♥ 宿屋 4 / 食堂 3
セロフィート
「 他人事ですし 」
マオ
「 ──セロっ!!
もうっ、セロもオススメソースを食べろよ!! 」
セロフィート
「 嫌で〜〜〜す。
マオ、口直しにデザートでも頼んではどうです? 」
マオ
「 …………そうだな…。
蛞蝓を食べた事を忘れさせてくれる様なデザートを頼むよ 」
オレは口直しにデザートを頼む事にした。
メニューの中からデザートを選んでいると、食堂が急にザワめき始めた。
マオ
「 ──ん?
どうしたんだろう? 」
セロフィート
「 他にも宿泊している冒険者が居ますし、任せましょう 」
マオ
「 う、うん… 」
セロが関わらない様にするなら、オレも首を突っ込まない方が吉……だよな?
オレの傷付いた心を癒してくれるデザートも頼まないといけないし!!
──よし、決めた!
オレは近くに居たウェイターさんに声を掛けた。
マオ
「 食後のデザートを頼みたいんだけど良いかな? 」
ウェイター
「 有り難う御座います。
御注文を伺います 」
オレは食べたい8品のデザートを4つずつ注文した。
ウェイターさんの顔が引き吊ってるよぉっ!!
セロフィート
「 ウェイターさん、ワタシの分も入ってます。
1品を4皿ずつ、お願いします。
チィゲール茶のホットも2人分お願いします 」
ウェイター
「 畏まりました 」
セロの注文を聞いたウェイターさんは、キッチンカウンターの方へ向かって歩き出した。
マオ
「 セロ、有り難な(////)
オレの為に嘘吐かせちゃってさ… 」
セロフィート
「 気にしないでください 」
デザートを待ってる間、セロと明日の観光デートについて話をする事にした。
窓から見える外では雪がハラハラと降っている。
頼むから明日は止んでくれよぉ!!
マオ
「 明日は晴れてくれると良いな。
雪の中を観光するとか嫌だし… 」
セロフィート
「 心配しなくても止みます 」
マオ
「 そうかなぁ? 」
セロフィート
「 雪の中を観光するのも楽しいです 」
マオ
「 雪国なら諦めるけど、≪ 街 ≫は雪国じゃないだろ〜〜。
何で雪なんて降るんだろうな? 」
セロフィート
「 さぁ?
≪ ジェジロエンダ大陸 ≫の天候は読めませんし… 」
マオ
「 天候を読む?
そんな事が出来るんだ? 」
セロフィート
「 古代魔法を使えば出来ます。
≪ ジェジロエンダ大陸 ≫の天候を読む事は出来ませんけど… 」
マオ
「 じゃあさ、明日が晴れるか “ 分からない ” って事か? 」
セロフィート
「 そうです 」
マオ
「 駄目じゃんかよ〜〜!
じゃあ、明日も雪かも知れないじゃないか 」
セロフィート
「 雨かも知れませんね 」
マオ
「 折角の観光デートなのに゛ぃ〜〜!! 」
セロフィート
「 ふふふ(////)
雨天でもデートします? 」
マオ
「 う゛ぅ〜〜〜……考えとく… 」
窓の外を眺めながら、オレは深い溜め息を吐いた。
セロフィート
「 ──マオ、デザートが来ました 」
マオ
「 待ってました! 」
さっきと違うウェイターさんが、丸盆にデザートを載せて運んで来てくれた。
ウェイター
「 御待たせ致しました〜。
チィゲール茶のホットと1品目のミルクレープです 」
ウェイターは2つのティーカップと4皿のミルクレープをテーブルの上に置いてくれた。
マオ
「 有り難う。
──さっき迄騒がしかったみたいだけど、静かになったね。
何かあったの? 」
気になっていた事を思い切って聞いてみた。
セロフィート
「 マオ…。
お止めなさい 」
ウェイター
「 あぁ、大丈夫ですよ。
唯の痴話喧嘩だったみたいですから 」
マオ
「 痴話喧嘩?? 」
ウェイター
「 何でも『 別れる 』とか『 別れない 』とかで揉めてましたよ。
喧嘩なら外でしてほしいですよね〜 」
マオ
「 冒険者って良く揉めるんだね 」
ウェイター
「 付き合ってた相手が良くなかったんですよ。
女タラシのディケド・セルブンなんかと関係を持つから──っと、済みません!
余計な話でしたね。
2品目が欲しい時は声を掛けてください 」
会釈をしたウェイターさんは、他のテーブルへ行ってしまった。
マオ
「 痴話喧嘩かぁ…。
セロとオレって痴話喧嘩した事あったかな?? 」
セロフィート
「 マオはワタシと痴話喧嘩…とやらがしたいです? 」
マオ
「 したい訳ないだろ!
オレはセロと仲良しでいたいよ 」
セロフィート
「 痴話喧嘩とやらの “ ごっこ ” も楽しそうです♪ 」




