。
国こく内ないを巡めぐる事ことになる為ため、途と中ちゅうで国こく王おうと王おう子じ達たちに死しなれない様ように魔ま法ほうマジックを掛かけました。
痛つう覚かくを最さい大だい限げんに感かんじられる様ように敏びん感かんにしましたし、飲いん食しょくを必ひつ要ようとしない身しん体たいからだにもしました。
致ち命めい的てきな傷きずを負おっても15分ふんもあれば傷きず口ぐちは塞ふさがり、回かい復ふくする様ようにもしました。
拷ごう問もんを希き望ぼうする国こく民みん達たちには、新しん品ぴんの包ほう丁ちょうを支し給きゅうしました 」
マオ
「 …………因ちなみにさ、其それを提てい案あんしたのって誰だれなんだ? 」