♥ 森の中 1 / 未知との遭遇 1 / 観光デート 5
──*──*──*── 森の中
転移魔法陣の光が消えると、セロとオレは森の中に居た。
辺りを見回してみると目の前に何かが転がっているのに気付いた。
マオ
「 ──セロ、あれって何だろう? 」
セロフィート
「 死体でしょうね 」
マオ
「 死体??
何で死体が森の中にあるんだ? 」
セロフィート
「 確かに死体が出たなら警察の出番ですね。
事件の匂いがします 」
マオ
「 事件……。
激しく関わりたくないな… 」
セロフィート
「 マオ、行きましょう 」
マオ
「 えぇっ?!
死体を見るのかよ?
折角楽しいデートを満喫してたのに… 」
オレはセロの後を追って歩いた。
死体は仰向けになった状態で地面の上にある。
顔は青白くて、血の気が引いているみたいに見えて、白目を剥いたまま息絶えている。
口からは涎が垂れていたのか、跡が残っているみたいだ。
死体を見て奇妙に思ったのは、上半身は衣服を着ているのに、何故か下半身は何も身に着けてなくて、下腹部が丸出しの状態でいる事だ。
一体何があったんだろう??
反り立つ立派な男の象徴を丸出しにしたまま死ぬ様な “ 何か ” が、此の3人の身の上に起きたって事なのかな??
……………………本当に何があった?!
下腹部が丸出しになってる死体と事件を掛けて、珍事件──なんつって??
阿呆な事を言ってる場合じゃないよな。
奇妙ではあるけど、此は大変な事件になる──と思う。
だって、そうだろ??
体格が良くて強そうな3人の男達が珍妙な姿で死んでるんだから。
マオ
「 セロ……、此ってどういう事だろうな?? 」
セロフィート
「 マオ、此の3名の顔に見覚えはないです? 」
マオ
「 見覚え??
あったかな?? 」
セロフィート
「 新聞に掲載されていた冒険者の記事です。
行方知れずで失踪中になっている冒険者の欄に似顔絵と名前が載ってました 」
マオ
「 そうなのか?? 」
セロフィート
「 行方知れずで失踪中の冒険者が3名も死体で発見されたのです。
騒ぎになるでしょうね 」
マオ
「 …………だよな?
警察も来ちゃうしな?
冒険者ギルドに登録してる冒険者がこんな形で死んでるんだから、冒険者ギルドも動くかも知れないよな? 」
セロフィート
「 エベトモダスト遺跡の依頼を直々に受けてるマオとワタシには関係無い事です。
良かったですね、マオ 」
マオ
「 そだな…。
──セロ、そろそろ行かないか?
もう直ぐ14時になるし。
デートの続きしようよ 」
セロフィート
「 はいはい。
行きましょう 」
セロとオレが死体から離れ様とした時、数人の男達が走ってやって来た。
男達はカメラを持っていて、一斉に死体の写真を撮り始めた。
死体の辺りも写真を撮っている。
マオ
「 警察……じゃ、なさそうだな 」
セロフィート
「 記者でしょうね。
警察より先に来て現場の証拠写真を撮ってるのでしょう。
事件が起きた時は、記者は速やかに警察に協力する事になってる様ですし 」
マオ
「 ……何で知ってるんだよ? 」
セロフィート
「 親切な記者さんが教えてくれました♪ 」
…………オレの知らない所で、記者に “ 何か ” したんじゃないのか…??
聞かないけど……。
マオ
「 へ、へぇ…親切な記者ね… 」
セロフィート
「 街民の不安を煽る様な記事ばかりを提供するだけではないと言う事です 」
マオ
「 そうなんだ? 」
記者:A
「 ──酷いな…。
また冒険者の被害者かよ… 」
記者:B
「 先週もあったよな。
ボート池に男の死体が浮いててさ、調べたら冒険者だったろ 」
記者:C
「 そうそう!
其の時の死体も酷かったよな…。
何で下半身だけ丸出しにして死んでるんだか…… 」




