オレは残りの記事を読む。
どうやら≪ コンシェンジェ国 ≫の冒険者は良く揉め事を起こす者が多いらしい。
何処でどんな揉め事を起こし、誰がどんな被害を被ったのかって事の詳細が赤裸々に事細かに書かれている。
問題を起こした冒険者パーティー名も確りと書かれている。
読んでてゾッとするぅ〜〜〜。
記者って怖いな……。
マオ
「 セロ…オレ達も記事にされない様に気を付けないと──だよな 」
セロフィート
「 冒険者である以上、パパラッチの被害に遭うのは避けられませんよ 」
マオ
「 えぇ〜〜〜…… 」
セロフィート
「 パパラッチの被害になるべく遭わない様にゲート魔法を使ってます。
絶対ではないですけど、標的にされる事は当分無いと思います 」
マオ
「 そうなんだ??
ちゃんと考えてくれてるんだな(////)」
ただ単に楽がしたいからってだけで、ゲート魔法を使ってた訳じゃないんだな。
セロフィート
「 マオ、他にはどんな記事があります? 」
マオ
「 うん。
え〜と……【 勇者パーティーに御用心!! 】ってのがあるな。
──隣国の≪ エレメカン国 ≫で、 “ 要注意パーティー ” としてマークされていた勇者パーティーが≪ コンシェンジェ国 ≫へ入国した目撃情報を入手したんだってさ。
“ 勇者 ” ってあんまり聞かないよな 」
セロフィート
「 そうですね。
他国では “ 冒険者 ” ではなく “ 勇者 ” と呼ぶ事もあります。
呼び名が違うだけで、する事は冒険者と大して変わりません 」
マオ
「 へぇ?
そうなんだ。
じゃあ、国に依っては “ 冒険者ギルド ” じゃなくて “ 勇者ギルド ” があるんだな? 」
セロフィート
「 そうですね。
呼び名が違うだけですから、素行の悪さが目立つ勇者も居るでしょう。
冒険者もピンからキリ迄居ますし 」
マオ
「 ははは……。
素行の悪い勇者を勇者扱いしてて良いのかな… 」
セロフィート
「 “ 勇者 ” と名乗っている以上、祖国では大手を振って悪さは出来ません。
其の点、他国でなら大手を振って羽目を外す事が出来ます。
日頃の憂さも晴らし易いのでしょう。
悪事に手を染めても他国であれば、勇者ギルドへ通報されません。
勇者としての資格を剥奪される事もないですし 」
マオ
「 態々悪さをする為に他国に入国するとか、心底性根が腐ってないか? 」
セロフィート
「 人間の性根は簡単に腐るものです。
パパラッチや勇者の被害に遭いそうになれば、ワタシが〈 テフの源みなもと 〉へ変へん換かんします 」
マオ
「 其それは止やめようよ…。
懲こらしめるぐらいで良いいんじゃないかな? 」
セロフィート
「 そうです? 」
マオ
「 素そ行こうの悪わるい勇ゆう者しゃなんて、まるで野や盗とうや盗とう賊ぞくが勇ゆう者しゃを名な乗のって悪わるさをしてる様ようにも思おもわれそうだよな。
違ちがうんだろうけど… 」
セロフィート
「 其それもあります。
悪あく事じを働はたらく勇ゆう者しゃに便びん乗じょうし、 “ 勇ゆう者しゃ ” と名な乗のり悪わるさをする輩やからも居いるでしょう。
何なにかあっても全すべてを “ 勇ゆう者しゃ ” の所せ為いにしてしまえば良よいですし。
実じっ際さいに居いますし、幾いくらでも罪つみを擦なすり付つける事ことは出で来きます 」
マオ
「 どっちも最さい低ていで最さい悪あくだな…。
勇ゆう者しゃを名な乗のって悪わるさをする野や盗とうや盗とう賊ぞくの退たい治じ依い頼らいとか冒ぼう険けん者しゃギルドに入はいるかも知しれないな? 」
セロフィート
「 実じっモル験けんモ台だいットの補ほ充じゅうには丁ちょう度ど良よいですね。
あれば受うけましょう 」
マオ
「 …………そだな…。
──でもさ、国くにから国くにへ移い動どうするのに怪かい物ぶつモンスターを倒たおさないと駄だ目めだろ?
≪ 町ちょう ≫や≪ 街まち ≫を経けい由ゆはするけど、道どう中ちゅうは危き険けんを伴ともなう訳わけだしさ。
勇ゆう者しゃパーティーって強つよいんだな 」
セロフィート
「 冒ぼう険けん者しゃよりは旅たび慣なれしてるかも知しれませんね 」
マオ
「 記き者しゃだけじゃなくて、勇ゆう者しゃにも目めを付つけられない様ように気きを付つけないといけないなんて、面めん倒どうだな…… 」