セロフィート
「 仮に犯行がバレたとしても、自分達に捜査の目を向けられない様に、忘れる暗示を掛けたのでしょう 」
マオ
「 巧妙で酷い手口だな 」
セロフィート
「 “ 包丁事件 ” を裏で操り、甘い蜜を貪っていた黒幕は、陸でもない王子達だった訳ですけど、悪事は何時かは露見するものです。
“ 包丁事件 ” の首謀者が判明したのは、財力のある貴族の娘が被害に遭ったのが切っ掛けです。
貴族の娘が被害者にならなければ、露見するのはもっと後だったでしょう 」
マオ
「 貴族の娘なら、手抜き捜査なんて好い加減は真似は出来ないもんな? 」
セロフィート
「 そうですね。
依頼主は財力と権力も兼ね備えた貴族ですからね。
好い加減な捜査をしていては首を切られて飛びますし。
必死に捜査してました 」
マオ
「 苦労してなれた警察を首になるのは嫌だもんな。
王子達は捕まって、ちゃんと相応の罰を受ける事が出来たのか? 」
セロフィート
「 彼等ら達たちがマトモに罪つみを償つぐなう事ことが出で来きると思おもいます?
最さい終しゅう的てきにお裁さばきを下くだすのは、王おう子じ達たちを溺でき愛あいしている国こく王おうです。
国こく王おうの命めいにより、王おう子じ達たちの悪あく事じは揉もみ消けされ、真しん相そうも闇やみへ葬ほうむり去さられました 」
マオ
「 えっ……?!
国こく王おうはお裁さばきを下くださなかったのか? 」
セロフィート
「 勿もち論ろん、下くだしました。
国こく内ない中じゅうにある全すべての包ほう丁ちょうを回かい収しゅうする様ように命めい令れいしました。
包ほう丁ちょうは全すべて処しょ分ぶんする様ように命めい令れいしました。
“ 犯はん人にんは包ほう丁ちょう職しょく人にんの中なかに居いる ” として、国こく内ないに居いる包ほう丁ちょう職しょく人にんを捕とらえ、全すべての包ほう丁ちょう職しょく人にんを拷ごう問もんし、国こく民みんへの見みせしめとして公こう開かい処しょ刑けいさせました。
此これに反はん対たいした国こく民みんは大たい量りょう殺さつ人じん鬼きの共きょう犯はん者しゃとして捕とらわれ、有ありもしない容よう疑ぎの拷ごう問もんを受うけながら死しんでいったそうです。
国こく内ないから包ほう丁ちょうと包ほう丁ちょう職しょく人にんが居いなくなった国くにとして有ゆう名めいになりましたね 」
マオ
「 …………そんな事ことが本ほん当とに起おきてたのかよ?!
そんな…酷ひどい事ことが平へい気きで行おこなわれていたのかよ…… 」
セロフィート
「 事じ実じつと言いってます 」
マオ
「 …………其その国くにはどうなったんだ?
国こく王おうが崩ほう御ぎょした後あと、王おう子じの誰だれかが即そく位いしたのか? 」
セロフィート
「 無なくなりました 」
マオ
「 はい??
無なくなった??
どゆこと?? 」
セロフィート
「 王おう妃ひが亡なくなり、1ヵ月げつ後ご、隣りん国ごくに攻せめ込めまれて滅ほろびました 」
マオ
「 …………えぇと…攻せめ込こまれたのか?
何なんでだ?? 」
セロフィート
「 処しょ刑けいされた包ほう丁ちょう職しょく人にんの弟で子しに隣りん国ごくの王おう子じ── 仮かりにKケィ国こくとしましょうか ──が居いました。
兵へい士しに連れん行こうされる師し匠しょうや先せん輩ぱい達たちを助たすける為ため、反はん発ぱつして抵てい抗こうした罪つみで捕とらえられ、 “ 包ほう丁ちょう事じ件けん ” の共きょう犯はん者しゃとして拷ごう問もんを受うけた後あとに亡なくなりました。
隣りん国ごくで包ほう丁ちょう職しょく人にんが大たい量りょうに処しょ刑けいされた情じょう報ほうを入にゅう手しゅしたKケィ国こくの王おう族ぞく達たちは、隣りん国ごくで起おきた恐おそろしい諸しょ行ぎょうを知しる事ことになりました。
隣りん国ごくで息むす子こが捕つかまり、有あららぬ罪つみを被かぶせられたまま拷ごう問もんを受うけた事ことや獄ごく中ちゅうの中なかで息いき絶たえた後のち、遺い体たいは埋まい葬そうされる事ことなく、他ほかの死し体たいと同どう様ようにゴミ同どう然ぜんに荒こう野やへ捨すてられ、放ほう置ちされ野の晒ざらしになった王おう子じの亡なき骸がらは、無む惨ざんにも鳥とりや獣けもの,怪かい物ぶつモンスターの餌えさになった事ことも知しりました 」
マオ
「 ………………酷ひどい…な…… 」
セロフィート
「 自じ分ぶんがKケィ国こくの王おう子じである事ことを言いわなかったのでしょう。
仮かりに言いったとして、信しんじてもらえるか怪あやしいですし 」