♥ 商店街 1 / 飾り皿専門店 1 / 観光デート 11
──*──*──*── 商店街
──*──*──*── 飾り皿専門店
《 商店街 》へ再び戻って来たセロとオレは、キルト展示場へ行く途中に見掛けた飾り皿を専門に扱う店を見付けて、入店した。
店内には色んな絵柄が描かれた皿が飾られている。
見た目だけでも高価そうに見えるし、値段も思った以上にお高いのには驚いた。
日常的に使われる皿とは違って、細かい装飾がされてる皿もあって、格の違いを見せ付けられた様に感じる。
装飾が付いてるのかと思って見てみると、絵だったりするのもあって、職人や絵師の神業が光っている。
中にはトリックアートを使って描かれたユニークな皿も飾られている。
マオ
「 何れも凄いな〜〜。
皿をキャンバスにする事を考えた人って凄いよな… 」
セロフィート
「 そうですね 」
マオ
「 此の店で1番人気のある皿って何れだろう?? 」
オレは店内を歩き回って、人気のある皿を探してみる。
セロフィート
「 ──マオ、ありましまた。
此方です。
15Mhで売られてます 」
マオ
「 え゛っ?!
たっか!
何でそんなに高いんだ?
まぁ、殆んどが金貨でしか買えない皿ばっかりだけど…… 」
白金貨で15Mhもする皿を見てみたくなった。
一体全体どんな絵が描かれているんだろう?
超気になるぅ〜〜〜!!
オレはセロの立っている場所へ向かった。
セロフィート
「 マオ、来ましたか。
見てください。
シリーズ化されて売られてます 」
マオ
「 何れ何れ?
………………んんん???
此の絵って……見覚えがあるんだけど…… 」
う〜ん……何処で見たんだったかな??
何かを忘れている様な気がする…??
何処かで見た記憶はあるんだけど〜〜〜……思い出せない??
セロフィート
「 マオ?
急に黙り込んでどうしました? 」
マオ
「 …………いや、此の子供の落書きみたいな絵をさ、何処かで見た記憶があるんだけどさ……思い出せないんだよなぁ。
頭の中が霧で覆われてて見えない感じがして…… 」
セロフィート
「 子供の落書きとは又、失礼な例えですね。
熱烈な愛好家の耳に入ったら大変な事になりますよ 」
マオ
「 愛好家??
そんなのが居るのか? 」
セロフィート
「 居ますよ。
マオの絵に御執心なファンが山程… 」
マオ
「 オレの絵??
オレの絵って、どう言う事だよ? 」
セロフィート
「 はて?
そんな事、言いました? 」
マオ
「 言ったよな? 」
セロフィート
「 言ってません 」
マオ
「 言ったよな?? 」
セロフィート
「 言ってません 」
マオ
「 セぇロぉ〜〜〜!!!! 」
セロフィート
「 見てください、マオ。
どの絵柄の皿も人気です 」
マオ
「 ………………。
セロ──、オレの絵なんだろっ!!!! 」
セロフィート
「 何故そう思います? 」
マオ
「 何故って??
さっき、セロが言ったじゃないか! 」
セロフィート
「 思い出せないのでしょう?
マオの描いた絵である事を証明する証拠はあります? 」
マオ
「 しょ、証拠??
…………無いけど… 」
セロフィート
「 無いなら決め付けてはいけません 」
マオ
「 ………………。
絶対にオレの絵だと思うのに…… 」
セロフィート
「 確証の無い事に “ 絶対 ” を使ってはいけません 」
マオ
「 ………………分かったよ… 」
セロに上手く誤魔化された気がするけど、確かに気軽に “ 絶対 ” なんて言葉を使わない方がいいよな…。
納得出来ないけど!!
言いくるめられた様な気がビシバシするけど!!
…………此の黄色い何かに赤くて丸い小さいのが付いてる絵……見覚えがあるんだよな。
──あっ、タイトルが書かれてる。
何々…… “ タンポポに寄り添う、てんとう虫 ” だって??
作品者は────、 “ マオ・ユーグナル ” ………………。
オレの名前、まんまじゃないかよっ!!
製造社,販売提供社────、 “ セロッタ商会 ” ……だと?!
セロめぇっ!!
証明とか証拠とか言っといて、バッチリ証明も証拠もあるじゃないかよ!!
マオ
「 セぇロぉ〜〜〜!!!!
完全にオレが昔、描いた絵じゃないかよ!!
名前、見たぞ!! 」
◎ 15Mh ─→ 白金貨 15枚 = 150万円




