──*──*──*── 即売所
即売所は意外に広くてキルターと呼ばれる人達が丹精込めて、丁寧に作った様々なキルト作品やパッチワークキルト作品が透明なケースの中に飾られている。
此の作品の数々を作ったのが、キルト作りやパッチワークキルト作りが好きな主婦や学生のキルター達だなんて思えない程のクオリティーに驚いてしまう。
どの作品もレベルが高くて、値段も高い!!
同じ物が1つもないし、展示会の開催期間中でしか買えない作品ばかりだから仕方無いのかもな。
其に何れも自信作みたいだし。
マオ
「 なぁ、セロ。
展示品は販売しないのか? 」
セロフィート
「 展示品を販売したいキルターは展示会の開催期間終了後に〈 キルト・セロッタ 〉へ場所を移して販売します 」
マオ
「 そうなんだ?
何れも力作揃いだから迷っちゃうよな? 」
セロフィート
「 キルターにはファンが居ます。
作品を見て気に入ったキルターのファンが作品を買いに来たり、キルターの手伝いに来たりします。
自己負担のボランティアですね 」
マオ
「 ふ…ふぅん……。
自己負担で手伝うんだ…。
凄いな… 」
セロフィート
「 売り子は皆、キルターのファ婦ふン達たちですよ 」
マオ
「 そうなんだ?
何なんか生いき生いきしてて楽たのしそうだな 」
セロフィート
「 行いき過すぎたファン活かつ動どうは、ファン信しん者じゃを増ふやす為ための布ふ教きょう,勧かん誘ゆうになり兼かねません。
揉もめ事ごとトラブルが起おきない様ように〈 器うつわき人にんにん形ぎょうか 〉を展てん示じ場じょうの至いたる所ところに配はい置ちして監かん視しさせてます 」
マオ
「 へ、へぇ…居いるんだ…。
何どれが〈 器うつわき人にんにん形ぎょうか 〉なのか、全ぜん然ぜん分わからないけど… 」
セロフィート
「 マオ、次つぎは何ど処こへ行いきたいです? 」
マオ
「 う〜ん……そうだなぁ…。
──あっ、そう言いえばさ、展てん示じ場じょうへ来くる途と中ちゅうに年ねん代だい物ものの皿さらが飾かざられてた店みせがあったよな?
皿さらの真まん中なかに絵えが描えがかれてたと思おもうんだけど… 」
セロフィート
「 飾かざり皿ざらを販はん売ばいしている店みせですね。
行いってみます? 」
マオ
「 うん!
飾かざり皿ざらって事ことはだ、部へ屋やに飾かざって眺ながめる用ようって事ことだよな? 」
セロフィート
「 そうです。
中なか々なかの値ね段だんですよ 」
マオ
「 えっ…?
其それって高たかいって事ことか?? 」
セロフィート
「 行いって見みれば分わかります 」
セロとオレはキルト展てん示じ場じょうを後あとにすると、飾かざり皿ざらを売うる店みせのある《 商しょう店てん街がい 》へ戻もどる事ことにした。